北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1403】Luigi Righetti Capitel de Roari Amarone 2012

 
ルイジ・リゲッティ アマローネ デッラ・ヴァルポリチェッラ クラシコ カピテル・デ・ロアリ
  
 なんか色々と立て込んでいてしんどい今日この頃、「既知のそこそこ良いワイン」が飲みたくなって白羽の矢が立ったのは、いつもニコニコ格安価格アマローネのルイジ・リゲッティ。こいつは3300円ほどで買えた品で、もう拝みたくなるほどありがたい&楽しみたい一本。
 
 まず見た目。少し赤茶色がかった濃くて暗い赤色。透明度はやや低い感じ。初手から漆喰や接着剤のような有機化合物系の香りとジャムの香りが猛然と立ち上がってきて息が詰まりそう。アマローネにしては珍しく、今回は木材を連想するような香りを伴っている。
 
 口をつけると、猛烈な!タンニン!えらく渋いぞ!若飲みだからしようがないのかもだけど、ちょっとびっくり。もちろんアマローネらしい、しっかりとした甘い果実味&苦味は健在で、墨汁のような風味が鼻腔を抜けていく感覚を伴っている。そして重い。えらく重いですね。で、ここから甘みがじわじわと感じられるようになってきて、それなり面白い。ただ、そこまでで止まってしまっているのはアマローネとしては遺憾なことで、ちょっと踏み込みが甘いと感じた。
 
 ※二日目になって、腐った切り株のような風味が混じって生意気な雰囲気になってきた。単なる力強いワインでなく、それなり面白みのある複雑さを兼ね備えてきたというか。この価格帯のアマローネはいつも雑に呑んでいるけれども、本当は寝かすかデキャンタするかすべきなのかも。
 

【1402】Rotari Alperegis Pas Dose Extra Brut 2008

 
ロータリ パ ドゼ アルペ レジス 2008
 
 このワインは、トレンティーノ・アルトアディジェ州で手ごろな価格のスパークリングワインをつくっているロータリのワンランク上級の品。なんとヴィンテージ表記まである。価格帯的には安いシャンパンぐらいになってきているので、「そういう」雰囲気のスパークリングであって欲しいボトル。
 
 まず見た目。かなり金色していますね。山吹色ではなくレモン色系統なんだけど、うまくシャンパンっぽい輝きをつくりあげている。いい色だと思う。泡も上昇速度も速すぎず、なかなか良い見た目。香りのほうは、リンゴっぽさとトースト・メレンゲ系の香りがちょうど良く混じっていて中庸なタイプ。これも合格点な感じ。
 
 口をつけてみると、苦味がごってりしていて口当たりが重く、漬物っぽさもある。おお、重量級路線ですか!酸味・甘みのスカラー量もしっかりしていて、骨太のスパークリングワインと感じる。これはスプマンテっぽくないですね。ただ、こういう骨太ワインは新世界の少し良い品にもあるわけで、ここから洗練や複雑さや飲み飽きにくさをみせてくれるかどうか。
 
 ただ、呑み勧めると良くも悪くも呑みやすい方向に(ワインが?自分が?)流されてしまって、感慨を残すような雰囲気ではなくなってしまった。うまいうまいと呑んでいるうちになくなってしまったけれども、高価過ぎないスパークリングワインはこれでいいのかも……しれない。

【1401】Calatayud Bodegas San Alejandro Evodia 2014

 
エヴォディア
 
 このワインは、ラベルに「エヴォディア」としか書かれていないスペイン産のワインながら、ネットで情報を集めるとタイトルのような情報があったのでタイトルのように表記した。ガルナッチャ(グルナッシュ)90%シラー10%でパーカーポイントが高かったとのこと。でもって980円なんで「そういうタイプのワイン」ってことでしょう。
 
