北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2421】Chateau de Fonsalette Cotes du Rhone Rouge Reserve 1998

シャトー・ド・フォンサレット コート・デュ・ローヌ レゼルブ 2009
※リンク先はヴィンテージが異なります
 
さて、ポール・ジャブレ・エネとの比較で登場するのは、シャトー・ド・フォンサレットのコート・デュ・ローヌ。一般に、コート・デュ・ローヌジゴンダスより格下地域名だけど、シャトー・ド・フォンサレットの正体はラヤスなわけで、後から登場するのも当然だろう。さあ、飲み比べてみよう。
 
さっきのジゴンダスと並べて比較すると、より紫色がかっている。香りは初手ではジゴンダスより甘く、いくらか薔薇香水がかっていたかもしれない。飲むとタンニンがつっかかってくるようで、ジゴンダスより険しい。しかしその点を除けば集中力があり、きめが細かく、飲みやすくもある。こいつ、結構飲みやすいな! でもって、ここから香りがめくるめく変わっていく。鉄っぽい雄々しさが際立つこともあれば、ピーマンが来ることもあり、おしるこみたいな瞬間もある。とてつもない果実味が、余韻となっていつまでも長引くことも。そしてジゴンダスと比較しても更に曖昧さが少ない。このラヤスの系統のワインは値段があがりすぎていて自分で買いたいとは思わないけれども、香りのバリエーションと飲み口の美味さときめの細かさからいって、さすがに一目置かないわけにはいかない。帰宅した後も自分に香りが残っているような気持ちになれるワインだった。
 

【2420】Paul Jaboulet Aine Gigondas Pierre Aiguille 1998

 
Gigondas Pierre Aiguille Paul Jaboulet Aine
※リンク先はヴィンテージが異なります
 
このワインは、現在お買い得の穴場として整備を進めているポール・ジャブレ・エネのジゴンダスジゴンダスは、くせが強いけれども旨味と個性はピカイチで、多少ぞんざいに扱っても日持ちがして、しかもまだワイン争奪戦の対象にはあまりなっていない。そんなジゴンダスの1998年モノに遭遇した。
 
デュガを思い出すと、こちらはさらに濃く、なんとも不透明だ。後でラヤスのコート・デュ・ローヌと比較してみると、これが少し赤みがかっていることが判明するけれども、一対一で対峙した段階ではそこまでわからない。香りは初手では少し控えめ。あまりハムや肉が漂わず果実と香料系、ローヌ系にありがちな臭い感じは目立たない。
 
飲んでみると、タンニンがこなれていてきめが細かい。クロード・デュガの平格ブルゴーニュ赤と比較しても、細かさはこちらのほうが上で、ワインの旨味にある種のきっぱり感があるというか、曖昧さが少ない。果実があるだけでなくこってりとしていて、それでいて意外と重た過ぎないのは長所と思う。ジゴンダスのなかではこなれ具合が秀逸で、バランスが良い。ジゴンダスのバランスが皆これぐらい良ければいいのだけど、これも歳月を味方につけていると思われ、自分で保存して飲んだらここまでには達しないかもしれない。

【2419】Claude Dugat Bourgogne Rouge 2002

 
ブルゴーニュ・ルージュ[2020]クロード・デュガ
 
元々値が張るほうだったクロード・デュガ。最近はそこまで評価が高いと聞こえてこないけれども、なにげに好きだ。そうしたなか、今回再び対峙する機会を得た。ヴィンテージは2002で、このヴィンテージの品には以前にも対峙経験がある。
 
グラスに注がれた姿はかなり黒々としていて、ブルゴーニュ赤としてはかなり黒い。黒けりゃ悪いってものでもないけれども、最近、ブルゴーニュ赤が濃く暗くなっている傾向が強いので、おいおいまたかよ、と思う。いや逆か。この場合「クロード・デュガが元々黒々としていた」と言ったほうがいいのかもしれない。
 
でも香りはチャーミングで、ちょっと桐箱っぽさもある。いいねいいね。口に運ぶと、想像していたよりタンニンがふさふさしていて、荒らぶっている。しかしベリーの新鮮さと甘さははち切れるようで、新鮮とさえ感じる。平格ブルゴーニュ赤としては濃いけれども、依然としてブルゴーニュで、ジャック・カシューのオート・コート・ド・ニュイなどと比較するなら、こちらのほうがよほどブルゴーニュらしくあり、安心して付き合える。2002と21年の歳月が経っていることが、この場合味方になっているのかもしれず、加齢でヨボヨボという印象はここからは受けない。こんなワインだったらいくらでもがぶ飲みできちゃいそうだ。そういう気安さがちゃんと残されている2002のデュガ。こんなの毎日飲めたらいいのになー。
 

【2418】Joseph Roty Marsannay Rose 2011

マルサネ ロゼ [ 2019 ]ジョセフ ロティ
※リンク先はヴィンテージが異なります
 
このワインはブルゴーニュのなかでは珍しくロゼの産地になっているマルサネで作られたロゼワイン。ロゼを作っているとはいうものの、ブルゴーニュを買うにあたってロゼを狙うことはまずない。ところが遭遇戦が発生した。さあ、ブルゴーニュのロゼとして有名なマルサネはなにほどのものなんだろう?
 
