北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2615】Domaines Tatin Quincy Cuvee Viellas Vignes 2020

 
ドメーヌ・タタン カンシー キュヴェ・ヴィエーユ・ヴィーニュ [2022]
 
これは、ロワールで作られているソーヴィニヨンブランの白ワイン。ロワールは入門してみたい候補が2,3あるエリアで、このソーヴィニヨンブランも品種的にはそのひとつ。めでたく挑戦することとなった。
 
まずはグラスへ。はじめ、意外に黄色っぽいかなと思ったけれども、シャルドネなどに比べればやはり色は淡い。香りは……初手では冷やし過ぎたためか、それとも若すぎるためか、ハーブの予感はするけれどもはっきりとはにおわない。口に運んでみると、抑制のきいた甘味で、枇杷が比喩としてあがる。ソーヴィニヨンブランにありそうな黄桃系の風味は確かに口のなかにあり、ソーヴィニヨンブラン風のタンニンも感じられる。が、このワインの良いところはだらしなくフルーツを盛り合わせるのでなく、端正さがある。それと塩気がバッチリなのはいいですね! 枇杷に塩を振りかけたごとき塩っ気があってこれが嬉しい酸のやわらかな穏やかな飲み物と感じられることもあれば、夏みかんのような酸がじっと口のなかに残ることも。香りにも変化があり、白い花のような香りがぶわっと高まることも。ロワールのソーヴィニヨンブランの可能性を感じさせる一本だった。
 
※二日目も端正なワインで、やわらかな飲み物。ただ、初日のほうが挙動は面白かったように思う。ソーヴィニヨンブラン系列としてはとても良かったので、この方面は今後も意識はしてみたい。
 

【2614】Finesse Red Vin du Gard 2021

 
このワインは、ワインキュレーション株式会社という輸入業者さんが輸入した、という以上のことがあまりわからない赤ワイン。黒めのラベルにはエッフェル塔らしき絵が描かれていて原産国はフランスとあり、安定剤としてアカシアが使われている等の情報も。でもググっても(有名輸入業者である)フィネスさんの影に隠れてこいつの正体はいっこうにわからない。このワインを肉料理に使うために開けて、抜栓することと相成った。
 
まず見た目。赤ワインとしてはあまり濃くない色合いで、いくらか赤茶けた感じのカラースペクトルだ。グラスを少し動かしただけで甘い香りがふんわりと周囲に漂う。香りは、甘い香りに杉系の入浴剤みたいな香りが加わって、なかなかのもの。香りの要素それぞれがでしゃばりすぎでもなく、なかなか雰囲気が良い。
 
口に運んでみると、墨汁みたいな雰囲気をある程度伴いつつ、意外にもミルキーな飲み口と適度な酸味でなかなかうまい。安ボルドー系の赤ワインがうまい時には、こういうのがいいよねって感じがある。やや酸味が買っているきらいはあるけれども、低価格帯の赤ワインとしては文句言ったら罰があたるレベルの瑕疵に過ぎない。よくまとめられたデイリーワインだと感じた。
 

【2613】Bouchard Finlayson Crocodile's Lair Kaaimansgat Chardonnay 2020

 
ブシャール・フィンレーソン クロコダイル・レイル カイマンガ シャルドネ [2020]
 
世界のシャルドネを巡る旅はまだ続きます。今度はブルゴーニュ大手・ブシャールが南アフリカのメーカーと一緒に作っている、そういうシャルドネ南アフリカのちゃんとしたシャルドネをどこかで飲んでみたいと思っていたので、これは渡りに船。その様子、その塩梅を確かめてみましょう。
 
まず、グラスへ。黄金色をしていて、いかにもシャルドネ! って感じだ。昨日から引き続きのリュリー産の平格ブルゴーニュ白と並べてみると、はっきりとこちらが濃い色合いを示している。香りは、蜜のこもったようなにおいがして、フローラルな爽やか系の香りはこちらではなりをひそめている。ひょっとしたら冷やし過ぎたのかもしれない。
 
口をつけてみると、南のシャルドネにありそうな、フルーツ缶詰の汁みたいなイメージの甘さがどどどっと押し寄せてきた。押し出しが強く、口のなかでも存在感がある。アルコールもあるんじゃないかと思って確かめてみると14%とも。どうりで。少し飲み慣れてくると、香りに含まれていた蜜のニュアンスが味覚ともピントを合わせてきて、これが、そこらの安い新世界シャルドネとは一線を画していることがだんだんわかってきた。そうそう、こうじゃないとね! リュリー産の平格ブルゴーニュ白との比較では、こちらが重たいかと思いきや、慣れてくると旨味がどんどん出てきてとても良かった。こちらも乳酸っぽさが炸裂していて、なおかつこの旨味はなんだ? これはなかなかいいんじゃないか? 期待を残しつつ翌日へ。
 
※翌日になると、なんと香料めいた雰囲気と大理石・ヨーロッパの博物館系のにおいが強まってきて俄然雰囲気が良くなってきた。とはいえ、南のシャルドネ感が残る点は変わらず、既知のワインでは、ゴラン・ハイツ・ワイナリーのフラグシップシャルドネ・カツリンに似ている。カスタードプリンみたいな香りもよぎっている。北のシャルドネ感を期待する必要がなければこれで十分ぜいたく。とてもいいシャルドネでした。
 

