北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2228】Charles Rousseau Merlot 2019

 
シャルル・メソー メルロー 2019
 
このワインは、何かのセットに入っていたpays d'Oc規格のメルロー。無難にメルローしてくれればそれで充分、といった気持ちでのトライ。
 
まず見た目。黒々赤ワインで、光の透過性は皆無。カラースペクトルは青紫とも赤茶色ともつかない中庸。香りは、梅系お線香の香りにピーマンが堂々とにおいたつ。安くて若いメルローのイメージどおりだ。
 
口に運ぶと、飲み心地は穏やかで、酸っぱさや果実味に強襲される感じではない。後味のほうに酸味と果実味がじわわーっと伸びてくるタイプで、意外に苦みが幅をきかせている。甘味はあまり目立たないけれど、香りと後味の果実味がしっかりしていて、やせている感じからは程遠い。むしろボディは立派なもので、それを苦みと酸味と果実味がうまいこと成り立たせている感じか。浮かれ気分にならず、静かな気持ちになれる赤ワインだ。ただ自分の好みド直球ではなく、もうちょっと果実味が引っ込んでいたほうが自分の好みではある。でもいいワインだと思う。 
 
※翌日は静かってほどではなくなり、普通の果実味豊か系になってしまった。でも普通のデイリー赤ワインとしてはまあいいのでは。

【2227】Sonoma County Duckhorn Vinyards "Decoy" Chardonnay 2019

ダックホーンヴィンヤーズ デコイ シャルドネ 2019
 
スクリューキャップをひねって抜栓。まずまず黄金色をしているのだけど、なんと、気泡が混じっている! 気泡、個人的には嫌いじゃないけど、ワイン好きのなかにはこれでめっちゃ減点する人もいる。香りは、意外にも蜜の強いやつが来る。今回、リースリング用のグラスに登板いただいているので、ちょっと感じ方が違うのかもだけど、ヘーゼルナッツ系の香りがふんわり漂っていて実にうまそうだ。
 
口に運ぶと、メロン系の風味が強く、南国のシャルドネ感がある。ところがこのワイン、そこにバターっぽさが伴っていてリッチなシャルドネらしさがある。酸はバターっぽさと溶け合っていて、刺すようなタイプではない。販売しているトスカニーのサイトを読むと、「オレンジの花、蜂蜜とクリーム・ブリュレのリッチなアロマ。」とあるけど、なるほど、そういわれるとそんな感じかもしれない。特に蜜の強い香りはオレンジの花の香りって表現がふさわしそうに感じる。南国のシャルドネのなかでは、チリ系のシャルドネは苦手なのだけど、この品は、蜜とバターのおかげで救われている。かといって濃い一辺倒かというとそうでもなく、時折、涼しげな、ラムネのごとき香りがよぎることもある。
 
リースリング用のグラスを使った功罪はわからないけれど、とりあえず今回は価格にみあったシャルドネ、いやそれ以上という感じがした。同じ地域の、たとえばカレラのシャルドネやオーボンクリマのシャルドネと比較した時、いい勝負をしていて、いくつかの点では凌駕しているんじゃないだろうか。
 

【2226】Rayane et Pascal Bouley Volnay Premier Cru Clos des Chenes 2010

 
ヴォルネイ プルミエ クリュ クロ デ シェーヌ [2010] レイヤンヌ エ パスカル ブレ
 
このワインは、2020年の12月に対峙したことのある、比較的値段の安いヴォルネ一級クロ・デ・シエーヌでつくられたワイン。このワインが値下がりしているのを発見し、リトライしてみることになった。値下がりしたということは、盛りを過ぎたってことだろうか。とはいえ2010はブルゴーニュの良ヴィンテージ、いくらヴォルネとはいえ一級の盛りが11年で過ぎるってどうなのよとは思う。でも、プス・ドールあたりはそんな作りをやってそうだと感じるので、ありえないことはない。まあ、飲んで確かめてみましょう。
 
抜栓し、グラスに注いでみるとメロンみたいな熟成香りがふわーっと辺りに広がる。色は、注ぐ際にはオレンジ色がかったうずら色にみえるけど、注ぎ切ってしまうと焦げ茶色みたいにみえる。でも、光の透過性はバッチリ、すごく透明感がある。
 
香りは、初手で香ったメロンよりももっと夕張メロン、すごく甘いやつ。ザラメも入っているかのような。梅、チョコレート、しそ、柿、そんな具合に香りの玉手箱だ! これ、熟成バッチリ入っているんじゃないか。ポートワインみたいな印象すら受ける。
 
口に運んでみると、比較的あっさりとした+ヴォルネらしい羽毛のような軽さのワイン。前回に比べてチョコレートが弱いかな……と思いきや、口に含んでいるうちにチョコレートやカフェオレのようなニュアンスも帯びてくる。最高だ。気が付けば酸味もあるし塩分や椎茸を連想する場面すらある。これは、メチャクチャ美味いんじゃないだろうか。すごい香りの渦だ。素晴らしい。ところが2時間ほど経ってくると、この香りがだんだん弱まってくる。あっ!このワインもう限界なんじゃないか。余韻は残っているけれども、尻すぼみの展開は否めない。でも、今日じゅうに飲み切ってしまうのは無理なので半分残して明日へ。
 
※翌日。まだ夕張メロンやマッシュルームは健在だけど、果実味や酸味がおだやかになってしまって、かつおだしみたいな老成ブルゴーニュ赤っぽさが前に出るようになった。もちろんうまいのだけど、前日の華々しさを知ってしまった以上、寂寥の念は否めない。いいワインだったけど、ここらが限界のようだ。このレイヤンヌ・エ・パスカルという作り手が早熟系なのかクロ・デ・シエーヌという畑が早熟系なのか。でもトップスピードは立派でした。
 