出てきたのは、オレンジ色~朱色のロゼ。光の加減でオレンジ色が優勢とみえるけれども真っ白な光のもとではどうだろうか。爽やかな香りであまり引っ掛かり過ぎないロゼ。しかしあまりに典型的なロゼで、マルサネだからどうこうってのがわからない。とても気持ちよく飲めるロゼではあるけれども普通だ。こうして向き合ってみると、ロゼ、特に軽量級のロゼについては個性を云々するすべはあってもクオリティを云々する尺度は曖昧かもしれない。

【2417】Emilio Bulfon Scialin 2021

 
シャリン[2021]年 蔵出し エミリオ ブルフォン家
 
このワインは、イタリア北東部はフリウリの、マイナー土着品種・シャリンで作られた白ワイン。過去にも対戦成績があり、妙に落ち着いた飲み心地だったりニラなどの植物系の風味が強かったり、なかなかだったと記憶している。で、今回のこれは2021とヴィンテージが特に若い。この若さが吉と出るかどうか、確認してみよう。
 
まず色。白ワインでも薄いほうで、麦わら色ぐらいにみえる。香りは、初手でははっきりしない。口に運ぶと、苦みを伴った酸味が来る。でも、この酸味は刺すようなものではなく、菖蒲のような植物フレーバーを伴っている。かといって、シュナン・ブランなどに比較するとアゲアゲの飲み物ではなく、相変わらず、しっとりとした飲み心地で白ワインにしては珍しい鎮静力を持っている。今日の夕食はパン食だったのだけど、パンや肉料理と共にあると、まさに菖蒲っぽさのある酸味が爽やかに駆け抜ける。単体で飲むと洋ナシに苦みを添えたような、よく知られているフルーティーな白ワイン(南国系シャルドネソーヴィニヨン・ブランなど)とも明らかに違った、なんとも美味い味がする。そこにパパイヤも混じって、にも関わらずこのワインはやっぱり鎮静系で、白ワインを飲む割にはアッパラパーにならずに済むのだった。
 
※翌日は、なおも落ち着いた飲み心地ながら菖蒲っぽさが少し薄らいでしまった。いくらか普通の白ワインに寄ってしまった感はある。
 

【2416】Bocopa Bodegas Alcanta Vino Mediterraneo 2020

 
アルカンタ [ 2020 ]ボデガス ボコパ ( 赤ワイン )
 
このワインは、ワインセラータカムラさんの何かのセットについてきたと思われるスペインワインアリカンテという地名は「ヨーロッパユニバーサリス」で記憶にあるけれども、どのあたりだったかな……と確認してみると、だいたいバレンシアのあたりであることが判明した。で、このワインには「モナストレル、カベルネソーヴィニヨン、テンプラリージョ」という名前が並んでいる。
 
まず見た目。なかなか暗い色をしていて、赤茶けたタイプでなく、青紫系のカラースペクトルが潜んでいるようにみえる。透明度はかなり低い。香りは、線香風味が全開だ! ちょっとスース―して、梅っぽさと杉っぽさがあって、どこかの会社の線香にありそうな香りがぷんぷんする。
 
口に運ぶと、酸味と果実味の溢れるような、お線香風味のワインだ! ポルトガル産の同品種のワインに対して「蚊取り線香」という連想をすることがあるけど、このワインもそれに似ていると感じる。タンニンのきめが粗く、果実味は押し寄せるようで豪快、赤ワインに慣れていない人には苦行なんじゃないだろうか。しかしそういうものと割り切って飲むぶんには、勢いがあって嫌いになれないワインだ。じゅるじゅる、飲んでいてよだれの出てくるワインで、ハッシュドビーフを食べながら気兼ねなく飲んだ。
 
※翌日になり、酸味より甘くてやわらかい果実味が目立つようになった。蚊取り線香っぽさは引っ込み、こちらのほうが世間的には馴染みやすいワインかもしれない。他方、血っぽい飲み心地が前に出てきて昨日より印象的な要素もある。複雑な風味ではないとしても、平日はこれぐらいで十分楽しい。複雑すぎて難しいってところもないし。二日目はカキフライなどと一緒にいただきました。