北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2161】La Pousse d'Or Volnay 1er Cru En Caillerets 2009

 
Volnay 1er Cru En Caillerets La Pousse D'or
※リンク先はヴィンテージが異なります
 
このワインは、いつも難癖ばかりつけているヴォルネの低価格な作り手、プス・ドール。ここが低価格な理由は、ワインの真ん中に中空があるというか、充実感のない穴みたいなものがあるから、だと思う。でも、出来の良いヴィンテージだと頑張ってくれるし、低価格なりにブルゴーニュの北から南まで色々な畑を持っているので畑の比較にはなる。で、低価格低価格と言っているけれども昨今のブルゴーニュ高騰でここも高くなってしまった。これは、2009年のヴォルネ一級カイユレという、良ヴィンテージ・良畑という組み合わせ。以前にもこの組み合わせは飲んでいて、そのときは良い評価だった模様。
 
まず見た目。グラスの辺縁はまだまだ濃いけれども、色彩は赤茶レンガ色に変わってきていてなかなかきれい。香りは、チョコと土一盛り、それから黒系果実どっさり。なかなか良い滑り出しだ。
 
口に運ぶと、なんとも軽い口当たり。ふわっふわのワインで、そこに果実味と予想以上にしっかりした酸味で驚く。ここではプス・ドールの悪い癖が典型的に出ていて、酸味とタンニンとコクの三者がちゃんと繋がっていないというか、例の「中空」がある。これがあるからあんたのワインは他所のワイナリーさんより値段が控えめのままなんですよ、と言いたくなるような。前回は円満なワインだったと記録にあるけど、こいつは円満じゃあない。ん? 熟成が足りないからこうなる? 今日は半分まで飲み進めても落ち着きがなく、軽いボディとがさがさしたタンニンが口のなかでまとまりきっていなかった。飲み進めたおかげか果実味はそこそこ濃くなってくれているけれど、それ以外の要素との調和がとれていない。とりあえず半分明日に残す方針で。
 
※二日目のほうがまとまりが良いし、土っぽさが前に出てきた。でも今回は二日目も小柄な印象。ヴォルネのなかでは最高クラスであるはずのカイユレの看板にふさわしいワインとは言えなかった。2009というヴィンテージを考えるにつけても、どうしてこうなったのかよくわからない。