北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1547】Bollinger Special Cuvee Brut (N.V.)

 
ボランジェ スペシャル キュヴェ
  
 今日はフレンチな食事と一緒に「ジュヴレ・シャンベルタンをいろいろ飲んでみる会」なるものに参加させていただく機会があって、村名格~特級まで、飲み比べてみることになった。ただ、乾杯にはシャンパーニュが出てきたのでクイッと飲むことに。
 
 まず見た目は普通にシャンパーニュ。それほど赤身がかってはおらず、金色系の色合いに、泡がさかんに立ち昇る。口に含むと酸味がしっかり、苦みと重みも伴っていていかにもシャンパーニュ。それでいて涼しい飲み心地で「かろやか」なのは相変わらず。穀物系の風味もちゃんと伴っていて、華やかなスタートとなった。
 

【1546】Vigneti Zabu "Chiantari" Terre Siciliane Nero d'Avola 2015

キアンタリ・ネーロ・ダーヴォラ[2015]


 このワインは、アブルッツォ州で安くて手堅いワインをつくっているファルネーゼがプロデュースしているというシチリアのワイン。品種は土着品種ネロ・ダヴォラで、やけに立派なボトルに入っている。
 
 グラスに注いでみると、少し明るくて蛍光色っぽさすらある紫色。このワイン、ワインレッドという言葉よりも「紫色」といったほうがしっくり来る色合いをしている。香りは、檜の入浴剤+梅系お線香+梅ジャムといった趣で、なかなかパワフル。
 
 で、口に注いでみると、ソフトタッチな口当たりにミルクチョコレートに近いような、まるっとした甘味。で、後味の段になってきて酸味がほんのり、タンニンの渋みがゆっくりとこみあげてくる。タンニンは意外ときめが細かく、人を脅すようなところが少ない。で、あいかわらず鼻腔には檜の入浴剤っぽい香りがこみあげている。それでも、きつくて飲めないと思うギリギリのところにおさまっていて、明るく開放的な雰囲気を伴ったワインで悪くない。
 
 ※翌日は、まるっとした甘味が少し落ちて、これで標準的な安ネロ・ダヴォラという感じになった。

【1545】Prunotto Barbera d'Alba 2014

 
プルノット バルベーラ・ダルバ
 
 見た目は、暗めのワインレッドながら、透明度と幾らかの明るさがある。有名品種でいえば「ピノ・ノワールの一番暗いぐらいの部類」にみえる。香りを確かめると、ちょっと酢酸を連想させる酸っぱい匂いを伴って、クリーミーな線香風味が来た。しばらくすると、酢酸っぽさが薄れて梅っぽい酸っぱさが増したような。
 
 口に含むと、うわっ酸っぱい!酸味が強いんだけど、香りと同様、酢酸、あるいは穀物酢を思わせる酸っぱさを伴っていて「きつい」。その後に、梅とブラックチェリーを混ぜたような、あるいは、最も酸っぱい年のブルゴーニュ平格赤のような、果実味のきついところがキューンと来る。それと、イタリアワインでは滅多にないことなんだけど、「日本でつくられたワインにありがちな麹っぽさ」に近い感覚があって、これもイタリアワインとしては違和感がある。重くてだるいワインではないけど、飲みやすくはない。
 
 ただ、肉料理やパスタやグリッシーニと合わせると、スイスイと入るワインに変わる。テーブルワインとして飲むならいいけれど、価格を考えると、もうちょい頑張って欲しいところ。いろいろイマイチ。
 
 ※翌日は、あの酢酸めいた苦しい感じが緩和されて、口当たりが滑らか。梅風味が梅キャンディ風味に変わってだいぶおいしくなった。日本産ワインっぽさは若干残存。これ、一体なんなんでしょう??
 

【1544】Benard delagrange Volnay Clos du Village 2008

 
ドメーヌ ベルナール ドラグランジュ ヴォルネ クロ・デュ・ヴィラージュ
 
 このワインは、定点観測エリア・ヴォルネ地域の、あまりみかけない一級畑「クロ・デュ・ヴィラージュ」のもの。この畑のワインはなかなか見かけなくて、今回が初見。メーカーは、お手頃ながら手堅いヴォルネを手掛けている、ベルナール・ドラグランジュ、ヴィンテージは酸っぱいハズレヴィンテージの2008。
 