 グラスに注いでみると、いきなり期待通りの濃い赤ワイン。不透明で、光に透かしてみてもなお濃いと感じる。香りのほうは、初手ではあまり香り立ってこない。
 
 口をつけてみると、苦みと濃い果実味がごつんと来た。シラーの影響なのか、ちょっとスパイシーでもあるし、果実味がとにかく濃い。地中海風の肉料理に合わせると、苦みがグッと際立って滋養強壮に良さそうな雰囲気になる。そして焦がし醤油のようなキツいニュアンスを伴っていて、これは自分好みなワインではあまり感じられない特徴で面白く感じられる。そのくせ、飲み慣れてくるとミルキーで穏やかな顔つきをすることもあるんだから面白い。なかなか楽しめるワインだった。
 
 ※二日目。鉄っぽいような、濃くてトマトチックなニュアンスがぞろぞろと感じられてこれも楽しい。1000円を切っているワインとしては十分楽しめたと思う。意外と「鑑賞」できたような。 

ワインの記録が1400回を超えた

 
 
 
 この一年ほど、やたらワインを外稽古する機会が増えたおかげで、予想以上のペースで1300→1400回に辿り着いてしまった。でも、自分の家で呑む本数はわりかし節約気味で、エタノール摂取量自体はだいぶ押さえ込むことができた。これも、ワインを呑む場所、ワインを共に呑む人がいればこそ。本当にありがたい限りです。これからも、機会があれば然るべき場所・然るべき人と一緒にワインが楽しめたらな、と思う。
 
 最初は孤独な楽しみとして呑み始めたワインだけど、ほんの少し人の縁を助けてくれるようになりはじめた。でも、初心忘れるべからずで、自分が好きな方面のワインを好きなように、自分の好みを見失わずに愛好していこう。コート・ド・ボーヌの赤白とイタリアワインを、ずるずる飲み続けていこう。
 

【1400】Michele Satta Bolgheri Rosato 2013

 
【ミケーレ サッタ】 ボルゲリ ロザート [2013]
 
 今日は白ワインという気分でもなく、赤ワインでもスパークリングでもない感じ。で、自宅在庫をみたらなんとロゼがあるじゃないか!こいつはトスカーナのボルゲリ地区の作り手の品。
 
 まず見た目。イタリアロゼワインとしては薄めだけど、ほんのり黄色っぽいスペクトルの混じった、ロゼにしてはオレンジ色寄りの色彩に驚いた。そして少し気泡が混じっているのにも驚いた。香りは、米ぬかが篭ったような香りに加えて、意外なことに(安)ピノ・ノワールやガメイにありそうなキャンディみたいな甘い香りが漂ってくる。
 
 口をつけてみると、おお、なんとも爽快な甘酸っぱさが主体、ロゼらしいオレンジピール系の苦味が混じって……というよりレモンの蜂蜜漬けみたいな苦味で、そこに米ぬかフレーバーが微妙に混じっている。これ、寒冷系シャルドネでも混ぜたんじゃないの?というような。でもネットで品種を確かめるとサンジョベーゼとカベルネソーヴィニオン主体とのこと。へー、それがこんな米ぬかっぽいフレーバー&酸っぱさになるとは意外。
 
 ※二日目は少しコクが感じられるようになって、白ワインめいた姿から少し赤ワイン寄りの姿に変わった。とはいえ大筋で爽やか&人懐こい路線は変わらず、価格を考えても良いロゼだと思った。
 

【1399】Medici Ermete Querciole Lambrusco Dolce (N.V.)

 
ランブルスコ レッジャーノ・ドルチェNV メディチ・エルメーテ


 暑くなってくるとランブルスコが恋しくなるので、定番メディチ・エルメーテのランブルスコ甘口を久しぶりにあけることにした。
 
 まず見た目。赤ワインというより、カシスリキュールを使ったキールを思わせる色合い。ちょっと淡いワインレッド、という感じ。香りを確かめてもあまりわからない。
 
 口に入れると、アメリカンチェリー系の果実味を爽やかにしたような。甘口ランブルスコのなかでも酸味がしっかりしているほうで、ヨーグルトっぽい風味も相まって甘酸っぱい。へんなクドさみたいなものが今回は感じられず、一本調子ながら、気持ちの良い、フレッシュな飲み物としての印象が損なわれない。この価格帯のランブルスコに期待するのは複雑さではなく、爽快感なので、これはこれでいいんじゃないでしょうか。ごちそうさま。