北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2384】Joseph Faiveley Ladoix 2020

 
フェヴレ ラドワ ルージュ 2020
 
このワインは、ブルゴーニュ赤では大手と言えるジョセフ・フェヴレが作っているラドワ。とはいえ、これはドメーヌものではなく、葡萄を買ってフェヴレが漬けた、いわゆるメゾンもの。同社のラドワを見かけるのはこれが初めて。果たして、なんらか裾物のブルゴーニュ・ルージュとは一味違ったところを魅せてくれるんだろうか。
 
まずはグラスへ。ピノ・ノワールとしては濃い色合いかもしれない。少し前に飲んだキアンティクラシコと比較すると、こちらのほうが青紫色っぽさがあるかも。若々しい感じがする。香りは、革製品みたいな香りとあまーいベリー系果実の香りが溶け合っている。キアンティクラシコ系やメルローカベルネ系の果実の香りに比べると、人懐っこくて甘くて。かといってボジョレー・ガメイ系のようなチープなお菓子っぽさともまた違う。良いんじゃないでしょうか。
 
口に運んでみると、いやあ、果実いっぱい、新鮮ピノ・ノワール風味全開だ。やや甘味が強いかもだけど、タンニンが案外効いていて、苦みとコクも結構ある。フェヴレにしてはえらく人懐っこいワインだな……と思って飲んでいると、どこかにいがらっぽさ? マスタード? えぐみ? うまく言えないんだけど、過去にフェヴレの平格あたりで感じたことのある風味がちょっとよぎる(もしかしてカビ? いや、違うと思うのだけど)。 とはいえ、今日の価格設定にも妥当する、ちゃんとしたブルゴーニュ赤だ。そうこう言いながら飲んでいるうちに、甘味がいくらか引っ込んで、コクのある飲み心地がメインになってきた。いや、やっぱりブルゴーニュ赤っていいな、値上がりしているから辛いけれども。でもってこのボトルに関しては、そのマスタードっぽさ、辛子っぽさがタンニンに絡みついていてこれが残念。自分ならこの辛子で減点10点。ほかは、普通の週末にいただくブルゴーニュ赤としては十分な出来栄え。
 
※二日目。少し酸味が強まったかもしれない。こうした点も含め、必ずしも威張るようなワインには遠い。では、この価格でこのワインをリピートすべきか? してもいいと思うけれども、ブルゴーニュ赤の定点観測なら、なにもフェヴレのラドワというマイナーどころを選ぶより、もっと選びやすい品もあろうという気はする。でも、物は試しで一度飲んでみるぶんには良いブルゴーニュ赤かもしれない。