北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2400】マンズワイン株式会社 "ソラリス" 千曲川カベルネ・ソーヴィニヨン 2017

 
ソラリス 千曲川 カベルネ・ソーヴィニヨン 2017年 マンズワイン
 
このワインはマンズワインが誇る"ソラリス"シリーズのひとつ、カベルネ・ソーヴィニヨンのワイン。
 
まず抜栓。いきなりすごい音を立てて、なんと中身がちょっと吹きこぼれた。これは良くないサイン。コルクの裏はめちゃくちゃ濃厚な紫で、とてもいい感じなのだけど。グラスに注ぐと、黒々として不透明な、できの良いカシスリキュールみたいな色をしている。香りは、初手では甘いチョコレートのような香りとバニラが来たけれども、すぐにカベルネ然とした、スギの木や入浴剤みたいな爽やか&木目系の香りを伴うようになった。両者は拮抗していて、どちらもいい塩梅に香ってくる。
 
口に運ぶと、真っ先に来たのは酸味。こう言ってはなんだが、まるで安ボルドーのある種の類型のように酸味がある。ただ、鋭いというほどの酸味ではなく、後味はまろやかだ。カベルネソーヴィニヨンらしい落ち着いた飲み心地は健在、しばらく飲むと、焦げた飴みたいな甘さがよぎる瞬間もあって、それも良い。新世界のこてこてのワインたちに比べると細身で、魅力いっぱいという感じではないけれども、細身なりのバランスがあり、舌触りや酸味のがさつさは少ない。強みで一点突破するワインでなく、減点法で減点すべき点の少ない、円満なワインを志向しているとみた。
 
※翌日。相変わらず角の立たないワイン、円満なワインだ。ごつい個性は望むべくもないけれども、一定の集中力をも伴った紳士的なワインだ。そのぶん、個性が捉えやすいとは言えない。それでも丁寧なつくりだとは思う。日本ワインのイメージとも合致する。