北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1670】Lanson Champagne Black Label Brut (N.V.)

 
ランソン ブラックラベル N.V.
 
 このランソンは、大手が手掛けるシャンパーニュとしては安く、その割に意外と硬派な味わいで好きなワイン。長らく入手できていなかったので随分と久しぶりの対面。グラスに注ぐと、薄い金色のシャンパーニュ色で、泡が盛んにこみあげてくる。香りは、奈良漬みたいなやつがフワッと匂ったところにメレンゲ・トースト系の香りが加わってくる。そう、この奈良漬みたいなやつが硬派って感じでランソン然としている気がする。
 
 口に入れると、やはり奈良漬っぽいフレーバーを口のなかに感じる。その後から、シトラス&青りんごな酸味と果実味が。奈良漬フレーバーに似つかわしいどっしりとした重量を伴ったシャンパーニュで飲み応えがある。かといって飲み飽きることなく、食べ物と一緒にやって邪魔になることもない。大手の造り手のシャンパンはどれもよくできているけれども、ランソンも例外ではなく、また機会があったら出会いたいなぁと思った。
 

【1669】Chateau de Fonsalette Cotes du Rhone Reserve 2000

 
シャトー・ド・フォンサレット コート・デュ・ローヌ
 ※リンク先はヴィンテージが異なります
 
 二本目は、ローヌの赤ワイン。こちらもメーカー自体は相当なもの。
 
 ブルゴーニュ赤の後に見ると、さすがに濃い。ただ、そんなに不透明かというとそうでもない感じ。香りは、ひとつ前のものに比べるとつっかかってくるようなところがある。香木系統ではあるけれども、ニスみたいな揮発臭を帯びた有機化合物系の臭いが加わっている。「昔の歯医者のような」という表現も似合っているように思える。
 
 で、口に入れてみるとやはり濃い。タンニン強く、果実味もまだ残っていて、なんだかヨードみたいな匂いが口のなかに残る。このヨードって感じが歯医者っぽいのかもしれない。で、飲み進めるにつれて果実味がジュクジュクとしたジャムっぽさ、あるいは口のなかにまとわりつくべたべたした粘りみたいなものを帯びるようになってきて、手応えならぬ口応えが力強くなってきた。こちらも熟成ワインの良さがよく出ているのだけど、ひとつ前に呑んだルロワの平格ブルゴーニュに比べるとワインの濃さがしっかりと残っていて、いかにも「らしい」姿だった。
 
 このワインとルロワの余韻は帰った後もかなり残って、歯磨きをする時に、ワインの残り香を思い出すことができた。ありがたいありがたい。
 

【1668】Maison Leroy Bourgogne Rouge 2003

 
メゾン ルロワ ブルゴーニュ 赤
 ※リンク先はヴィンテージが異なります
 
 続いて飲んでみたのは、ルロワが作っている平格の赤ワイン。平格とはいえ、15年の歳月を経ているし、2003年はわりかし丈夫なので楽しみにしてみた。
 
 まず色。あまり濃くない赤ワイン色で透明感が高い。このあたりは、平格のブルゴーニュ赤として矛盾しない。香りは、いきなり香木~腐った切り株系。挑みかかってくるようなにおいではない。果実やチョコレートが匂い立つっていうより、発酵して香木~腐った切り株系にシフトチェンジが完全に終わっているような。平格でもここまで匂うのか。
 
 口に運んでみると、とても軽いワイン。果実味はこの時点ではあまり感じられず、平格の時間が経ったワインとしては、いくらかタンニンが残っている。とはいえ、それほどの渋みでもない。舌のちょっと奥にワインを転がしてゆっくり飲むと、このワインの香りが長く口のなかに余韻として残る。さすがのルロワか、穏やかでつっかかってくるところが無い。円満なやつだ。
 
 飲み進めると、果実味がしっかりとしてきて驚かされた。まだ果実味が残っているのか!きれいに熟成したワインだけど元気さの片鱗が口に残る、なかなかのワインだった。決して派手なワインじゃあないけど、隙の少ない仕上がり。平格としてはやたらよくできていて、さすがルロワおばあさんのワインといったところ。
 

【1667】Frederic Mabileau Chenin du Puy 2011

 
Chenin du puy 2014 - Domaine Frédéric Mabileau - Saumur Blanc - Frédéric Mabileau
 
 このワインは、以前にも飲んだことがあるやつで、一年ちょっと経過した後に再対戦するもの。確か、やけに人懐こいシュナンブランだったはず。
 
 まず見た目が以前と違う気がする。以前は「適度に黄色」だったのに、今回は「山吹色」。見た目だけだとムルソーのような、こってりシャルドネじゃないかと思ってしまう。香りも、初手では缶詰のアンズ、蝋燭、ハチミツみたいな感じで、シュナンブランのイメージから乖離している。
 
 口に入れても、その印象は変わらず。むしろオーソドックスな熟成シャルドネなんじゃないかというような味わい。甘味がたくさんあって、夕張メロンやバターが後味に感じられることさえある。なんだこれは。熟成しまくったシュナンブランって、こんなに芳醇なものになっちゃうのかと驚かされた。全開も蜜っぽかったけれども、こいつは蜜が更に深く踏み込んできて、リッチな白ワインと言いたくなる方面のものだった。おいしいかって? そんなの言うまでもない。
 

【1666】Terrasses de Guilhem Chardonnay Pays dOc 2016

 
ムーラン・ド・ガサック / テラス・ド・ギレム・シャルドネ [2016]

 このワインは南仏産のペイ・ドック規格のシャルドネ。グラスに注いでみると、ちょっと緑色がかった薄い色合い。香りは台所洗剤系のすがすがしさ重視で、シャルドネのなかでは軽量-爽やか型かと思った。
 
 ところが口に含んでみると意外と膨らむ。木樽かバニラか、そういう風味がしてメロンっぽい風味と柑橘っぽい味が合体したような。こういうのは、チリ産のシャルドネにはよくあるパターンで、個人的にはあまり得手ではない。酸味はそれなりあるんだけど、それを上回るメロン風味で、膨らみの大きさに酸や果実味がついていっていない感じがする。チリ産のシャルドネが好きな人にはお勧めできるかもだけど、そうでない人にはちょっと。
 
 ※二日目のほうが僅かに酸味が増したかもで、こっちのほうが飲みやすいと感じた。

【1665】Terrasses de Guilhem Pinot Noir Pays d'Oc 2016

 
ムーラン・ド・ガサック / テラス・ド・ギレム・ピノ・ノワール [2015]
 
 今日の夕食は骨付きチキンやシチューを中心としたもの。じゃあ、ハウスワインっぽい赤ワインでやりましょうってことで、南仏産のピノ・ノワールをあけてみた。
  
 まず見た目。まずまず明るく、ピノらしい色合いをしている。香りは梅系のやつがガンガン来て、ブルゴーニュの安いピノにありがちな皮っぽさはあまり感じられない。
 
 で、口に運ぶと梅系の風味に加えて甘酸っぱい果実がキューン!と来る。やけに果物然としていてフレッシュ、タンニンがそこそこあるけれども、それを気にさせないほど果実味で押してくるタイプだ。酸がしっかりしていて口当たりもまずまず。ブルゴーニュピノとは方向性がちょっと違うけれど、美味しいワインであり、すごくはないけど素直なワインだ。
 
 ※二日目もあまり性質が変わらない。ちょっとだけ、チリワイン系列にあるようなくどさが出てきたかもだけど許容範囲、ハウスワインらしいおいしさは健在。