北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2269】Chateau Montfollet 2019

 
[2019] シャトー モンフォール トラディション

このワインは、確か数合わせのために購入したやっすいボルドーの赤。とはいえ、この価格帯のボルドーには独特の味わいがあって、興奮よりも鎮静のきらいがある品は特に好きだったりする。また、値段の割に鉄や血のニュアンスがしっかりした、甘さ控えめの品も好きだ。こいつも、そのどちらかに属していてくれると嬉しいのだけど。
 
まず見た目。おっと、これは黒々としているぞ。透明度も最低クラスで、明かりに透かしても光を透過しない。香りは、杉系の入浴剤の香りがぷんぷんして、この価格帯のボルドーとしてはありそうな感じ。あとピーマンがいるので、メルローが混じっているのは確実だろう。
 
口に運んでみると、ちょっといやーな酸っぱさが瞬間的に唇の端を走っていった。うーん、なんだこれは。コクがあってびろうどのように滑らかな飲み心地、タンニンはそれなり感じられるんだけど、これは、滑らかなほうだと思う。ときに、ビターチョコレートを思わせるようなコクと甘味が感じられることも。こういったところはなかなかいい。
 
ただ、このワイン、やっぱり酸味に引っかかるところがある。ワインにとって酸味はある程度必要なものだけど、こいつは唇のまわりにやっぱりいやーな酸っぱさがついてまわる。ボルドーの赤ワインで、こういう酸っぱさに悩まされた記憶はあまりない。この点を除けば、ゆったりとした飲み心地を楽しめるワインなのだけど、価格帯を考えれば、ひとつぐらいの欠点には目をつむるべきかのかもしれない。うーん……。
 
※二日目。ちょっと出力が弱くなったかわりに、酸味の刺々しさが和らいで、親しみやすくなった。やや凡庸だけど、こちらのほうが安ワインとしてはやさしい。ということは、このワイン、少し空気に晒したほうがバランス良くなる状態だったのか。若いから、そうだったのかも。