北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2267】Caves de Bailly Brut de Charvis Methode Traditionnelle (N.V.)

 
ブリュット ド シャルヴィ カーヴ ド バイイ フランスメトード トラディショナル
 
このワインは、ヴァン・ムスー規格にあたるブルゴーニュ北部、シャブリ近郊でつくられているスパークリングワイン。ヴァン・ムスーはフランスのスパークリングワインのなかでは一番下、ハウスワイン的存在なので、こいつには軽くて飲みやすいつくりを期待したいところ。
  
まず見た目。けっこう黄金色をしているというか、黄色っぽくて感心。ちょっと大粒の泡がごうごうと、勢いよく立ち上っている。泡の上昇速度はさすがに早い。香りは、少しひねた爽やかさというか、雑味が鼻先をよぎってしまった。うーん、いまいち。飲んでみたらどうだろう。
 
口に含むと……おや?これは口当たりがやさしいぞ。酸味や苦みが弱い。よく言えばまろやか、悪く言えば薄い、かったるいと感じる。とはいえ薄いなりに飲めるつくりで、ニューサマーオレンジのようなまろやかな柑橘味と感じる。変な酸っぱさやえぐみ、金属感に悩まされるぐらいなら、これぐらいさっぱりしているほうがありがたい。これはイタリアでいえば良い風のスプマンテに相当する感じで、価格相応の働きをしてくれた。フランスの安いワインは、へたに偉そうに構えようとせず、ハウスワインハウスワインらしく振舞ってくれるのが美質だと思う。
 

 

【2266】Winzer Krems Grüner Veltliner 2019

[2019] グリューナー フェルトリーナー ‘ブラック ラベル’  ヴィンツァー クレムス(オーストリア)
 
このワインは、まったく知らないメーカーの、やっすいオーストリア産白ワイン。オーストリア産の白には、もっと高いやつがたくさんあるけど、とても手が回らない。この安い品は、安いなりに楽しめる出来であって欲しい。
 
まず見た目。うっすい白ワインだ! 他の白ワインでいえば、ソアーヴェぐらいの薄さ。香りは、ちょっと爽やかな植物系の香り(花の香りより、もう少し青々とした香りかも)。冷やし過ぎてしまっただろうか。
 
口に運んでみると、グリーン!な風味が鼻腔を駆け抜けていった。このグリーンさはヴェルメンティーノに似ているけれども、そちらと違っているのは石灰岩のようなゴワゴワした酸味を伴わないこと。いや、そういうゴワゴワ酸味はヴェルメンティーノの特徴というより、サルデーニャのヴェルメンティーノの特徴であって、トスカーナとかの安物はこれに似ているかもしれない。同じく安い価格帯の白ワインとして比べると、リースリングと比べると苦みやバナナっぽさが乏しく、ミュスカデと比べるとミントのような爽やかさが勝っていると感じる。飲み進めるうちに、だんだん味が薄くなってくるのは、しっかり味わうワインではなく、ハウスワインとして、がぶがぶ飲む感じ。でも、こういうくどくなくて、一口目には爽やかさを食卓にのぼってからは食事のお供をしてくれるワインってやっぱりいいと思う。うまかったぁ。
 
※翌日は、少しミントが弱まって平板になってしまったかも。初日にみんなで飲むと幸せになれそうだ。
 

【2265】Domaine Arlaud Bourgogne "Roncevie" 2018

 
ドメーヌ・アルロー ブルゴーニュ "ロンスヴィ" 2018
 
このワインは、ドメーヌ・アルローが作っている平格ブルゴーニュ赤。とはいえ、結構口当たりの良い、おしゃまなワインだったことは前回、2017年産で判明している。さて、今回は2018年。どういった違いが見えてくるだろうか。
 
まず見た目。黒々としていて透明度はかなり低い。前回は「ブルゴーニュ赤にしては青紫色っぽい」なんて書いているけど、今回それほど青紫っぽくは感じない。香りは……おお、葡萄酒っぽさ大爆発だ、それでいて香料系の香りがかなり強くて高級感がある。あるいは、ちょっとお高くとまっているというか。梅系の香りより、チョコレートのほうが優勢、2017とはだいぶ違った滑り出しだ。
 
とはいえ、口をつけてみるとふわーっと広がるカフェオレ風味が特徴的。ブルゴーニュ赤にしちゃあカフェオレで、カフェオレにあってしかるべきまったりクリーミー感が口のなかに残る。でももちろんそれだけではなく、酸味のしっかりとした果実味がじゅわーっと後からこみあげてくる。この、カフェオレと葡萄の重なり合う感じがやっぱり独特で、でもこれもこれで愛らしい特徴だ。いいワインなのは間違いない。
 
※翌日は口当たりのなめらかな、もう少し酸味と果実味に寄ったようなつくりになってこちらのほうが好み。いやー旨い。上級クラスにはさすがにかなわなくても、週末にこれが出てくると気分がアガる。うまかった。
 

【2264】Marc Tempe Cremant d'Alsace Brut Nature (N.V.)

