北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2533】Domaine Francois Carillon Savigny les Beaune Rouge 2018

 
フランソワ・カリヨン サヴィニー・レ・ボーヌ ルージュ [2020]
※リンク先はヴィンテージが異なります
 
このワインは、白ワインのほうが有名なフランソワ・カリヨンが作っているサヴィニ・レ・ボーヌ。これをゲットした頃はまだ安かったのに、もうこんな辺鄙(?)なワインまで値上がりしてしまっている。
 
グラスに注いでみると、ちょっとあんこ色がかった、あか抜けないピノ・ノワール色。今時の、やたら濃かったりキラキラしたりしたピノ・ノワールの色でなく、ひと昔前のブルゴーニュ赤ワインっぽい色だ。香りは……うん、いいね! まずアセロラ~ピンクサクランボ系の新鮮で甘酸っぱそうな香りがしゅわーっと香り立つ。森の切り株や革製品を連想させるフレーバーも含んでいる。同社の平格ブルゴーニュ赤と比較すると、はっきりと新鮮さ、爽やかな鮮烈さにおいて異なっている。
 
口に運ぶと、アセロラサクランボが大炸裂だ。さわやかー! ここに革製品のようなコクと森の切り株風味、いくらかの苦みがあるのだけど後味の次元でよく調和されていて、初手から統一感がとれている。このワインも柔らかさに恵まれ、口のなかでぺたぺたと何度も楽しみたくなるような味だ。ああーブルゴーニュ赤ってうまいなー、なかでもこのワインは果実の新鮮さ、それに少しだけグリーンな森のフレーバーが伴うようなタイプのうまさだ。それってサヴィニ・レ・ボーヌに期待すべきフレーバーとして合格じゃないか。
 
軽い豚肉料理と一緒にいただくと、少し酸味優位になって食事のお供となる感じだけど、それもまた良し。比較対象は、コート・ド・ニュイの有名作り手の絹のような平格ブルゴーニュではなく、フェヴレが作るメルキュレシリーズではないだろうか。でもって、当然これはメルキュレの平格を凌駕し、一級たちと比較してどうなのかが問われる品だろう。並べて比較したわけじゃないから断言はできないけど、たぶん、こいつのほうが上なんじゃないだろうか。しかし逆に言えばフェヴレのメルキュレ一級シリーズはこのサヴィニ・レ・ボーヌの村名格ぐらいの力はもっているのやもしれない。なんにせよ久しぶりのブルゴーニュワインが旨くて良かった。
 
※翌日。ショーヴネ・ショパンなる作り手のニュイ・サンジョルジュ一級と比較。香りはこちらのほうが素朴ながら、新鮮さ、目のさめるような赤系果実でいっぱいの元気さはこちらのほうが上。村名格とはいえ、サヴィニ・レ・ボーヌにはサヴィニ・レ・ボーヌの良さがあるんですよと主張してやまない。そしてこちらにはこちらにしかない香料み、白檀みたいなやつが今日は鼻をよぎる。ハッピーなワインだ。