北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2364】Cono Sur Sparkling Brut (N.V.)

 
コノ・スル スパークリング
 
今日はちょっとしたお祝いに、スパークリングワインを。ところが自宅にあったのはコノ・スルの泡だけ。でも今日はこれが泡が欲しいので開けてしまうことにした。
 
まず見た目。スパークリングワインとしては中庸な、ほんのり黄金色がかった色合いで、泡がしゅわしゅわと立ち上る。香りは爽やか青リンゴ系で涼しげだ。
 
口に運ぶと、青りんごの酸味、さっぱりとした口当たり。ちょっとニュニュっとしているのは乳酸系? しかし基本的にはすっきりとして、それでいて適度に苦みやグリセリンも効いている飲みやすい泡だ。イタリア産のスプマンテやフランス産のヴァン・ムスーに比較すると、いくらかシャンパンに寄せようと努力している感じがあり、それが良いって意見もあろうし、それが悪いって意見もあるだろうけど、新世界のスパークリングワインは基本的にシャンパン互換度とコスパが重要だと思うので、これは価格にみあった質でいつも満足。
 

【2363】Domaine Clos de la Chapelle Beaune 1er Cru Champs Pimont 2016

 
ドメーヌ・クロ・ド・ラ・シャペル ボーヌ 1er シャン・ピモン [2016]
 
このワインは、見たこともない作り手が作っているボーヌの一級。これを、先だってより美味かったマランジュとの比較として飲んでみることにした。ヴィンテージは2016とかなり若い。でもボーヌなら一級でもこれぐらいで飲めるでしょう。
 
まず色を確認。9月20日のマランジュより濃いけれども、まだまだピノ・ノワールらしい透明感のある色だ。少なくとも一部の濃い系ピノ・ノワールみたいな色はしていない。香りは抜栓からまもなく、イチゴジャムのようなあまーい香りがふわーんとあたりに広がってうまそう。グラスの奥には森の下草や腐った切り株みたいなオーガニック系の香りも潜んでいるけれども、まずストレートに黒系果実の香りがドンと来る。ボーヌらしくていいと思う。
 
口に運んでみると、これがまた果実詰め合わせかよ! と言いたくなるほどフルーティー。口に入れた瞬間はカシスやブラックベリー、しばらく経つと気持ちの良い酸味とともにアセロラやサクランボといった、もう少し色の薄い果実を連想させる甘酸っぱさが炸裂する。タンニンに苦みやコクはそれほど目立たず、かなりストレートにボーヌらしいワインをやってくれている。ストレートに脳髄を刺激するうまさで、後味の酸味が甘酸っぱくも舌ざわりが良くてうれしくなってしまう。先日の、知らない作り手のボーヌ一級クロ・デ・ムーシュと比較すると、こちらのほうがわかりやすく、美味い。でもってジョセフ・ドルーアンの銘品クロ・デ・ムーシュを思い出すのは、むしろこっちだ。このあたり、畑の名前以上に作り手の意図やデザイン次第、ということなのかもしれない。
 
※二日目は、果実味のはちきれるような感じは後退。かわりに森っぽい風味がぐっと強くなり、大人びたワインになった。マランジュと比較すると、こちらのほうがやはり果実味が強いことがよくわかる。双方のワインの良さがそれぞれ伝わってくる、そんな比較になって良かった。
 

【2362】Moncaro Marche Bianco 2021

 
モンカロ マルケ ビアンコ 2021
 
このワインは、料理用白ワインを兼ねるかたちで購入してきた、イタリアはマルケ州でつくられている(たぶん)テーブルワイン。今日のぶんをよりわけて、飲んでみることにした。
 
まず見た目はとにかく薄く、白っぽい。ソアーヴェとかシルヴァネール並みの、カジュアル系白ワインの色合いだ。香りは、ほんのりと甘い花の蜜の香りがして、かといって花の植物っぽいエキス臭みたいなのはほとんど感じられない。
 
