北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1704】Bellingham Homestead Shiraz 2016

 
ベリンガム ホームステッド シラーズ 750ml 赤ワイン
 ※リンク先は現行ヴィンテージです
 
 このワインは、南アフリカでつくられたシラー。なんとなくチープな雰囲気のボトルだけど、果たしてどんなものでしょうか。
 
 まず見た目。すっごく不透明で真っ黒なワインレッド。シラー(ズ)らしい感じがして、すごくベトベトと粘性度が高い。香りは、梅ジャムにチョコレートを混ぜたような香りに、檜風呂系の入浴剤のフレーバーを足したような。檜風呂系が強いんだけど、そこからもっとオーガニックで森林めいた匂いがわざとらしいほど込みあがってくる。凄い匂いだ。
 
 口に入れてみると、アタックは意外におだやか。柔和な果実味を分厚いコクがホールドしている感じ。すごくコクがあって、タンニンの分厚さ、シラーズ由来の果実味と酸味をグッと支えて分厚い飲み心地をつくりだしている。フランスのシラーと比較しても、肉厚、まるで食べ物のようなワインだ。なかなか美味いんだけど、これはゆっくり飲まないと参ってしまいそう。アルコール度数も堂々の14%、クラクラしそうなでかぶつワインだ。
 
 ※翌日。肉厚な感じが減って酸味が勝るようになってきた。昨日の状態が怪力的だったのに対して、こちらは割と普通のシラー。初日にみんなで飲むのが吉なのかもしれない。

【1703】Joseph Drouhin Bourgogne Aligote 2016

 
メゾン ジョセフ ドルーアン アリゴテ
 ※リンク先は現行ヴィンテージです
 
 今日のワインは、ブルゴーニュ大手、ジョセフ・ドルーアンが作っているアリゴテ。アリゴテは、ブルゴーニュ産のワインのなかでは脇役、絢爛さも複雑さもあまり感じられないけれども、普段飲みワインとしてはすこぶるバランスが良くてさっぱりしていたと思う。こいつもそうであって欲しいと思いながらコルクをぬいた。
 
 まず色合い。薄い白ワイン色なんだけど、見ようによってはテカりがある。で、粘性率も意外と高い。香りは、すごく爽やかでラムネ~炭酸っぽさを帯びた花の中心部のような匂いがする。自分がよく知っているワインのなかでは、イタリア南部のカンパーニャ州の白ワイン(グレコやフィアーノとかそういうの)の香りにむしろ近い。
 
 口に入れてみると、炭酸っぽさにふさわしい、スカッシュ!な感じの酸が来た。このあたりもカンパーニャ州の白ワインに似ている。ただ、このワインにはそれらと違ってコクや濃さがあまり無い。もっと軽いところに重心があって、爽やかさに徹しているところがある。それと、炭酸スカッシュな感じに「おしの強さ」が伴っていないためか、なおさらラムネっぽさがある。それと、どこかタマネギっぽい風味がついてまわっていて、これが、あちらと随分違っていて、今までに飲んだアリゴテを思い出すところでもある。
 

【1702】Golan Heights Winery Hermon 2016

 
ゴラン ハイツ ワイナリー ヘルモン 2017
 ※リンク先はヴィンテージが異なります
 
 このワインは、白ワインが異様においしいイスラエルのワイナリーのもの。赤ワインは期待していないながら、様子をみるために一番安いブレンドワインを買ってみた。
 
 見た目は不透明で暗い赤ワイン色。で、香りのほうはあんこと杉と線香と甘い香りで、ボルドー系のせぱーじゅって感じがする。それと香料系が僅かに混じっていてなかなか面白い。
 
 口に入れると、穏やかな飲み心地。ボルドーの多くの赤ワインよりも糖度が高いのか、甘さが口にひろがり、あんこの風味と相まって口が緩むような感じ。タンニンはあるけれども、それを上回るおおらかな風味。なおかつ、杉やインクのニュアンスもしっかり喉に流れ込んでくる。
 
 グラス2杯目ぐらいになると、果実味が強まって、まるで良いローヌのワインのような雰囲気を帯びるように。苦みやオリエンタルな香料気分もいや増して、展開のあるワインという風情になってきた。蜂蜜風味さえ帯びている。ボルドーの熟成ワインのコピーとはちょっと方向性が違うかもだけど、これはこれでバランスのとれた面白いワインではある。さすが、ゴランハイツワイナリー。残した半分の明日の様子も楽しみだ。
 
