北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2190】Domaine Bart Fixin Hervelets 1er Cru 2008

 
www.vinica.me
 
このワインは、ブルゴーニュ北部・コート・ド・ニュイの一エリアであるフィサンでつくられた、知らない一級畑の知らないメーカーのワイン。2008年はヴィンテージ的には弱いので、ちょっと見当がつかない。
 
まず見た目。この年代のブルゴーニュ赤にしては濃いかもしれない。少なくともメチャクチャ輝いているような作りではない。香りを確かめると、なんと香料みたいな凄い香りがもうもうと立ち上がってくる。違う地域のワインだけど、(ローヌの有名作り手である)ボーカステルのしっかりした熟成ワインのような、なんと言えばいいのかわからない、でも高そうな香料の香りだ。それが曇りなく迫ってくるのだから驚き。すげー!
 
口に運ぶと、こちらはフィサンめいていて、タンニンがしっかりしていてざらっとしている。お隣の、はるかに高価で有名なジュヴレ・シャンベルタンのワインと比較すると、テナーが効いていなくて格下という印象は否めない。でも、それがどうした! フィサンでこれだけ芳香を放っていればケチなんてつける気にもならない。全身に香りが行き渡るようだ。
 
旨くて香り高くて、ついつい飲み進めてしまう。すると今度は酸の効いた果実味の飲みやすさが浮き彫りになる、どんどん飲めてしまう。あー、これは飲み吟醸でもあるのか。酸がつるりとしているからいくらでも飲めてしまいそうだ、というか進んでしまう。まさかフィサンでこれほどの出来映えとは思わなかった。2008年は酸っぱさの目立つヴィンテージだったけど、そのあたりもこのボトルでは幸いしているのかな。