【2612】Domaine Rois Mages Bourgogne Plante Moraine 2018

 
ドメーヌ・ロワ・マージュ ブルゴーニュ・ブラン プラント・モレンヌ [2018]
 
このワインは、平格ブルゴーニュ白に相当するのだけど、聞くところによれば、ブルゴーニュのなかでもコート・シャロネーズ地域のひとつ・リュリー方面でつくられている平格ブルゴーニュ白なのだとか。世界のシャルドネを巡る旅のひとつとして、ご登場いただくことに。ちなみにヴィンテージは2018、ちょっと暑めな感じの年だ。
 
コルクをあけると、甘くてふんわりとしたシャルドネのうまそうなにおいがふわーんとやってきた。爽やかなんだけど、ある種のメロンパンみたいな、菓子パンめいた香りを伴っていてあたり一面にその香りが漂うほど。見た目は、うっすらと緑の入ったあまり濃くないレモン色だ。
 
口に運ぶと、予想通りというか、蜜の乗ったリンゴのような酸味がやって来る。酸はがさつではないけれどもあまり強くなく、すっきりとした後味だ。リンゴの旨味の間から、なんだかミルキーなニュアンスがよぎったりもする。乳酸がいるってことでしょうか? ミネラリーな感覚や酸の余韻の強さみたいなものでみせつけてくる品ではなく、気楽に楽しく飲ませてくれるシャルドネでつい、がぶがぶ飲んでしまった。
 
※翌日。南アフリカ産のシャルドネと対峙しても見劣りすることはない。あちらが重厚な雰囲気だからか、こちらのほうが華やいだ雰囲気とさえ感じられる。凝ったワインではないけれども、それだけに付き合いやすく、品も良かった。
 

【2611】Cranswick Estate New South Wales Chardonnay 2020

 
クランスウィック・エステート シャルドネ [2020]
 
このワインは、オーストラリア産のシャルドネシャルドネだけどボルドー型のボトルに入っているのにちょっと驚いた。チラっと裏側のラベルを見ると、バニラ風味の樽を使っているようなことが書いてある。さて、どんなワインなんでしょうか。
 
まず見た目。それほど濃くない、中庸のレモン色をしている。ひょっとしたら僅かに緑色が入っているかもしれない。香りを確認すると、バニラ風味の樽に加えて、フルーツ缶詰みたいなちょっと南のシャルドネ風芳香がわっと広がった。口に運んでみよう。これは……トマトだ。トマトジュースみのあるシャルドネ。甘きに流れ過ぎることなく、他方でふくよか且つフルーティーでもあり、樽の影響もあってかどうしてもトマトジュースっぽいと比喩したくなってしまう。もしかしたら、もう少し冷やしたほうがおいしいのかもしれない。しかし、この段階でも舌ざわりは悪くない。飲み進めると、トマトジュースからバター&ナッツの方向に変わってきて、ムルソーというと褒め過ぎかもだけど、カリフォルニアのシャルドネぐらいには近づいてきた。まずまず善戦している。
 
※二日目。再びトマトジュースっぽさが少し出てきたかも。でも酸は二日目のほうがまとまりがあって白ワインとしてのバランス感は二日目のほうがとれている。舌ざわりの良さが健在なのも好ましい。
 

【2610】La Pousse d'Or Volnay 1er Cru Clos des 60 Ouvrees 2017

 
ラ プス ドール ヴォルネイ プルミエ クリュ クロ デ スワッサント ウーヴレ モノポール 2018
※リンク先はヴィンテージが異なります
 
唐突に、ブルゴーニュ赤とか飲みたくなったのであけてみました。プス・ドールはそこまで信頼していないけれどもこの、ヴォルネ一級カイユレのなかでも特殊なこの畑は割と信頼している。
 
まず見た目。オレンジ色~赤茶色がかっていて、比較的明るい色調だ。少なくとも一部の濃いめピノ・ノワールとはだいぶ違う。コルクは中ほどまで濡れていて、裏側はきれいなカシス色で、えもいわれぬ芳香がぱぁっと漂った。
 
グラスに鼻を近づけてみると、コルクに比べるとストレートな果実の香りがメイン。それにチョコレートが添えてあって、雨の日の森のような香りを伴っている。つべこべ言ってもこういうのには弱い。
 
口に含んでみると、タンニンが意外にしっかりしていて苦みも結構ある。いわゆる「大柄でストラクチャーのしっかりしたブルゴーニュ赤」っぽさがある。この時点では、ちょっとつまらないかなと思っていたけれども、ステーキやらなにやらと合わせると多彩な顔つきをみせる。雨の日の森に、飴のような風味が混じってくるのもまた良い(ここは、評価しないワイン飲みもいるかもしれない)。早熟にも夕張メロンっぽさもある。最高の高級ワインたちに伍するかと言われたら ? ではあるけれども、自分の家で飲むぶんには十分に幸福、一級らしさも感じられるワインだった。
 
※二日目。初日に比べると果実味以外の複雑な面白さがあまり伝わって来ない感じだった。決して悪いわけではないけれども、一級にあって欲しい貫禄や複雑さがいっぱいかと言ったらそこまでではないかも。