北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1991】Anselmi San Vincenzo 2018

 
アンセルミ サン ヴィンチェンツオ 2018
  
 今回はヴェネト州ソアーヴェクラシコの名門、アンセルミの(ソアーヴェクラシコを名乗っていないけれども)実質ソアーヴェクラシコなワインを。4年ぶりの対峙(前回はこちら
 
 まず見た目。薄いレモン色をしていていかにもソアーヴェクラシコ系という感じがする。香りは、野菜エキス全開、ゆでたアスパラガスやカリフラワーを思わせるほんわりとした香りと台所洗剤系の香りがミックスしている。あと、ソアーヴェクラシコ系では珍しく、こいつからはパパイヤのようなくせのある香りもする。あれっ? こんなワインだったっけ?
 
 ところが口に運んでみると、ほわぁ……と柔らかい風味が口のなかに広がって、そのあとからつばがこみあげてくるような潤い、伊豆の名産・ニューサマーのようなさわやかな果実味がさく裂する。そこに、温野菜系とパパイヤ系の香りが意外にもフィットしてひとつの世界ができあがっている感じで、良い。今日の夕食は豚のしゃぶしゃぶとモヤシ、菜の花のおひたし、鮭を中心とした軽い食事だったけれども、こういうのにソアーヴェクラシコは驚くほどかみ合う。すばらしいですね。
 
 アンセルミ、久しぶりに飲んでみたけれども相変わらず良いソアーヴェクラシコだと思う。グローバルなトレンドから外れているせいで低価格のままだけど、そこらの安白ワインとは全く違ったクオリティだと思う。
 
 ※翌日は、パパイヤ風味が弱くなって、もう少し標準的なソアーヴェクラシコ系となった。これもまた良い。
 

【1990】Banfi "Placido" Brunello di Montalcino 2005

 
プラチド ブルネッロ ディ モンタルチーノ 2005 バンフィ
 
 このワインは、トスカーナの一大ワイン企業・バンフィが作っている廉価版ブルネッロ。ただし、このワインは2005年という良いヴィンテージなのでちょっと期待したいところ。
 
 グラスに注ぐと、赤茶色の、不透明な、えらく濃いワインが現れた。「黒っぽい濃さ」ではなく「赤茶色を凝縮したような」色合いだ。そしてフェノール系とおぼしき芳香がぱーっとあたりに充満する。グラスに鼻を近づけると、干し柿、あんず、腐葉土、そんな香りが充満する。そうだ、この香りは「カブトムシ」をイメージさせてやまない。キノコもあるかも。総じて、森の豊かさがいっぱいという風采。
 
 口をつけると、まだタンニンがしっかりしている!口がすぼまっていくかのようだ。それと柿ジャム。よく、赤系果実とか黒系果実とワインのテイスティングでは例えられるけれども、こいつはオレンジ系果実と例えたくなる。とても栄養のありそうな、コクたっぷりのワインで口のなかいっぱいに干し柿と森が広がっていく。それでいて酸味もあり、芳香があたりに満ちて、なんという幸福。ブルネッロ、毎回これぐらい美味いなら高騰いちじるしいブルゴーニュから引っ越してもいいかも。大当たり。
 
 ※翌日、少し風味が落ちたかもだけど基調は変わらず。柿ジャムがよく効いていてあいかわらずうまかった。

【1989】FishHoek Chenin Blanc 2019

 
www.vinica.me

 
 このワインは、魚の骨の絵が描かれた南アフリカ産のシュナンブラン。安物だけど、南アフリカ産は安くても案外おいしいことも多い。これはどうだろう。
 
 まず見た目はすごく薄い白ワイン。ちょっと緑色がかっているかもしれない。香りは、パパイヤの香り全開、まさに南アフリカ産シュナンブラン。ちょっとタンニンっぽい雰囲気が漂っているのもパパイヤじみていて旨そう。
 
 口をつけると、青くてちょっとくどい、あのパパイヤを思わせるやつが来てまさにシュナンブラン! フランス産とは別種だと割り切って飲むぶんにはいけるいける。ちょっとくどいワインは、たとえばシャルドネなんかだと鬱陶しいかもだけど、このワインは「パパイヤ白ワイン」として完結していて、まったく気にならない。ちょっとコクがあるのも飲みごたえがあっていい感じ。値段を考えれば、よくつくられたワインじゃないかと思った。
 

