北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2622】Moulin Saint-Georges Saint-Emilion Grand Cru 2003

 
[2013] シャトー ムーラン サン ジョルジュ
※リンク先はヴィンテージが異なります
 
さて、アリゴテをいただいた後は何を飲むか? なんかサンテミリオンのGrand Cru (Classeのつかないやつだ)の2003という、飲めるようで飲めないワインがリストにあったのでこれに挑戦することになった。
 
まず色。さすがにボルドーの赤らしい黒々とした濃さがある。香りはすごくいい。煮豆というにはもうちょっと洗練された、それでいてほっこりとしたやつが来る。アリゴテをささっと飲んだため、これがキノコの風味を帯びていたかはちょっと思い出せない。ただ、とにかく暖かく包容力のある、なんとも旨そうな香りが来た。
 
口をつけると、はじめに少しタンニンがざわざわっとしたけど、それも一瞬のこと、落ち着き払った飲み心地、安ボルドーにありがちな紳士的な佇まいを、リッチなコクを伴ったかたちでみせてくれた。このワイン、はしゃいでいないのである。果実味がないわけではないけれども、押しつけがましくなく、むしろ抑制的。暖かな香りと落ち着いた味わいの赤ワインが、ぐぐぐっと喉をとおりぬけていくのだ! それでいて酸味がないわけでもないのも良い。最高じゃないですか。これで本当にサンテミリオンのGrand Cru(Classeなし)? 上位はどうなっているんだ、そして上位も20年は寝かさなければダメなのかと絶望する思いもなくはない。これは自宅で寝かせるのはハードです。
 
しばらくすると、その落ち着いたワインが、いつの間にかパワフルなインパクトというか、さっきまでそこにいた落ち着いた紳士にすごい存在感、仁王が立っているようなすごみまで帯びるようになってきた。やー、ボルドーすごいですね、サンテミリオンすごいですね。このクラスでここまで伸びるのかと驚いてしまいました。