北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2440】Stellar Organics "The River's End" Pinot Noir 2017

 
ステラー・オーガニックス ザ・リバーズエンド ピノ・ノワール 2017
 
ブルゴーニュ産のピノ・ノワールが果てしなく値上がりしている一方で、新世界のピノ・ノワールは一部を除いてそれほどでもない。でも、両者の間には埋められない溝があって……ということでご無沙汰している新世界モノのピノ・ノワール。ところが今回、南アフリカ産の品に遭遇することになった。さあ、こいつはどうだろう。
 
グラスに注ぐ段で、大きな違いが。こいつは思いっきり赤茶けた色をしていて、薄いのだ。00年代の頃はこんな色をしたブルゴーニュ産のピノ・ノワールがあったような気がするけど、近年はなかなか見かけない。香りを確認してみると、なるほど、このワインからはチョコレートの香りとアセロラ果汁みたいな香りがする。それと「すあま」だ。和菓子のすあま。このすあま感が新世界ピノっぽくて旧世界ピノっぽくない。
 
口に運んでみると、口当たりが爽やかで、甘さ控えめ、カフェオレみたいなソフトなコクとやわらかな飲み心地でワインとしてよくできていると感じる。タンニンが上あごにしっかり感じられ、収斂性があるけれどもピノ・ノワールだけあって強烈とまでは感じない。アセロラ的果実味はここでも健在で、甘さに流れ過ぎないおかげで飲みやすくも堕落した味でなくシャンとしている。口のなかで噛みしめると、そこから果実のジューシーさが溢れてくるようだ。これ、いいワインじゃないか。
 
ただ、ジャンルや方向性はブルゴーニュピノ・ノワールとはやっぱり隔たっていて代替品たりえる雰囲気ではない。代替品だと思わない限りにおいて、よくできてコスパにも優れた飲みごたえのあるワインだと思う。競争相手はチリ産のピノ・ノワールたちで、並みのチリ産は軽く凌駕している感じ。
 
※二日目は苦みが全面に出てきた。飲めなくはないし食事時にはいい感じだけど初日のほうが愛想は良かったと思う。