アラン・ロベール メニル・レゼルヴ
今日の外稽古では、自宅では決して口にしないようなシャンパンを二杯ほどいただいた。このメーカー?さんはルイ・ロデレール社に買収されて存在しないんだとか。
まず見た目。微炭酸な泡のたちのぼりでクッタリとした雰囲気。色は金色でムルソーのような輝きで、シャンパンっていうより高級&熟成したシャルドネを連想させる。香りは、イースト系の香りが中心でそんなに漬け物っぽくない。僅かにメレンゲみたいな香りがあるかもだけど、それほど特別ではない。
口に含むと中庸なリンゴが真っ直ぐに来た。きつすぎるところがなく、焼きリンゴ系や青リンゴ系に流れるでもなく、まっすぐにリンゴ。とにかくリンゴの余韻が長い。ずーーっと続く。苦みや凄みが無いのにインパクトがある。やがて、お菓子のような風味が混じったり、アンズのような香りが混じったり、それなりの複雑さはみせてくれる。
まろやかで引っかかりどころがなく、熟成しているのにピュアなシャンパン。ただ、こういうのは余所様でいただくのがちょうどいいのかな、とは思った。自宅じゃ、こんなに長くもたせられないし、きっと買わない。
【1461】Philippe Colin Chassagne-Montrachet Les Chenes 2013
フィリップ・コラン シャサーニュ モンラッシェ レ シェーヌ ルージュ[2013]
このワインは、値段の割にはおいしいと思ってありがたがっているフィリップ・コランさんところのシャサーニュ・モンラッシェの赤(一級ではなく村名格)。値段が安いながらも一応村名格なのでおいしいところがあればいいなぁと思って抜栓。
まず見た目。若いブルゴーニュとしてそんなに矛盾しない、透明感のあるワインレッド。このワインは若さの割には茶色っぽいかもしれない。香りは、サクランボとザクロを足したような香りが最初に来て、いい香りだなと思った。それと梅のような香りとチョコ、土のような香りが初手から来るのでなかなかでは。
抜栓してすぐに口をつけると、甘酸っぱい!口をすぼめたくなるようなサクランボ、黒いさくらんぼよりも国産のさくらんぼを連想させるものがある。で、土のような香りに似合った、意外なほどコクのある後味を備えていて、肉付きが良いと感じる。熟成しているわけではなかろうから、一杯目でこれなら十分。ただ、そこからの伸びがあまり無くて、終始、同じ調子で展開してしまった。このワインの限界なのか、それとも早飲みしすぎた罰なのか、はてさて。とりあえず翌日に持ち越してみましょう。
※翌日。あまり変わらない。土の香りも健在、サクランボっぽい、だけどそれ以上の変化はなし。同価格帯の平格ブルゴーニュとほとんど変わらないのでは。これはちょっといまいちでした。
【1460】Berlucchi Franciacorta "Cuvee Imperiale" (N.V)
ベルルッキ フランチャコルタ キュベー・インペリアーレ
今日は「艦これ」のイベントがめでたく終了したお祝いとして、泡モノを。イタリアの泡モノとしてはシャンパーニュに匹敵する数少ないジャンル、フランチャコルタがあったので選択。メーカーは、何年も前から贔屓にしているベルルッキ。こいつは非常に安い値段で購入できた。
まずグラスに注ぐと、ほのかに金色がかった、シャンパーニュ系としても薄めの色。ただ、泡の立ち上り方がいい、たくさんの泡がスローな速度でゆったりとした速度で上がっていくのが観ていてハッピーなものがある。
香りを確かめると、ほんわかとしたトースト・イースト系の香りに、少しだけ漬け物っぽい香り、それと青りんごのような鋭い酸味を予感させる果実の香りが来る。こりゃあおいしそうですね。
口に含むと、初手は柔らかくて甘い口当たり。おっ!攻撃的じゃないぞ!そこからじんわりと青りんごの風味が広がって、口のなかのプツプツとした泡もなめらか。泡の上昇速度がゆったりしていたことと合わせて考えると、このフランチャコルタ、グリセリンな感じが効きまくっていると感じる。苦みも酸味も甘みもかなりしっかりしているにも関わらず、それらを重いと感じさせない丁寧さがある。ワインとしての統合性、完成度が高いと感じた。同価格帯の安物シャンパーニュに比べればこっちを選ぶかなぁと思う。