口をつけてみると、気持ちの良い酸味が主体のワインで、軽いつくりなのだけど、少しコクがあるような気がする。この色と香り、それから飲み口は……トレッビアーノじゃないだろうか。そう思って販売サイトをチェックしてみると、トレッビアーノ70%、パッセリーナ30%とある。飲み始めてしばらくすると、プリンスメロンのような芳香、ヒヤシンスのような植物系の華やかな香りまで漂うようになり、え? マジで? と驚いた。このプリンスメロン風味が少々のコクと繋がっているわけか。この品種・この価格帯の白ワインとしては上々の展開。もちろん濃いシャルドネをお望みの人には全く向いていないけれども、薄口で、簡単な食事にあわせるようなイタリア白ワインをお望みならこれは全然アリだと思う。和風の魚料理や地中海風のシーフードの子分にしてしまうにも向いているかもしれない。テーブルワインに回すにはもったいない品と感じて、急遽、料理用は別のものを登場させることに決定しました。
 
※翌日も、涼しい飲み心地にほのかにメロンとコクの漂う飲み心地の良い品で良かった。モンカロというメーカー、ちょっと目を向けてみよう。
 
 

【2361】Feudi Di San Gregorio "Dubl" Falanghina Spumante (N.V.)

 
ドゥブル ファランギーナフェウディ ディ サングレゴリオ
 
このスパークリングワインは、夏のはじめにまとめて買った、お値打ち価格だったフェウデイ・ディ・サングレゴリオのスパークリングワイン。本来、さっぱりとした風味のファランギーナという南イタリア土着品種を使っていながら、このワインはふくよかなシトラスの風味で、なめらかで、そこらの雑魚スパークリングワインとは違った、さすがシャンパンのジャック・セロスが関わっただけある貫禄をみせてくれたものだった。夏も終わったので、これを今日はいただくことにした。
 
まず色をチェック。わずかに緑色がかっているかもしれない麦わら色で、スパークリングワインとしては及第点。ただ、このボトルは泡の勢いが小さい。夏の間、必ずしも好ましくない環境に置かれていたからだろうか?……と思いきや、まあまあ泡があがってきて一安心。香りは、ちょっとメレンゲのような香りが伴いつつも、すがすがしい花畑の香り、それと今回はリンゴのような香りがする。
 
口に運んでみると、今回は結構酸味が強くて酸っぱいぞ! 前回まではかんきつのなかでも伊予柑やオレンジを連想したとあったけれど、今回はもう少し白系の柑橘を連想させるすっぱさがある。ファランギーナをはじめ、南イタリアの良質な土着白ワインにありがちな、ごわっとした酸味と石灰岩系の風味を伴い、きりっと涼しい。そうこうするうちに、次第に泡のたちのぼりが豊かになってきて、見る間にグラスは泡でいっぱいにみたされた。うんうん、いいんじゃないでしょうか。ランニングしてひとっぷろ浴びた後、夕暮れ時にイタリア産のオリーブと一緒にこれをやったんだけど、イタリア同士、相性のいいことといったらない。極上というほかない。
 
個人的には前回までのオレンジらしさがある風味のほうが好みだった。今回、かなりボトルから受ける印象が違ったのでちょっと不思議ではあるけれども、後半になり飲み心地の良さが際立ってきて、いや、やっぱりこれもいいものだなと改めて思った。
 

【2360】Domaine du Beauregrad Maranges 1er Cru Les Clos Roussots 2019

 
[2019] マランジュ 1級畑 レ クロ ルソ ルージュ ドメーヌ デュ ボールガール
 
このワインも、マランジュの格安ブルゴーニュ赤のひとつで、以前、村名格と対峙したことのあるもの。なんとこちらは一級なのに(楽天スーパーセールの期間中は)2500円ぐらいで販売されていたもの。ちょっと普通の値段じゃないけど、さてどんな内実なのやら。さあ、飲み比べてみよう。
 
