北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1872】Coche Dury Bourgogne Blanc 2002

 
コシュ・デュリ ブルゴーニュ ブラン 2016
 ※リンク先はヴィンテージが異なります
 
 さて、今日は久しぶりにヤバいワインにお出ましいただいた。ものはコシュ・デュリの平格ブルゴーニュ、とはいえ価格的にはどこが平格なんだと突っ込みを入れたくなる。

 まず色。とてつもなく山吹、香りはキノコと桐箱とトカイワインがぐわーんと漂ってくる。はっきりと、高級ワインの出で立ちでビックリした。

 口に運ぶとバターと酸味。酸味にマッシュルームが融合していて、やたら酸味がまろやか。これは、へたな一級や特級を凌駕しているんじゃないか。ブラインドだったら、ムルソー一級とか答えるのかな。それでいてまろやかな酸味が最後までバターやマッシュルームに負けずにしゃんとしているのだから只者ではない。恐るべし。いつまでもどこまでもフレーバーが身体についてまわるかのようだ。平格ブルゴーニュだからといって、これを軽視することはちょっと無理。買ってしまいそう。
 

【1871】Cono Sur Sparkling wine Rose (N.V.)

コノ・スル ロゼ スパークリング
 
 まず、グラスに注ぐとほんのりとピンク色~オレンジ色かかった、いかにもロゼワインらしい色調。そこに、意外なほどゆったりと泡がたちのぼっていく漢字がして、見栄えはなかなかのもの。香りは、桜っぽい甘い香りが強い。あまり柑橘っぽくはなく、いくらかわざとらしくはある。
 
 口に含むと、やはり桜の風味が優勢。苦みは僅かにあるけれど、酸味がきつくない。旧世界ロゼにありがちな、ばっつん酸味&柑橘!という感じでなく、えらく愛想が良いというか、飲みやすい。発泡ワインであることも含めて、かなり初心者向けにチューンしてある感はある。コノスルという銘柄を考えると、たぶん、それで困る人もいないのだろう。終始、飲みやすいロゼスパークリングだった。
 

【1870】Chateau Lanessan Haut-Medoc 2014

 
シャトー ラネッサン 2012
 ※リンク先はヴィンテージが異なります。
 
 このワインは、お手頃ボルドーとしては品質を信頼しているシャトー・ラネッサンの品。前回は2012と対峙していて、割と気に入っていた様子。今回はどうなのか。
 
 グラスに注ぐと、予想以上に黒ずんで不透明な、赤茶色の液体。前回は透明感があったとあるけど、今回はまったく不透明。香りは、こんもりとチョコレート系のほっこりした香りが漂ってきて、そこに杉や炭のような木系統の香りを伴っている。ジャムは連想しないのに、グラスのなかがあまーいザラメのような甘い雰囲気を帯びているのはいい感じだ。
 
 口に含むと、果実味などでがつんと殴ってくる感じでなく、するすると入ってくる感じ。口当たりがソフトで甘さ控えめ。ボルドーの赤ワインにしては薄口かもしれず、人によっては「水っぽい」などという人がいるかもだけど、自分はこういう薄口さは好きだ。それに果実味が「無い」わけでなく「穏やか」なのがこいつの特徴なので貧相という言葉は似合わない。このクラスのボルドーの赤ワインにあって欲しい、炭のようなフレーバーに落ち着いた飲み心地が備わっている。
 
 ボルドーの赤ワイン、少なくともあまり高価ではなく極端に長熟ではないワインって、ブルゴーニュやローヌに比べて抑制的というか、飲んでいて気持ちがアガるワインよりも静かな気持ちになるワインが多い。それはそれでひとつの長所だと思うので、この路線でつくりつづけて欲しい。こんなところで新世界のワインやよその名醸地の真似をする必要なんてないと思う。
 
 ※翌日は、良くも悪くも果実味が強くなって、鉄っぽさを帯びるようにもなった。肉料理に合わせても行儀よく付き合ってくれている。それでも穏やかな飲み心地はまだあって、きついカベルネボルドー系という感じではなかった。
 

【1869】Domaine de la Croix Senaillet Saint Veran 2009

ドメーヌ ド・ラ・クロワ スナイエ サン・ヴェラン 2016
 ※リンク先はヴィンテージは異なります
 
 こいつの色は普通のブルゴーニュより少し黄色いぐらい。香りは花畑系で、それほど強くない。あまりコテコテとはしていないシャルドネではないかと思う。
 
 口に入れると爽やかワイン、新鮮な酸味。潤いがあってなおかつ上品、ひとを圧迫してくるやつじゃあない。ところが、飲み進めていくとキノコっぽい風味がよぎることがあり、意外に頑張っている。サン・ヴェランなんて酸味と爽やかさがあれば合格、といった地域だと思うんだけど、こいつは少し複雑なところがあって良かった。