【2225】Domaine des Accoles "Miocene" 2014

 
ドメーヌ・デ・ザコル ミオセヌ 2015
※リンク先はヴィンテージが異なります
 
このワインは、ドメーヌ・デ・ザコルの赤ワインのなかで未だ飲んでいなかったもの。品種はグルナッシュ主体、カリニャンがそれに30%ほどという構成。ローヌらしいワインを期待したいところだけど、さて。
 
まず見た目。なんと、うずら色というか、うっすいブルゴーニュ赤で年を取ったやつみたいな、レンガ色で透明感のある色合い。なんだこれは。これがグルナッシュ主体とは? で、香りも不思議なことにアセロラ系の赤系果実の香りがツーンとトーン高くやってくる。その後ろから、ろうそくみたいな香りとベーコンみたいなローヌ系ぶどう品種の香りが伴う。これもちょっと予想外。
 
口に運んでみると、アタックはあくまで柔らか、口当たりも軽い。ところが酸味が鋭く舌を駆け抜け、コクの強さ、酸味の強いコーヒーみたいな風味がしっかりと口に居座っている。タンニンはしっかりしていて、上顎が少ししびれるかのよう。そういったごついところに、柔らかさと口当たりの軽さ、そしてアセロラ系のキュートな果実味が同居しているのが面白い。この果実味の軽いところの良さとコクから、結構レベル高いワインじゃないかと思ったりもする。販売店の売り文句をみると、「エレガントさとパワー」「ブルゴーニュっぽい」とあるけど、まさにそんな感じだ。興味深いワインだ、これはリピートあり。
 
※二日目。少しメロンのような風味を帯びるようになり、なおかつ森の下草のような感じも増してきた。ぜんぜんへたっていない。樟脳のような香りを伴い、むしろワインに良い意味での硬さ、キアンティクラシコが本気を出した時などに感じる雄々しさすら感じるようになった。やっぱりこれはリピートだ。優れたワイン、ザコルの筆頭ではないか。
 

【2224】Vignobles et Compagnie Cotes Du Rhone Les Larcins 2019

 
コート デュ ローヌ ルージュ レ ラルシン [ 2019 ]ヴィニョーブル エ カンパニー
  
このワインは、タカムラワインハウスさんが直輸入しているローヌ産の廉価な赤ワイン。ラベルに金賞のシールが4枚べたべた貼ってあるけど、こういうのはあまりあてにしていない。果たして、内実はどんなやつなんだろうか。
 
まず色。なかなか赤黒いワインレッドをしていて、光の透過性はかなり低い。室内灯にかざしても、向こう側が透けてみえないぐらい。色合いは、少し赤茶色がかっているような感じがある。香りは、お線香系の香りに、ほんの少し土っぽさがある気がする。ベーコンや肉のような、ローヌにありそうな香りはあまり感じない。
 
口をつけてみると、なんと、まろやかな口当たりだ!数秒後、じわじわーっと口のなかに豊かな果実味と酸が広がっていくのだけど、タンニンのおかげか、まろやかさのおかげか、酸にギットギトにやられちゃう感がない。酸と甘味とタンニンがうまいこと調和している感がある。苦みもいい。このワイン、結構苦みが強いのだけど、甘味や酸との組み合わせでいいアクセントになっている。複雑さは感じられないし、高貴なワインって感じではないけれど、うまくできた品だと思う。デイリーワインとしてすごくいい感じ。
 
※翌日は、そこまでの調和はみられなくなったが、それでも飲みやすい。価格を考えればとてもよくできたローヌ赤だった。

【2223】Domaine Bernard Millot Meursault 1er Cru Les Gouttes d'Or 2017

 
ベルナール・ミヨ ムルソー グットドール 2017
 
このワインは、2021年の7月に買った、無名の作り手による格安のムルソー一級、グットドール。それがあまりに良かったのでリピート購入をしたもの。ヴィンテージは同じ2017年。すごく楽しみだ。
 
まだまだワインが冷えた状態で抜栓。今回はコルクになんらトラブルもなく、おかしな香りはしない。見た目はムルソーというよりピュリニーモンラッシェ一系ではないかと思うような、薄い白ワイン色、やや黄色がかっているかどうか。香りは……いいぞ、冷えているのもかかわらず、バターとクッキーの香りがバッチリやってくる。卵黄をイメージさせるような香りだ。
 
少し口に含んでみると、あまーい蜂蜜クッキーのような風味がぶわーーっと広がって幸せ。酸味はそこそこ、でもって大理石風の風味がしっかりと来る。今回は果実味のうちにヤルデンのシャルドネのような、やや南のほうのコンポートのような強い甘さを感じる瞬間がある。ムルソーらしさに加えて、南国っぽさが幾らか感じられるのはボトル差か。なにより、蜂蜜クッキーがすさまじい濃度と集中力で迫ってくる感が乏しく、同じメーカーのムルソー一級ぺリエールからナッツな雰囲気を引っこ抜いたみたいな感じに近い。前回のボトルは、コルクが怪しい感じになっていておそらく熟成が不完全ながら進んでいたと思われるのだけど、これはそういう作用が働かなかったせいで文字通りの早飲みになってしまった模様。やはり、こういうメーカーでもムルソー一級はちゃんと寝かせなさいってことか。わかりました。
 
※翌日は、もう少し酸が立って、なんか一級じゃない普通のムルソーみたいな雰囲気になってしまった。前回の輝く黄金には程遠い。ただ、オマール海老のスープとは良い相性をみせてくれた。