北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2281】Domaine Faiveley Mercurey Vieilles Vignes 2019

 
ドメーヌ・フェヴレ メルキュレ・ルージュ VV [2019]750ml
 
このワインは、ブルゴーニュの非-中核エリアであるメルキュレで大手フェヴレが作っている、メルキュレ村名格の赤ワイン。前回飲んだ時にはコスパに優れた、溌剌としたタイプだったので、再び登板いただくこととした。
 
まず見た目。赤ワインとしてはだいぶ色が薄く、透明度の高い、ガーネットみたいな色合いをしている。なんだか照り照りした、輝きのある色合いできれいだ。香りは、森の下草みたいなオーガニックなやつと赤系果実の甘酸っぱそうな香り、そこに少しばかり化粧箱系が伴っていて、価格と村の格付けを考えれば立派なもの。前回は森っぽさ、緑っぽさが先立っていた様子だけど、今回はもう少し豪華というか気取った感じがして、もう少し高い格付けを連想させる感じだ。
 
口に含むと、しかし森っぽさが前景に立った、甘酸っぱい飲み物だ。ちょっとざらつきのあるタンニンに加え、コクがしっかりあって、森の収穫物感がある。ここまで来ると、洗練された高級系ピノに期待されるものが無いとわかるんだけど、いやいや、メルキュレですから別にいいじゃないですか。いくら飲んでもスイスイといける点においても、これは良いピノ・ノワール。超一流の作り手ではないけれども手堅く、流通量も多いのでこれからも頼りにしたいワインだ。
 
※翌日、ジュルジュ・リニエのクロ・サン・ドニとの比較のために残余が駆り出された。特級に比べると果実味でも集中力でもはっきりと水をあけられている一方、森の収穫物感ではこちらが勝っており、完全に負けているわけではない。むしろ、このワインの持ち味がよくわかって感心した。森の下草っぽいブルゴーニュワインを手頃な価格で入手できると思えば、メルキュレは良い選択肢。レストランなどでは重宝する選択肢だと思う。三日目まで残したものさえ結構良かった。