ワインの原稿依頼をいただいて、しかもリーデルさんから「いいね」までもらってしまった

 
 
 
 ワインの記録を書き続けて10年以上の歳月が経ったのだけど、このブログは読者数もほとんど増えず、特にはてなブログに引っ越してからはPVも大幅に減った。それでも記録が続いたのは、ワインそのものに果てない魅力があったからだと思う。これだけ書けばさすがにワインのことを覚えるというか、ワインのことがここまでわかるようになったのはこのブログのおかげだ。
 
 でもって先日、初めてワイン趣味についての原稿依頼があって、それがたくさんの人に読んでいただけて嬉しかった。しかも冒頭のスクリーンショットが示しているように、リーデルジャパンのアカウントさんから「いいね」まで貰ってしまった。一人のワイン愛好家としてすごくうれしい。ゲーオタ用語でいう「実績解除」以外の何物でもない。
 
hikakujoho.com
 
 世の中には、商用原稿を書くと責任を感じる人と感じない人がいて、私は感じる部類に入るせいか、いくらかプレッシャーを感じた。何事につけても、素人ブログとして書くのは気楽でも商用原稿を書くのは責任がかかり、プレッシャーを自覚せざるを得ないことを私は忘れていたみたいだった。企画が舞い込んできた時点で「よっしゃ、俺の好きなことを好きなように書いてやるで!」と勇んで書き始め、おおよそ想定通りに仕上がったけれども、それでも後半の修正作業にはプレッシャーを感じた。
 
 私の場合、「好きなことを好きなように書く」場合には、いかにプレッシャーを感じない段階で好き勝手にキーボードを叩くかが重要だということを、よくよく思い出した。ただし、この手が通じるのは10000字ぐらいまでの原稿で、10万字超の書籍クラスでは構成を維持するのが難しくなる。ここのところを克服する方法があれば、もう上達するような気がするのだけど……。
 
 とはいえ貴重な経験になったのは確かだし、かなり励まされました。
 これからも身体を壊さないペースでワインを飲み進めていきます。
 
 
 

【1868】Argiolas Turriga 2012

 
トゥリガー 2013 アルジオラス
 ※リンク先はヴィンテージが異なります
 
 さて、このワインはサルディニア島では実質いちばん優れたワインを作っていると要約できそうなアルジオラスが作っているフラグシップワイン。赤ワインで、カンノナウ種(フランスでいうグルナッシュ、スペインでいうガルナッチャ)メインでつくられているとのこと。ということは、割と好みのワインである可能性が高い。ただ、こいつがどの程度のポテンシャルを持ち、どの程度待たなければ飲めたものじゃないのかが未知数。今回、7年経過しているものと対峙してみることにした。
 
 まず見た目。果てしなく濃い赤ワイン色。ワインボトルを横になっている状態から引っ張り出してきたので、おりが舞い上がっているのか、不透明きわまりないブラックな色合いになっている。香りは……すっばらしい梅香。ちょっと桐箱っぽくもあるし、僅かに杉やバニラの気配もある。が、とにかくトーンの高い梅系の香りが来て、それをバニラや桐箱っぽい香りが支えているような。
 
 口に運ぶと、意外に柔らかいアタック。口に含むと果実味がこみあげてくるんだけど、包容力があってつっかかってくるところがない。それでいて、口のなかで果実味がゆっくりと膨張していくようなところと瑞々しさがある。タンニンが上顎にへばりついてくるので、これはワイン慣れしていない人はひるむかもしれない。というか、もっと寝かせろということだろうか。
 
 飲み進めると果実味が朝日のようにせりあがってきて非常に濃い雰囲気になってきた! 口当たりにコーヒー風味が加わり、どこかシガーっぽい香りにもなってきた。かと思えば、トマトジュースみたいな野菜系の風味が盛り上がってくる瞬間もある。これらは、どれも濃い系ワインな記述だけど、それでいて飲み心地から穏やかさが失われないのはとてもいい。なるほど納得。ローヌの高級グルナッシュ系ワインとはまた異なった、しかしこれはこれで優れた姿ではある。明日も楽しみにしていよう。
 
 ※二日目は、ブルネッロを連想させるようなすんごくジャムっぽい展開に。あと、舌触りがすんごくザラザラしてきた。それと葱!葱も来るよ!好みのワインとはちょっと違うけれども総合的にみれば価格にみあった品だと思う。じゃあ同価格帯の好みの赤ワインは何なんだと問われたら「もう少し割安なジゴンダスかアマローネ」と答えるだろうか。とはいえ優れたワインには違いないので、一本ぐらい地下に寝かせておいてもばちはあたらなそう。