【1988】Natale Verga "Nuare" Pinot Nero 2018

 
ヌアレ ピノ ノワール 2018 ナターレ ヴェルガ
 
 このワインはロンバルディア州でつくられているという、ピノ・ネロ(ピノ・ノワール)のワイン。確か、何かのワインセットにこれは入っていたものだと思う。ロンバルディア州のワインといえば、泡のフランチャコルタが連想されるけれど、それ以外のワインはあんまりぱっとしたものが無かったような気がする。果たしてこれはどうなのか。
 
 まず見た目。ちょっと黒っぽい、ただメルローカベルネといった国際品種に比べれば明るさの残る、ピノ・ノワールらしい色合い。香りは……残念、ほとんどありません。
 
 口をつけると、まろやかな口当たりとミルキーな舌触り、それからちょっとヨーグルトっぽさもあるかも。とはいえ旧世界のピノ・ノワールらしさは確かにあって、ゆったりとした果実味(アセロラではなく、黒系果実を思わせる)、適度な苦みを帯びている。酸味も豊かで腰がふらついていない。もし、このワインをブルゴーニュの平格ですと言われて出されたら、たぶん見抜けないと思う。思わぬアタリワインでとてもうれしい。調子良く飲んでいたら、なんと、久しぶりに飲み切ってしまった。
 
 

【1987】Sportoletti Assisi Rosso 2016

 
Sportoletti Assisi Rosso
 
 このワインは、ウンブリア州でつくられたDOP(DOC)規格でつくられた赤ワイン。イタリアには有名なワイン産地と、ワインが好きならだいたい知っている産地と、あまり有名でない産地があるけれども、ウンブリア州は無名なほうから数えたほうが早い州だと思う。品種そのほか確かめず、まずは一献。
 
 ボルドーグラスを使用。色合いは、ちょっとあんこっぽさを帯びた、赤茶色だ……。液面がぴちぴちと跳ねていて、生きの良さを連想させる。こいつの品種はなんだろう? 典型的なカベルネではなさそう。サンジョベーゼみたいなイタリア系品種かな? 香りは……はっきりしない。それとも自分の鼻が風邪でもひいているんだろうか。
 
 口に運ぶと、クリーミーな口当たりとざらっとした口当たり、そしてふさふさとしたタンニン。このワインは渋みがあるぞ! だけどその渋みがクリーミーな口当たりとあいまって「ふさふさ」としている。そこにかなり強い酸が伴っているのだけど、クリーミーさの影に隠れて、あくまで下支えといった様子。 このクリーミーさは国際品種由来?ざらつきはサンジョベーゼ? 
 
 ここでウェブサイトで確認してみると、サンジョベーゼ+メルローカベルネフランと。やったね!だいたい構成が当たったぞ!あまり飲んだことのない口当たりなのは、この変わった品種の組み合わせのせいもあるのかも。なんにせよ、口当たりがまろやかで、なおかつ果実味や酸もしっかりとしたまっとうなワイン。良いと思う。
 
 ※二日目は少しミルキーな感じが後退したけれども、そのぶん豊かな果実味が前に出てこれも良かった。これ、かなり良いワインなんじゃないだろうか。ウンブリア州のワインとして、記憶しておこう。
 

【1986】William Fevre Chile "Gran Cuvee" Chardonnay 2018

 
エスピノ シャルドネ グラン・キュヴェ [2018]
 
 このワインは、チリでウィリアム・フェーブルがつくっているシャルドネの上位クラス。とはいってもそれほど高価なわけでもないけれど、ともあれ上位には違いない。
 
 まず見た目。ちょっと黄緑色がかっている。 香りはメロンの皮、といった風情でチリワインの濃いやつを連想したくなる。この、メロン系のフレーバーはチリワイン王道なのだけど、まあ好き好きかもしれない。グラスを揺らすと、いわゆる「ワインのあし」が長い。粘性率が高い、ということだ。
 
 口に含むと、やっぱりメロン系フレーバーと豊満な果実味。フランス産の高級シャルドネとはやっぱり方向性が違っていて、たとえばクッキーや蜂蜜みたいな風味は伴わない。お世辞にも、グラン・キュベーなどという名前に見合ったものとは思えない。これなら、同社の格下シャルドネでもいいのではと思ってしまう。チリ産のシャルドネヒエラルキーとは、こうもわかりにくいものなのか。白ワイン全体を考えた場合は当然として、シャルドネというぶどう品種のなかだけでみても、ぱっとしないワインだと自分には思える。
 
 ※翌日はもう少し酸味が勝って飲みやすくなったかも。とはいえ基調は変わらない。やはり、チリ産のシャルドネはベーシック品で十分、というよりチリ産の白ワインは他の品種のほうがお買い得ではないかと思ってしまう。