北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1442】Calera Central Coast Chardonnay 2012

 
【正規品】カレラ セントラルコースト シャルドネ[2012]
 
 まず見た目。だいぶ黄色っぽくて白ワインとしては濃い部類。香りは、抜栓した瞬間に米糠&クッキーの香りがよぎったけれどもグラスに注ぐと蜂蜜クッキーと、少しトロピカルな黄桃~白桃系の香りが混入して相当においしそうに匂い立っている。
 
 口をつけてみると、シャッキリとした飲み心地で目が醒めるよう。少し冷やしすぎてしまったせいもあるかもだけど、背筋の伸びるようなすっきりとした味わい。それでいて、酸味が勝ちすぎてキツい感じでも無い(冷えてなかったらダレるかも?)。美味いシャーベットをほうばった後のようなスッキリ感の後に、じわじわ~っと黄桃とレモンの中間ぐらいの風味が立ち上がってくる。うん、美味いですよこれは。ただ、温めすぎるとだれそうなので、今回は冷え冷え路線でそのまま楽しむことにした。
 
 一年半前に同じお店で同じ価格で買ったボトルは酸っぱ味が勝っていて「よくできた平格ブルゴーニュ」のようだったけど、それから一年半が経って、このボトルは「ちょっとしたムルソー」のような顔つきに変化した!うわー熟成したなーという感じ。
 
 先日飲んだ値段の安いムルソー一級と比較すると、こちらのほうが少し単調で酸味が足りないような気がするけれども、値段が半分なことを思えば良い線まで迫っていると思う。
 
 ※二日目は、昨日の内容を基調としつつも、もうちょっとニュニュっとした乳酸っぽい丸さと石っぽい雰囲気が感じられた。これも悪くない。
 

【1441】RESSo Garnacha Tempranillo Catalunya 2015

 
レッソ・ネグレ 2014
 
 今日のワインはスペイン産の安そうなワイン。でも、テンプラリージョとガルナッチャには割と良い印象を持っているので、スペインっぽいワインならいいなーと思いながら抜栓。2015年産という、めちゃくちゃ若いワインなので渋みたっぷりな感じでしょう。
 
 グラスに注いでみると、やはり青紫色っぽさを帯びたダークチェリー色、かなり不透明。香りはくぐもっていてあまりグラスの外に出てこないけれども、ローヌの赤ワインみたいなジャム系のごっつい甘そうなエッセンスとお線香のようなエッセンスが感じられる。でも、あまり派手ではない。
 
 口に入れると、やはりジュクジュクの果実味が口に広がってすごくフレッシュ、酸味がしっかりしていて活きが良いと感じる。でも、さすがスペインワイン、後味になってくると焦げた醤油のような風味がこみあげてきて、タンニンと結びついて「きっつい」雰囲気になってきた。でも、これはこれでスペインワインらしくていいんじゃあるまいか。そこからはほとんど変化の気配が感じられず、なんだか一本調子。でも、スペインワインの濃くて新しい品だから、このまま翌日まで常温放置しておきましょう。明日はどうなっているでしょうか。
 
 ※二日目は醤油っぽさが少し気にならなくなって、きつさが和らいだ。飲みやすくはなったけれども、平々凡々とした飲みやすいワインになってしまったような。
 
 ※このワイン、安ワイン道場さん10月12日と被っている!同じ京橋ワインのセットを購入したと判ったので、これからしばらくは、あちらさんのレビューを楽しみにしていよう。
 

【1440】Castelli del Duca Colli Fiacentini Malvasia Secco Frizzante 2014

 
カステッリ・デル・ドゥーカ・マルヴァジア・セッコ・フリッツァンテ
 
 今日はポケモンGOのやり過ぎでくたくたになってしまい、そこでパンとパスタ中心の軽いものに。これに合わせるなら、気取らない、ビールのような感覚でいただける安スプマンテがいいでしょう。ということで、見るからに安そうなスプマンテ(というより微発泡だからフリツァンテ)を選んでみた。こいつは一応DOCで、「Colli Fiacentini」という地域のもの。この「Colli」からはじまる地域ワインには、マイナーだけどお値打ち品が多いように感じているので割と楽しみ。
 
 まず見た目。意外と黄色がしっかりしていて、液面に泡が広がるさまも粘りがあるっぽくて立派。ただ、微発泡というだけあって泡の量は少な目。香りは夏みかん~伊予かんぐらいの甘いかんきつ系果物の香りで、僅かにハッカっぽいニュアンスを含んでいるように感じられる。
 
 口をつけてみると、まさに伊予かんのような甘さ。八朔でも夏みかんでもなく伊予かん。つまり甘い。香りだけでなく口当たりにもハッカっぽいスースーした成分があって、微妙に薬草っぽい。この薬草っぽさを雑味とみるか、愉しみとみるかで評価が割れそうだけど、自分はこれが愉しいと感じられる。軽量級で、ずっしりとした苦みや重みはみられないけれども、フリツァンテはこれでいいんじゃないでしょうか。

【1439】Conti Zecca "Cantalupi" Salice Salentino Riserva 2011

 
Conti Zecca "Cantalupi" Salice Salentino Riserva
 
 今日の夕食はローマ風ピザをメインにした南欧風料理。だったらということで、南イタリアの安くて濃くておいしいワイン、サリチェ・サレンティーノを選んでみた。こいつは同種のなかでは少しお高い2000円以上の値段がついていた品、ちょっと楽しみ。
 