 
ドメーヌ マルク テンペ クレマン ダルザス ブリュット ナチュール セレクショネ パー マルク テンペ
 
このワインは、アルザスで作られた見たことのないクレマン・ダルザス。この、各地方のクレマンにはだいたいおいしい思いをさせてもらっているので、こいつにも期待したいところ。
 
まず見た目。グラスに注ぐと、やや緑色がかった、うすい黄色。このあたりは、クレマン系のスパークリングワインとして矛盾しない。香りは、爽やかな台所洗剤系がメインのようだけど、自分がやや風邪っぽいせいか、はっきりわからないところも。
 
ただ、口に運ぶと清々しさのしっかりした、口当たりの良いスパークリングワインなのがよくわかる。シャンパンのような、苦みを重視したつくりではなく、もう少しあっさりとした雰囲気で、なんとも口当たりが良い。重厚感がないかわりに、こいつはとにかく口当たりが良くて、すいすいと口のなかに入っていってしまう。今日の夕食はお寿司中心だったのだけど、お寿司の相手としては結構いけている感じだった。
 
 

【2263】Les Maitres Vignerons de Cascastel Fitou Coeur de Schistes 2018

レ メートル ヴィニュロン ドゥ カスカステル
フィトゥー クール ドゥ シスト 2018

 
このワインは、ラングドック=ルーション地方でつくられている赤ワイン。品種はカリニャン、シラー、グルナッシュ、サイトの様子によれば80~100年の古木でつくられた品なんだという。さて、どんな品だろう。
 
まず、色。ごっつい赤紫色ながら、あまり青系のカラースペクトルではなく、不透明といえるほど濃くて黒ずんでいる。グルナッシュという品種はだいたいこんな色をしていると思う。香りは、梅系線香の香りにくわえて、もう少し爽やかなニュアンスがあるような予感。
 
で、口に運んでみると、香りの第一印象に比較して友好的で、なめらかで、ちょっと甘味がある。杉の木のような香りが鼻腔にぎゅわーんと抜けていくのは、樽の影響なんだろうか。樽といえば、この甘味の一因はバニラ? この甘味も含めて、あまり攻撃的ではなく、どちらかというと愛想のよいワインだ。
 
※二日目も、ふっくらと飲みやすいワインだった。
 

【2262】Vigneti Zabu Syrah Terre Siciliane 2019

 
ザブ シラー 2019 ヴィニエティ ザブ 750ml [ファルネーゼ]
 
このワインは、シチリアファルネーゼのグループが作っているザブというブランドのシラー。シチリア産のシラーなんて安物なわけだけど、冬にはこれを少しだけ温めて飲んでみたい。そう思って抜栓してみることにした。
 
まず色。めちゃくちゃ不透明な、ブラックチェリーのようなワインレッド。こりゃまた濃い赤ワインですなぁ。香りは、ある程度まではプラムっぽい香りなんだけど、そこに煮豆のエッセンスが混じってきて、スーッとしたニュアンスとほっこりとしたニュアンスが共存している。
 
口に運んでみると、口当たりはソフトながら、果実味がどくどくと口のなかに流れ込んでくる。葡萄というより、濃いトマトや血を思わせるところがある。ワインの後味には酸味がしっかり感じられるけれど、この酸味も意外にトマトっぽい(青さ)を伴っている。これらは、寒い状況のなかで飲んだのでもう少し温めたらまた違うのかもしれない。で、少し温めてみると、タンニンがざらざらしている点も含め、もう少し血の通ったワインという感じがある。そうかそうか、冷えすぎるとやっぱりダメなんだこのワインは。シラーらしい酸味と果実味のきいたつくりで、おいしくいただけました。
 
※二日目は、もう少し酸っぱい感じのワインになり、こちらのほうが慣れ親しんだ安シラーではある。でも初日のほうが面白く飲めた。