北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2456】Domaine Robert Sirugue Bourgogne Cote d'Or Pinot Noir 2020

 
ドメーヌ・ロベール・シリュグ ブルゴーニュ コート・ドール ピノ・ノワール
 
まず見た目。えらく濃くて、透明度が低い。ボトルをずっと縦にしてキープしていたので澱は落ちているはずなのに、まだ不透明な感じがする。光に透かしてみれば、まあ輝いているっちゃ輝いているからピノ・ノワールと言えなくはない、が、ブラインドで出されたらこれはわからないぞ。
 
では香りを確認。めちゃくちゃ気持ちの良いベリーの香り&チョコレートの香り&化粧品の香り。この化粧品の香り、デパートの一階のような香りがよぎるあたり、やっぱりいいですね。全部がとけあってとても気持い香りが初手からバンバン来る。少し、獣っぽい香りもこいつには混じっているかもしれない。これで平格ブルゴーニュですよ?ブルゴーニュにはこの上に、村名格、一級、特級があるんですよ、どうなっちゃうんでしょうかと思う。
 
口をつけてみると、香りそのままのやつが口のなかに広がり、ベリー、それから森の風味が追いかけてきた。タンニンは可もなく不可もなし。ここにも獣っぽさがあり、ひいては、平格ブルゴーニュによくある革っぽさが顔をのぞかせる。しかし香気はますます高まり、半分、(先日すごく旨いと感じた)メルキュレのようだ。というかメルキュレの美味さや森っぽさに平格ブルゴーニュ(ひいてはコート・ドールの赤ワインたち)に期待される上品さが乗っかっている。一級や特級にはかなわないとしても、コート・シャロネーズ所属のメルキュレを仮想敵とみなすなら、互角以上の戦いをしているし、そこらの赤ワインを相手取ってもこいつは負けないんじゃないだろうか。ただ、飲み進めた時の余韻の長さはそこまで目立たない。そこまで求めるとなると、もっと上位にお出ましいただくしかないのかも。とはいえ、そこまで望むのはぜいたくというもの。
 
※翌日は、個別の要素が溶け合うようになり、ワインがより円満で滑らかな、いわゆる球体のようなワインに近づいた。もちろん複雑さは特級などには及ばないので、それに比べれば小粒だけど、実に調和がとれていてうまい。平格ブルゴーニュでこれだけ旨ければ文句はない。ただ、その旨さにみあった価格になってしまっているのでお買い得とは言えない。