 グラスに注いでみると、なんだか凄く濃くて茶色い。不透明なワインで、黒々。香りは、ガルナッチャとモンテプルチャーノ・ダブルッツォの中間のようなお線香系の第一印象だったものが、鼈甲飴のような香りやセメダイン系の香りが加わってゴツい雰囲気に。凄いおいしそう。
 
 口をつけると、ビターでピーナッツっぽい、コクのやたらある口当たり。そこに、ほんのりと鼈甲飴&セメダインの香りがアルコール臭と共に駆け抜けていく。5年経ったワインとは思えないほどタンニンがびっしりで、我が家で普段飲まれる赤ワインよりもふっさふっさとしている。ピザとの相性は抜群で、ビターな風味が食欲をかきたてる。
 
 ただ、食後に飲み進めると、やけに重くてしんどい感じに。直球で濃くて、漆喰のような雰囲気さえ帯びているんだけど、それが辛いと感じる。最近、南イタリアのワインを飲み慣れていなかったせいかもしれないし、これは食事の友としてナンボってことでしょう。明日以降に持ち越しましょう。
 
 ※二日目。うへーきつい。昨日とあんまり変わらない。むしろ苦みとタンニンが厳つくなったような。撤収~!
 
 ※三日目。少し酸味が強くなって、荒々しさがとれてきた。これは結構いける。少しフランスワインぽくなった、とでも言えば良いのか。果実味、コク、ビター、酸味、やわらかな風味に少し苔系のオーガニック感が加わって、いくらか複雑にもなった。ということは、熟成させてナンボだったってことだろうか。でもこの価格帯の熟成なんて不可能だなー。庭に穴でも掘って一ダースほど埋めるしかない?
 

【1438】Charles Smith Family Vino Pinot Grigio 2014

 
Charles Smith Family Vino Pinot Grigio
 ※リンク先のヴィンテージはアップロードした段階では合っていますが、ずれていきそうです。
 
 フランスではピノ・グリと呼ばれている品種はイタリアではピノ・グリージョと呼ばれていて、これがフランス産よりも酸っぱくてチープで自分好みなんだけど、今回のワインは、物好きにもアメリカ人がワシントン州でわざわざピノ・グリージョと名付けて育てているもの。ちょっと楽しみな気持ちでスクリューキャップをあけた。
 
 まず見た目は、すっごく薄い白ワイン色。こいつは安ワインだ!それでも一応の黄色っぽさ・黄緑色っぽさはあって全く透明というわけでもない。香りは、初手では酸っぱそうな花畑系の香りがぶわっと吹き上げてきておいしそう。
 
 口をつけると強烈な酸味。ピノ・グリージョというだけあって流石に酸っぱい。もちろんワインは豊満なんだけど、こいつは風船のようなワインというか、口のなかで膨張感はあるけれども充実感が乏しいところがある。助けになっているのはフレッシュな酸味で、これが、かろうじて風船のようなワインの味と膨張感をつなぎとめているようなところがある。
 
 今日の夕食はブイヤベース主体のものだったけれども、これとは驚異的に合って、ブイヤベースを盛り立ててくれる(ブイヤベースがワインを盛り立ててくれるのではなく)。そして飲み進めていくと、苦みとスモーキーな口当たりがしてきて、ピノ・グリージョ的でなくピノ・グリ的な要素が露わになってきた。ここでも酸味は強い味方。ワインがかちゃかちゃにならないのは、酸味が骨組みになっているからだろうなぁと思った。
 
 ※翌日は、ちょっと安ワインっぽいかったるさを帯びてしまった。それも含めてピノグリージョらしいっちゃらしいけれども、お値段もそこそこなので喜んで良いものか、迷う。
 

【1437】Allegurini Valpolicella Ripasso "Corte Giara" 2013

 
Corte Giara Ripasso Valpolicella Allegrini
 
 今日のワインは、イタリア北東部ヴェネト州でアマローネをつくっているところの、リパッソ。リパッソはアマローネの「出涸らしでつくったワイン」、二番煎じみたいなものだと思っているけれども、二番煎じで良いワインなら一番茶は買うに値するものでしょう。前哨戦のつもりでレッツトライ。
 
 まず色合いは暗くて不透明、でも青紫よりは赤紫に近い色調。ここはそんなに特徴的じゃないんだけど、香りがとにかく「おがくず」っぽい。木の匂いはワインからよく漂ってくるけれど、こいつは飛びぬけて「おがくず」が来る。少し鼻が慣れてくると、熟した果実系の香りと苦い苦いコーヒーを予感させるものが来る。
 
 口に入れると、まず苦い!コーヒーを濃く入れて別の苦み成分(パフェの上に載っていることのある銀色のつぶつぶみたいなやつとか)を混入したような苦さが来る。ただ、この苦さに果実味が乗っているらしく、後味の段になると苦みと熟した果実味が長く残る。タンニンは予想よりは穏やかで、後味はとても長い。
 
 この苦さと果実味の控え目っぽさが、なんとも「二番煎じ」な雰囲気なんだけど、後味はなかなかパワフルで余韻が長く、後になるほど果実味が湧きあがってくる。暫く付き合っていると、ちょっと良いローヌのようなお線香混じりのフレーバーになってきて、これもなかなか嬉しい。このメーカーのアマローネはちょっと高価だけど、期待できるかもしれない。ご縁があったらお迎えしたい。
 
 ※二日目は、なんと苔のような風味がフワーっと吹き上げてきて、なんだか偉そうな雰囲気に。果実味も二日目のほうが甘酸っぱくて美味く感じられる。これはかなりアマローネっぽい。嬉しいですねぇ。アッレグリーニのワイン、また買ってみよう。