北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2386】Domaine du Pesquier Gigondas 2019

 
ドメーヌ・ドュ・ペスキエ ジゴンダス 2019
 
このワインは、安物でも結構おいしかったと記憶しているシャトー・ペスキエのジゴンダス。このワインにはシャトー・ペスキエではなくドメーヌという文字があるので、ぶどう栽培から直轄でやっているものと思われる。2019はジゴンダスとしては早すぎるのだけど、このボトルはなぜか数か月にわたってボトルが立った状態で放置されていたので、早めに抜栓をしたうえでチャレンジしてみることにした。
 
抜栓。まず色はごつい。真っ黒なワイン、不透明もいいところだ。香りはなかなかすごい。これは樟脳かな……。葡萄系果実もあるはあるけど、樟脳みたいな鼻がびっくりしそうなにおいと、肉っぽさ、それからアルカリ土類金属系、たとえばモルゴンにあるような匂いがする。亜鉛? いや亜鉛直球ともまた違う。でもこれはアルカリ土類金属か、一部の遷移金属のにおいっぽくもある。およそ、一般的には飲食物のにおいからはかけ離れている。
 
口に運ぶと、そのアルカリ土類金属みたいな風味が苦みとともにわっと来る。強烈だ! 次第に果実味が出てくるけれども、苦みとともにめちゃくちゃ濃い。タンニンもいっぱい。ところがそんなワインなのに案外口のなかでは辻褄が合ってきた。ジャムのごとき果実味と苦みや渋みが、なんと、ミルキーな風味でまとめられているようだ。まだ3年程度しか経っていないジゴンダスなのに飲めなくはない。そうこうするうちに、例の樟脳みたいな香りが次第に香水じみてきて、なんと薔薇のような香りが混じりはじめた! うへー、くさい! 自分はこの薔薇系香水の香りが苦手。とはいえ、ワイン愛好家的には、こういう香りがするのは得点であって失点ではないとされているように思う。好みの香りではないけれども、一般に、これはジゴンダスとしては評価できるポイントだと思う。
  
※翌日は、もう少し香りが和らいで自分には飲みやすくなった。反面、薔薇のような香りも少しトーンダウン。