北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2363】Domaine Clos de la Chapelle Beaune 1er Cru Champs Pimont 2016

 
ドメーヌ・クロ・ド・ラ・シャペル ボーヌ 1er シャン・ピモン [2016]
 
このワインは、見たこともない作り手が作っているボーヌの一級。これを、先だってより美味かったマランジュとの比較として飲んでみることにした。ヴィンテージは2016とかなり若い。でもボーヌなら一級でもこれぐらいで飲めるでしょう。
 
まず色を確認。9月20日のマランジュより濃いけれども、まだまだピノ・ノワールらしい透明感のある色だ。少なくとも一部の濃い系ピノ・ノワールみたいな色はしていない。香りは抜栓からまもなく、イチゴジャムのようなあまーい香りがふわーんとあたりに広がってうまそう。グラスの奥には森の下草や腐った切り株みたいなオーガニック系の香りも潜んでいるけれども、まずストレートに黒系果実の香りがドンと来る。ボーヌらしくていいと思う。
 
口に運んでみると、これがまた果実詰め合わせかよ! と言いたくなるほどフルーティー。口に入れた瞬間はカシスやブラックベリー、しばらく経つと気持ちの良い酸味とともにアセロラやサクランボといった、もう少し色の薄い果実を連想させる甘酸っぱさが炸裂する。タンニンに苦みやコクはそれほど目立たず、かなりストレートにボーヌらしいワインをやってくれている。ストレートに脳髄を刺激するうまさで、後味の酸味が甘酸っぱくも舌ざわりが良くてうれしくなってしまう。先日の、知らない作り手のボーヌ一級クロ・デ・ムーシュと比較すると、こちらのほうがわかりやすく、美味い。でもってジョセフ・ドルーアンの銘品クロ・デ・ムーシュを思い出すのは、むしろこっちだ。このあたり、畑の名前以上に作り手の意図やデザイン次第、ということなのかもしれない。
 
※二日目は、果実味のはちきれるような感じは後退。かわりに森っぽい風味がぐっと強くなり、大人びたワインになった。マランジュと比較すると、こちらのほうがやはり果実味が強いことがよくわかる。双方のワインの良さがそれぞれ伝わってくる、そんな比較になって良かった。