北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1824】Montes Classic Series Merlot 2017

 
モンテス クラシック メルロー 2017
 
 チリでつくられている天使のラベルのモンテスシリーズ。昔は好きじゃなかったけれども最近はチリワインらしさがあってかえっていいんじゃないかと思うようになり、時々飲んでみるようになった。これは、「クラシックシリーズ」という一番ベーシックなやつ。ベーシックでもチリワインたるものちゃんとチリワインしてくれていることが多いので期待。
  
 グラスに注ぐと暗褐色のワインレッド、透明感はない。まあとにかく濃いメルロー。香りは残念ながら弱め。よく匂いを確かめるとインク&ピーマン&果実系といった感じがしなくもない。ワインが廊下で冷えていたせいかもしれない。
 
 口に含むと、ミルキーで甘味たっぷりの果実味がドドドドと押し寄せてきた。でもって強烈なインクっぽさを伴っている。若いワインだからかタンニンがばしばしきつく、苦みもしっかりしている。濃い。そして少しだけ野良くささを伴っている。でも、チリワインなんだからこれがいけない道理はない。これはこういうジャンルものだと思う。ただ、ワインが温まってきても香りがちょっと弱いのはチリワインらしくない。もうひと押し。
 

【1823】Remoissenet pere et fils Rully 2014

 
リュリー・ブラン [2015] ルモワスネ
 ※リンク先はヴィンテージが異なります
 
 このワインは、ウメムラの福袋セットに入っていた「リュリー」という地域のワイン。こういうマイナーな地域のシャルドネは絶対に自分では買わないので、福袋ならではの出会い。福袋の数合わせという感じは否めないけれど、それもいいでしょう。
 
 グラスに注いでみると、明るいけれども少し麦わら色をしていて意外に赤~オレンジ色っぽいカラースペクトルをしている。香りは、台所洗剤系というか「すがすがしい」フレーバーが前景に出ていてさっぱりとしたライトなシャルドネを連想させる。まずまず普通のシャルドネ? 少しだけローソクっぽいフレーバーも感じる。
 
 口に含むと、まさにそのローソクがぶわーっと来て、そこからは溌剌としたボディの軽いリンゴ果実系の風味が適度な酸味とともに口に広がった。ローソクはともかく、それ以外は「シャルドネ主体のシャンパーニュから泡風味を除去したような」イメージを受ける。泡ではないシャルドネとしてはやけにリンゴをイメージさせるところがあり、なおかつ、ローソク風味がそこに長く付随しているような。リンゴフレーバーは香りにも乗ってきてだんだんリンゴっぽい匂いもしてきたぞ。あと、これまたシャンパーニュや一部のスパークリングワインにありがちな金属感を少し伴っているようにも感じる。
 
 これがリュリーという地域の特質だとは思えないけれども、ともあれあまり経験の無いタイプのシャルドネだった。
 
 ※翌日は、酸味が増していよいよ小柄になった。初日のほうがはっきり良かった。
 

【1822】Chateau Lanessan Haut-Medoc 2012

 
シャトー ラネッサン
 
 最近、フランスの赤ワインはローヌの比率が高くなって、大好きなブルゴーニュの赤ワインを飲むことが少なくなってしまった。でもってボルドーは元々たいして好きではなかったし、信じられないほど値上がりしてしまっているので放置状態が続いている。で、久しぶりに手の出しやすい値段でかなりしっかりしていたとおぼしきラネッサンを連れてきてみた。
 
 まず見た目。ちょっと赤茶けた暗いワイン、それでいて濃さはそれほどでもない。[http://先日の、もっと安い価格の秀逸なボルドーに比べると色合いが薄く、透明度がある。香りは、グラスをゆさぶるとチョコレートの香りがたちのぼり、鼻をつっこんでクンクンすると煙突系の香りが強烈に来る。うまそうだ。
 
 口をつけてみると、非常に静かな面持ち。甘さ控えめ、果実味も気張りすぎず、ミルキーだけどタンニンのせいか粒度のある柔らかな飲み心地。さすが、先日の安ボルドーと比べてもワンランク上質だ。粒度があるタンニンだけどつっかかってくるところがなく、口のなかにするすると入ってくる。そういう飲み心地に、後を引くように続く煙突系のスモーキー感が伴っていて、これもまたいい。時折、ザラメ糖や蜂蜜のような強烈な甘味を感じる瞬間があるけれども、あっという間に消えてしまうのでちゃんとワインのほうを見つめていないと見落としそう。中盤、トマトみたいな野菜系のエッセンスも感じられてちょっと驚いた。安ボルドー系ワインの系譜ではあるのだけど、その一挙一動が丁寧。派手ではないけれども堅実、それでいて味わいはしっかり。さすがラネッサン、いいワインだ。
 
 ※二日目。 ちなみに、二日目は密封容器にあらかじめ封印しておいたものを飲んだのだけど、一日目のぶんをボトルから飲み終わった頃に澱がかなりボトルにみられたので、このワインは割とぎりぎりまで熟成していた(あるいは温度その他で変性していた)かもしれない。