【1459】Tasari Nero d'Avola Merlot 2014
タサーリ ネロ・ダヴォラ メルロー
※リンク先はヴィンテージが異なるかもしれません。
ちょっと風邪をひいていてアルコールから遠ざかっていました。久しぶりに飲むからには気安いものが良かろうと思って、シチリア産の赤ワインを選択。
見た目は、やや青紫色がかった赤ワインの色。ボトルを立てっぱなしにしていた割には不透明な感じがある。香りは、最初は梅系お線香の香りが強かったけれども、口に入れてしばらくすると、梅干の壺を覗き込んだ時のような香りがぱーっと立ってきてなかなか良い。
口をつけると、酸味のしっかりした、でも人懐こい甘酸っぱさ。軽めでフレッシュな果実味に、柔らかなタンニン、もうガブガブ飲んでくださいというような。飲み進めても意外と飽きが来ず、メルローが混じっているせいか、意外と底堅いところがある。とにかく、久しぶりにワインをおいしく飲めたことが今日は一番の収穫。年末進行、慎重にやっていきましょう。
※翌日は痩せた雰囲気になってしまって、初日の底堅い底が抜けてしまった感じ。初日はかなり良かったので、つべこべ言っちゃいけないのかもだけど。
【1458】Grandes Bodegas Jurgo 1998
フルゴ 1998
まず見た目。さすがに赤茶色になっていていかにも歳月を経たワインという感じ。香りは、漆喰のような香りとジャムを煮詰めたような香りが溶け合って迫ってくる。なかなかいい香りだ。
口をつけると、滑らかな口当たり……だったけれども、醤油を焦がしたようなエキスがぶわーっと口のなかに広がった。タンニンはさほどでもないけれど、この醤油焦がし、ある種のスペインワインにありそうな風味がすごく強い。そして食べ物と一緒にやると、くどいほどにジャムっぽさ、それから梅系線香のような風味も漂ってきて、これもなかなか強烈だ。
飲み進めても、この感覚はあまり変わらない。ただ、少しだけ土っぽくなってきたのはありがたい。明日に期待して今日はこれぐらいにしよう。
※翌日。だいぶ飲みやすくなった。醤油焦がし風味が引っ込んで酸が少し立ってきた。なにより、土っぽいというか苔っぽいというか、安ボルドーの後半にありそうな雰囲気が立ち上がってきてありがたい。まずまず頑張っているんじゃないでしょうか。
【1457】Robert Ampeau Savigny-lès-Beaune 1er Cru Les Lavières 1995
※リンクはオークセイ・デュレスのものです。また、ヴィンテージも異なります。同ヴィンテージのワインについては以下を。
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まず見た目は、わりと普通のブルゴーニュ赤という感じ。さすがに年を取っているせいか、グラスの辺縁は淡い色になっていて平格のブルゴーニュみたいだ。ところが香りは熟成をきわめていて、初手から腐った切り株+桐箱。鼈甲飴や水あめを連想させる甘ったるい香りやパラフィンも混じっている。フェノールとかエステルとか、その手の化合物がどっさりできあがったような。それでいて、酸っぱそうなサクランボの香りも残っている。
口に含んでみると、口当たりは軽くて酸味が炸裂、こちらは自分のよく知っているサヴィニ・レ・ボーヌの赤ワインらしい。軽々としていて、えらく普通だ。ただし、この年齢にしては生きが良いし、ほんのり乳酸発酵でもしているのかニュニュっとしたミルキーなところも。そして味に引っ張られたせいか、中途からはサクランボの新鮮な味がせりあがってきた。
香り最高、味もまずまずで、サヴィニ・レ・ボーヌも熟成させればこんなに凄くなるのかとため息がでるような。とにかく香りは非常に高レベルでいつまでも香りが身体にしみついているように感じられた。