北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2226】Rayane et Pascal Bouley Volnay Premier Cru Clos des Chenes 2010

 
ヴォルネイ プルミエ クリュ クロ デ シェーヌ [2010] レイヤンヌ エ パスカル ブレ
 
このワインは、2020年の12月に対峙したことのある、比較的値段の安いヴォルネ一級クロ・デ・シエーヌでつくられたワイン。このワインが値下がりしているのを発見し、リトライしてみることになった。値下がりしたということは、盛りを過ぎたってことだろうか。とはいえ2010はブルゴーニュの良ヴィンテージ、いくらヴォルネとはいえ一級の盛りが11年で過ぎるってどうなのよとは思う。でも、プス・ドールあたりはそんな作りをやってそうだと感じるので、ありえないことはない。まあ、飲んで確かめてみましょう。
 
抜栓し、グラスに注いでみるとメロンみたいな熟成香りがふわーっと辺りに広がる。色は、注ぐ際にはオレンジ色がかったうずら色にみえるけど、注ぎ切ってしまうと焦げ茶色みたいにみえる。でも、光の透過性はバッチリ、すごく透明感がある。
 
香りは、初手で香ったメロンよりももっと夕張メロン、すごく甘いやつ。ザラメも入っているかのような。梅、チョコレート、しそ、柿、そんな具合に香りの玉手箱だ! これ、熟成バッチリ入っているんじゃないか。ポートワインみたいな印象すら受ける。
 
口に運んでみると、比較的あっさりとした+ヴォルネらしい羽毛のような軽さのワイン。前回に比べてチョコレートが弱いかな……と思いきや、口に含んでいるうちにチョコレートやカフェオレのようなニュアンスも帯びてくる。最高だ。気が付けば酸味もあるし塩分や椎茸を連想する場面すらある。これは、メチャクチャ美味いんじゃないだろうか。すごい香りの渦だ。素晴らしい。ところが2時間ほど経ってくると、この香りがだんだん弱まってくる。あっ!このワインもう限界なんじゃないか。余韻は残っているけれども、尻すぼみの展開は否めない。でも、今日じゅうに飲み切ってしまうのは無理なので半分残して明日へ。
 
※翌日。まだ夕張メロンやマッシュルームは健在だけど、果実味や酸味がおだやかになってしまって、かつおだしみたいな老成ブルゴーニュ赤っぽさが前に出るようになった。もちろんうまいのだけど、前日の華々しさを知ってしまった以上、寂寥の念は否めない。いいワインだったけど、ここらが限界のようだ。このレイヤンヌ・エ・パスカルという作り手が早熟系なのかクロ・デ・シエーヌという畑が早熟系なのか。でもトップスピードは立派でした。