北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2348】La Pousse d'Or Volnay 1er Cru En Caillerets 2017

 
[2018] ヴォルネー 1級畑 レ カイユレ プス ドール
※リンク先はヴィンテージが異なります
 
このワインは、正直のところヴォルネ一級としてはあか抜けない、プス・ドールがつくっているヴォルネ一級カイユレ。このプス・ドールは、カイユレはカイユレでもなんちゃらヴーヴレという単独畑モノを持っていて、それに比べたら明らかに品質で劣っているのがこちらのノーマルカイユレなのだった。前回は良ヴィンテージの2015年と対峙記録がある。そのときは、意外にいい線行っていたようだが、なにしろこれはあまりはっきりしないヴィンテージである2017、まったく油断ならない。
 
まず抜栓。コルクの裏は暗い紫色で、いい香りがする。グラスに注いでみるとそこそこ濃い赤紫色ながら、ボジョレー系ほどピンクっぽくもなく、ボルドー系ほどまっくろでもなく、ピノ・ノワールの色彩の範囲に入っている感じだ。香りは黒系果実の香りがじっとりと。それとチョコレート、ローソク。梅香も奥からやってくる。まあ、いいんじゃないでしょうか。
 
口に含んでみると、森の下草系の香りがいきなり口のなかいっぱいに広がる。梅っぽい果実味も豊かで、なんかえらく濃いぞ? プス・ドールのカイユレはもっと果実味がぱさぱさしていてそこが駄目だと思っていたけれども、この2017はその欠点があまりない。後になってまた感じちゃうかもだけど、初手はいいぞ? ヴォルネだけあってそんなに重たくもなく、味わいの次元では赤系果実っぽさもある。タンニン? いや、タンニンはあまり気にならない。ないわけじゃないけどうるさくない。ほんのりとバニラアイスがよぎったけれども、これも、うるさいっていうほどうるさくないと思う。アジフライやすき焼きと一緒にやってみると、今度はワインがちょっと勝っているいる感じがして、いちおう一級なんだぞ、カイユレなんだぞと自己主張しているような。もっとちゃんとした料理をぶつけてあげればよかった。それとこんなに果実味がしっかりしているなら、寝かせてあげればよかった。しかしヴィンテージの覆水盆に返らず。でもあんた、今まで若飲みするしかない奇妙なカイユレつくってきたじゃないですかプス・ドールさん。ここのワインとどう付き合えばいいんだろうか? 迷う。
 
※二日目は、いまいち香りが広がらず、なんだか平板になってしまった。おいおいしっかりしてくれよ。翌日に残すことにしよう。
 
※三日目。うーん、いまいち。酸味が勝つような事態にはなっていないけれども、ヴォルネでいえば村名格ぐらい?って感じの軽くて(初日より)単調な調子になってしまった。このあたりもプス・ドールのカイユレの弱さだろう。まだ家に残っていただろうか? 2015が一本残っていたかもしれないが、残っていたらあまり粘らず飲んでしまいたい。