 まず、見た目。かなり赤茶けた色をしていて、このワインが年を取っているってことがうかがえる。辺縁が赤茶色で、明るい、というより薄い色合いをしている。香りは、トーンの高い揮発臭に、チョコレートとイチゴ菓子とカシスの中間のようなきつい香りが漂っている。
 
 ところが口をつけると、とにかく酸っぱい!うわっ! ザ・2008年ブルゴーニュという雰囲気。目の冴えるような、口をすぼめたくなるような酸っぱいブルゴーニュワインだ。それでいて、味にローソクのような風味と、ザクロや桑の実に近いような、あっさりとした甘味を伴っている。そうだ、2008年のブルゴーニュワイン、特にヴォルネ周辺ってこんな雰囲気だったなと、記憶がよみがえった。それでも、さすがに一級の毛並の良さか、舌触りが滑らかで、ヴォルネに典型的な軽さをみせている。とはいっても、香りの変化とボリュームが少しずつ萎んでいく傾向で、2008年、やはり弱ヴィンテージという印象は否めない。一応、いくらか残して明日飲んでみよう。
 
 ※二日目。驚いたことに、香りは初日よりも湿った土っぽさが漂い、豪華。そして口当たりがなだらかになって、酸味も丸まって穏やかな、それでいてフレッシュな果実味を残したワインとなった。旨さという意味でも、複雑さや構図という点でも、二日目のほうが勝った。ということは、初日に「これはあかん」と思って飲み進めたのは失策だったのかも。驚きました。
 

【1543】Louis Jadot Saint-Amour 2014

 
サン・タムール セリエ・デ・クロ
 
 このワインは、クリュ・ボジョレーのひとつサンタムールの品。最近、このクリュ・ボジョレーはモルゴンという地域一本槍だったので、このサンタムールはすごく久しぶりの品。卸しているのは、ブルゴーニュ大手のルイ・ジャド。ここのワインは本来長期熟成前提なので、2014年産は「超早飲み」の部類に入ると思って、反省しつつ抜栓。
 
 抜栓して二時間放置した後、グラスに注いでみると、少し青色がかった暗い色彩。グラスの向こう側が見通せないぐらいには暗い。香りは、酸っぱそうな梅の匂いが最初は気になったけれども、ボジョレー・ガメイ系にありがちなチープなチェリー系菓子の香りを伴っている。
 
 口に入れてみると、粉っぽいとか充実したではなく、リキッドな果実味。ジャバジャバチェリージュースっぽい。すごく……リキッドで飲み心地がジャバジャバっとしている。根っこのところにボジョレーっぽいホッコリさがあるけれども、リキッドな果実味がそれを上塗りしていて、そう簡単に覆りそうにない。ただ、飲み進めると、そのリキッドな果実味もだいぶ落ち着いて、こしのある、和菓子に相通じるみたいなクリュ・ボジョレーらしい手ごたえが、ミネラルを伴って響いて大変おいしい。で、慣れてくるとザラザラ感とツルツル感の合わさった感触ですいすい飲めてしまう。良いワインだった。
 
 ※翌日は、最初から和菓子っぽさ全開、リキッドな果実味よりも、コクがあって濃度の濃い、ミネラリーだった。凄いワインではないけど、栄養がつきそうな雰囲気だ。
 

【1542】Saint Cosme Little Basket Press Red (N.V.)

サン・コム・リトル・ジェームス・バスケット・プレス・ルージュ
 
 このワインは、おいしいジゴンダスをつくっているサン・コムの量販品なワイン。なんでもシェリーと同じような作り方だそうで、かえって興味がわいたので買ってきた。
 
 まず、見た目。かなり濃い、暗いワインレッド。とても活きが良いのか、グラスに注ぐとぴちぴちはねているようにみえる(良いワインは多かれ少なかれそうだけど、こいつは特にそうみえる)。香りは、梅系お線香のような香りがツーンと来る。すごくアルコールっぽくもある。あと、レーズン。干しブドウの匂いがするぞ。
 
 口に入れた第一印象は、まろやかで濃いワイン。すごく梅酸っぱい感覚がその後にこみあげてきて、パワフルだと感じる。ジャムっぽさがあるし、14%のアルコール濃度よりもやや酒っぽい匂いがするけれども、真っ直ぐなおいしさ。これは、そういうワインだと思うので、ガブガブっと楽しんだ。
 
 ※翌日も、濃くてジャムっぽくて大柄な飲み物。ほとんど昨日と変わらないのでは。でもって、濃さの割に妙に呑みやすい。つい、ごくごくと飲んでしまう。