まず見た目。村名格の時と同じく、えらく濃い色をしている。グラスの辺縁はやや青紫色がかっていて、やっぱりブルゴーニュっぽくはない。香りは、こちらは初手からややプラムの強い芳香が、イチゴミルクみたいなやつを伴いながらしっかり漂ってくる。いい香りなんだけど、これも他品種っぽさがある。色と香りからは、上物のシラーかネロ・ダヴォラ、特に前者を連想してしまう。
 
口に含むと、まずまず舌ざわりが丁寧で、ここでも村名格より出来が良いと感じる。甘味がしっかりしていてニュニュっとした舌ざわり。スパイシーで、後味に苦みが残るのだけど、これもまた、シラーなんじゃないかと思ってしまう。美味いワインだと思いますよ、でもこれをブルゴーニュの赤だって当てるのはブラインドではかなり難しいと思うし、自分がブルゴーニュに期待しているのはこういう濃い口の美味さではない。マランジュってこういうアペラシオンなの?
 
※一日置いてもまだ濃い。しかし香料のような香りが宿りはじめ、なんだか……いいぞ。以前よりも味がプラムに近づいたのもいい。酸味が少し加わってかえって良くなった感じか。これは二日目のほうが良かった。見直した。典型的ブルゴーニュ赤ではないと思って買うぶんにはお買い得。
 

【2359】Heymann-Lowenstein Schieferterrassen 2019

 
ヘイマン・レーヴェンシュタイン シーファーテラッセン [2019]
 
この品は、ドイツはモーゼル地方でつくられたリースリング。このメーカーのワインには、それほど値段にムチャのない、それでいて上位クラスの品が控えているので、おそらくエントリークラスとおぼしきこれをやってみることにした。これがよくできていた場合、脱ー高級ブルゴーニュの一環として、上位を仕入れて寝かしておく心づもり。
 
まずスクリューキャップをひねる。と、ポン! とすごい音が。これは不吉ですねえ。瓶内でなにやら発酵していた可能性が。2019という若いヴィンテージでこれはいかにも不吉。グラスに注いでみると、色合いは金色に輝いていて、じつに美しい。もっともっと格上の甘口リースリングみたいな色合いをしている。香りは、マッシュルームなどのキノコ系の香りと甘口リースリングにありそうなトロピカルな香り、それからすがすがしい若いリースリングらしい花畑系の香りがみつどもえをしていて、ミネラルの予感がある。
 
口に運ぶと、まず、あまりよろしくない風味が来た。これはブショネでは? と初手では疑う。そのあとに来る、明確なミネラル味、あるいは立体的な口当たり。辛口リースリングなんだけど香りは上級の甘口リースリングやソーテルヌみたいな複雑なトロピカルさを伴っていて、そこにさっぱりとした酸味とシャブリ一級もかくやという立体性が伴っていて驚かされる。はじめ、これは悪くなっているのではと思ったけれども、そう思う以上に複雑な風味とつくりに唸らされる。まだ若く、エントリーモデルでこれだけ魅せてくれるとなったら上位を購入してみたくなる。ブルゴーニュの白に代わる可能性として意識しておきたい。
 
※二日目。前日の、ブジョネっぽい雰囲気はますます遠のき、びりびりはミネラリーな風味と理解されるようになる。辛口ながらトロピカルで、このびりびりミネラリーはある部分でコルトン・シャルルマーニュに通じる、と言ったら言い過ぎだろうか。バランス調整にやや難があるかもしれないけれども基本的なポテンシャルは高いとみた。一考に値するドイツワインなので、これの上位は買ってみたくはある。ただしドイツワインのボトルって背丈が高いのがちょっと問題だ。ワインセラーの特定区域には収納できないので、やや温度変化のある冷暗所に保存するか、セラーの一番要領のきくエリアに収納するか。