北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2204】Calera Mills Pinot Noir 2014

カレラ ミルズ 2016
※リンク先はヴィンテージが異なります
 
このワインは、カレラがつくっている畑名ワインのなかでは一番のお気に入りのミルズ。前回は2016年に対峙し、たいへん満足できていた様子。このミルズはいわゆるトップキュヴェではないのだけど、軽い飲み口と貝殻みたいなミネラル感覚が大のお気に入りでリピートしている。でも、4000円だったものが7000円へ、気が付けば10000円へと着実に値上がりしてしまい、もう買う気がすっかりなくなってしまっているのだった。ワインセラー禍ではじき出された最後の一本を今日は抜栓。
 
まず色。ちょっと赤茶色がかっていて、結構きれい。そこらのブルゴーニュと比べても色は濃くないと思う。香りは、梅系のつんとした果実系に加えて、ちょっとだけバニラアイスみたいな香りがする。
 
口に運ぶと、果実味と苦みがぐぐーっと来てブルゴーニュ赤とははっきり違う感じ。カレラのなかではミルズは薄口だったと記憶しているけど、これは初手から力強くて濃い。チリなどのピノ・ノワールと違ってコーヒーっぽさはあまり感じず、やはり、貝殻っぽさが漂っている。でもってミルキー。バニラアイスみたいな香りと相まって、とても気持ちの良い飲み心地になっている。ああ、このワイン、自分の「好み」なんだなぁとわかる。最近立て続けにちょっと良いブルゴーニュ赤を飲んでいたから、かえってこのワインのカリフォルニアらしさ、カリフォルニアのピノ・ノワールとしての良さがくっきりしている。飲み進めると、バニラ系の居心地の良さと舌ざわりのびろうどのような滑らかさに驚かされる。これは明確にブルゴーニュ赤と差別化されていて、それでいてリッチな気持ちになれるあか抜けたワインだ。2020年に飲んだセレックを思い出すと、ミルズはブルゴーニュ赤の面々よりもセレックに似ていて、セレックに比べて変化の馬力が弱いけれども安定した出力がある。やはり、自分にとってカレラで一番手堅いワイン。今の値段はさすがに高すぎると感じるけれど、価格を裏切られたと感じる弱さが無い。秀逸だ。
 
※二日目。香りが全般的にスケールダウンした。スケールダウンしてもある程度は優れているのだけど、初日のほうがはっきり良かった。