北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2399】Escal Roja Tempranillo (N.V.)

エスカル ロハ ティントNVレセルバ ド ラ ティエラ ( 赤ワイン )
 
このワインは、ワインハウスタカムラさんで何かの折に買ったとしか思えない、安い値段のテンプラリージョ。で、テンプラリージョは比較的日持ちがするので濃い赤ワイン料理用に重宝したりする。今回も、牛肉料理に使ってそのまま暫く料理用赤ワインになってもらうべく、これを抜栓することにした。もちろん今夜はこれを飲んでみることに。
 
じゃ、ワイングラスにじゃぶじゃぶ注いでみましょう。ショッキングピンクのような蛍光色がどこかに潜んでいるような色彩。赤と黒だけでなく、紫色がこのワインには溶け込んでいる。黒々としたワインではあるけれども、最近に飲んだカベルネソーヴィニヨン系のワインたちに比べれば透明度はあるかもしれない。香りはプラム系、カベルネソーヴィニヨンから杉やミントの香りを抜いたような香りに、古くなった醤油のようなやつが混じっていていかにもテンプラリージョ的だ。別にいいんじゃないでしょうか。
 
口に運んでみると、香りの次元で古くなった醤油がわっと広がった! このニチャアっとした感じ、飛騨で売られているみたらし団子(醤油味)や五平餅みたいなやつ! ワインはなかなか充実感があって、タンニンは豊富ながらこなれていて、これが醤油味やコクと溶け合ってなかなか良い雰囲気になっている。果実味がないわけではないけれども、そうした風味のおかげでえらく肉厚なワインで、液体を飲むというより液体を食べているかのようだ。何口か飲むと、そうした印象がじゃぶじゃぶした果実味にだんだん打ち崩されていくところはあるにせよ、肉厚なところでまとまっていて、なかなか面白い。テンプラリージョの欠点が現れているというより、テンプラリージョの性質を利用してステーキみたいな赤ワインをつくりました、といった感じ。安物だけど、これはいいワインだと思う。出会うことはなかなかないかもしれないけれど、出会ったら購入はアリ。