【1821】Galilee Galilaa Golan Heights Winery "Yarden" Chardonnay 2016

 
ヤルデン シャルドネ [2016] ゴラン・ハイツ・ワイナリー
 
 このワインは、いつもひいきにしている、ゴランハイツワイナリーのベーシックシャルドネ。頻繁に飲んでいるので一部記録を飛ばしているけれども、書きたくなったので久しぶりに筆記。去年の9月以来
 
 グラスに注ぐと、ちょっと黄金がかった、やや黄緑色がかったところもある美しい見た目。香りは、初手から蜂蜜クッキーが全開。すごい蜂蜜。ただ、先日のエチエンヌ・ソゼのピュリニーモンラッシェ一級なんかに比べると大理石の威厳みたいなものはない。それでも石灰岩っぽさはある。下位互換としてはこれで文句を言うほうがおかしい。いい香りだ。
 
 口に含むと、今回はバターっぽさ・ナッツっぽさが強く印象づけられる。すごいナッツ!なシャルドネだ。でもって、フルーツポンチのような果実の炸裂はあいかわらず健在。そこに蜂蜜の芳香と石灰岩っぽいミネラルが加わるのだから、この価格帯としては大盤振る舞いとしかいいようがない。カリフォルニアはカレラのシャルドネにかわる、我が家の標準シャルドネとして申し分ない飲み心地。
 
 ※二日目はややメロンっぽさが現れてきて南のシャルドネっぽい趣になった。こうなると少しばかり値段の安そうな顔つきになるけれども、それを補ってあまりある蜂蜜&ナッツ。良いです。
 

【1820】Roederer Estate "Quartet" Anderson Valley Brut (N.V.)

 
【ロデレール エステート】 カルテット・アンダーソン・ヴァレー・ブリュット [NV]
 
 新世界のスパークリングワイン。見た目は割と標準的な黄金色をしていて、泡もじゅうぶん。香りはメレンゲも漬物もトーストもリンゴもあって、なかなか豊か。
 
 口に運んでみると、すごくグリセリンが強いというか、グリグリとした飲み心地。リッチ、という言葉がこれによって似合うワインとなっている。鼻腔には漬物やメレンゲやトーストがぷんぷん、苦みもしっかりしており酸味もよく通っている。つまり、新世界のスパークリングワインにあって欲しいものが全て揃っていて円満きわまりない。もしこれが、フランス産のスパークリングワインだったらけしてほめられたものではないかもだけど、アメリカ産のスパークリングワインとしては期待どおりのつくりで、「よっ!大統領!」とほめたくなる。そしてブラインドで飲んだらきっと「リッチなシャンパーニュ」って答えちゃうんでしょう。いい出来だと思う。今度はボトルで買って飲んでみたい。
 

【1819】Chateau Toutigeac Bordeaux 2016

 
シャトー トゥチジャック 2016 ボルドー
 
 このワインは、見たことのないボルドーのワイン。地域が「ボルドー」としかないので、ボルドージェネリックな赤ワインとみた。けれども安ボルドーには安ボルドーなりの良さってやつがあるから、それを期待したいところ。
 
 まず色調。ブラッドに赤黒い。あまり青紫方面にカラースペクトルが流れるでもなく、ボルドーの赤としてそんなに違和感はない。透明度は低い。
 
 香りは、抜栓した直後にチョコレートが香ったような気がしたけれども、じきに目立たなくなり、苔むしたような、意外にオーガニック方面な匂いがしてきた。なんだこれは?
 
 けれども口に入れてみるとすっきり。煙突っぽい煙たさとビターチョコレート、それからミルクっぽい口当たり。甘さに溺れすぎない落ち着いたたたずまいの、やや禁欲的ではあっても鎮静効果のあるようなワイン。黒鉛のような気配に、ほんのりと果実味が差し込むけれども、主張し過ぎないところが本当にいい。享楽に流れることのないぴしっとした飲み心地は、安ボルドーならではのもの。こういう禁欲的なワインを5000円、10000円払って飲みたいとは思わないけれども、この価格帯でこれが飲めるのは嬉しい。新世界のカベルネメルロー系ではなく、フランスワインに期待したいものがこの値段でもちゃんと宿っている。ワイン慣れしていない人にはただの痩せたつまらないワインかもしれないけれども、享楽的なワインに目をグルグルさせている時にはこういうワインも必要だと思う。いぶし銀。
 
 ※二日目はもうちょっと酸味が勝って、そのぶんトマトっぽい果実味に流れた感じはあった。とはいえボルドーの安ワインの長所を失うほど変わってしまったわけでなく、持ち味がキープされていたと思う。安ボルドーの魅力なんていう、わけのわからないものを知りたい人は、これいいんじゃないだろうか。ただ、安ボルドーの魅力ってのは世間一般のワインに期待される魅力(果実味の豊かさとか、味の太さとか、香りのバリエーションとか)とは方向性が違うので、そのあたりはご留意を。