北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2176】Domaine Paul Pillot Bourgogne Pinot Noir 2018

 
ドメーヌ・ポール・ピヨ ブルゴーニュ ピノ・ノワール [2018]750ml
 
このワインは、飲んだことのないメーカーの平格ブルゴーニュなのだけど、なんと蜜蝋ならぬ樹脂蝋で封がされていた。すごいごつい雰囲気だ。でも平格は平格。気軽に飲んでみましょう。
 
まず見た目。ワインレッドという形容が良く似合う、赤黒くなりすぎない色合いをしている。とはいえピノ・ノワールとしてはそこそこに濃く、オレンジ~レンガ色の色彩とはなっていない。若そうな色合いだ。香りは、なんと主体が森の下草。苔とか切り株とか、そういったものの香りがむんむんとしている。こういう点では平格ブルゴーニュらしくない。果実の香りは、こうしたオーガニック臭の後ろからやってくる感じ。
 
口をつけてみると、まずどっさりタンニンにびっくりした。ブルゴーニュなのにふさふさのタンニンで口のなかがいっぱいだ! コーヒーみたいな苦みとコクもある。果実の雰囲気はピノ・ノワールっぽいのだけど、と書きかけて訂正。これってブラインドでピノ・ノワールってわかるんだろうか? ふさふさのタンニンとコーヒー風味からいって、自分はこれをブラインドではブルゴーニュピノ・ノワールと絶対に当てきれないだろう。この森の下草風味を前提としてブラインドテイスティングしたら、質の良いバルベーラとか、質の良いカリピノとか、そういう答え方をしそうだ。飲み進めてくると、ほっこりとした果実味が盛り上がってきた。こうなってもなお、苦みやコーヒーが強く、舌ざわりがざらざらしている。少し亜鉛アルカリ土類金属っぽいかもしれない。こうした諸点を考えると、ピノ・ノワールというよりクリュ・ボジョレーのモルゴンとか丁寧につくられたバルベーラ、よくできた南仏系ワインなどと区別が難しいとみた。けっして悪いワインではないけれどもピノらしいかと言われるとさて。
 
※翌日。森の下草みたいな香りが強化された。でもって、飴みたいなあまーい香りも。た、沢庵みたいな漬物っぽい香りまで混じってきたぞ?! 昨日よりも高級感がある。いいじゃないか。でもピノ・ノワールっぽいかというとそれはまた別。ますますもって、自分が知っているピノ・ノワールから逸脱して怪物のようなワインに姿を変えていった。こういうの、好きな人はすごく好きで高く評価するんじゃないかと思う。