 ※翌日。少しメルローっぽいピーマンが漂うようになり、と同時に森の下草みたいな、ちょっと熟成路線にシフトした。昨日ほど甘味メインではない。これもこれで悪くはない。いいワインだった。
 

【1701】Cono Sur Organic Sauvignon Blanc 2016

コノスル ソーヴィニオンブラン ヴァラエタル
 
 コノ・スルのオーガニックは味が濃い感じがして得意ではないけれども、ソーヴィニオン・ブランという、割と尖って苦手な品種なら逆に良いんじゃないかと思って選んでみた。
 
 まず見た目。爽やかな白ワイン色で、ソーヴィニオン・ブランというより、安いブルゴーニュ白ワインやソアーヴェを思わせるような感じ。香りは品種のテンプレどおり、黄桃のような匂いとヨモギ団子のような甘くて薬草っぽい匂い、そこから畳のような匂いに変わってくる。
 
 口に入れると、畳の風味が口いっぱいに広がる。そこからピーマンが飛び出してきて、とても野菜野菜している。もっと甘くてトロピカルな「オーガニック」かと思いきや、初手では別の「オーガニック」が出てきてびっくりさせられた。それでも旧世界のソーヴィニオン・ブランに比べると肉厚で圧が強い。妙な表現だけど「重厚な、どっしりとしたソーヴィニオン・ブラン」だ。こんなのもあるのか。
 
 ※翌日になると、あの野菜っぽさが弱くなって旧世界のソーヴィニオン・ブランにぐっと近づいた。こっちのほうが食事には合わせやすそう。ただ、このワインの唯一無二の個性は退いた。良し悪し。
 

ワインの記録が1700回を超えた

 

 
 今更なんだけど、最近、「シャルドネって最強の白ワインじゃね?」とまではいかなくても「シャルドネの世界を巡っているだけで一生必要なんじゃね?」的な気持ちになることが多くなった。もちろん、リースリングの高級品とか、イタリアの土着白ワインにも心惹かれるのは変わらない。でも、シャルドネという品種の柔軟さ、節操のなさをもっと知りたいと思うようにもなった。
 
 本家ブルゴーニュシャルドネだけでも、さっぱりとした口当たりと爽やかな美味さでバランスを取った平格&マコン型、とにかくミネラルがあって細身のシャブリ型、ふっくらとして人をたぶらかすムルソー型があって、新世界のシャルドネだって、バター味の豊かなタイプ、フランスに近いバランスタイプがある。チリワインのシャルドネは完全に独立した世界のように感じるし、南仏やシチリアシャルドネはトロピカルで肉厚なやつが多い。で、イタリア中部~北部でつくられたシャルドネは、うまく言えないんだけど、フランス型のようでやっぱり違うような気がする。
 
 こんなに有名なぶどう品種だのに、こんなに表情が違うワインができあがるシャルドネは、なんてワイン初心者泣かせなんだろう。こいつのせいで、「ワインはとらえどころがない」って諦める人もいたりするんじゃないだろうか。さりとて、各地のシャルドネの典型をみんなが知るなんてこともなさそうだし。
 
 シャルドネは間違いなくおいしくて奥の深いワイン品種だけど、「俺が好きなシャルドネ」の個人差も大きそうな品種だ。「みんなで一番好きなシャルドネを持ち寄りましょう」会をやったら面白そう。自分なら……酸っぱくて清々しい匂いのするやつを持ち寄りたい。
 

【1700】Festivo Reale Tiara Spumante Demi-sec (N.V)

 
www.vivino.com
 
 このスプマンテボローニャの近くでつくられたものだそうで。品種は「トレッビアーノ・ルビコン」、トレッビアーノ系ってことは割とゆるい味なんじゃないかと想像される。ざっくりと飲んでみましょう。
 
 まず、グラスに注いだ見た目は、細かな泡がゆっくり立ち上り、スプマンテにしてはマシなほう。香りは、意外にもメレンゲのような匂いがふわっと鼻をよぎった。これもマシなほう。
 
 口に入れてみると、ほんのり甘味が漂うながら、酸味がこれまた意外にもある程度あって、飲めないほどひどくない。スプマンテらしい軽いつくりだけど、シャンパン以外のDemi-secにありがちな地獄生温い甘味感は乏しく、軽いところでさっぱりとした飲み口でまとめられている。苦みや重みがないのでカラッカラのワインだけど、スプマンテってそういうもので、へたにシャンパーニュや新世界のスパークリングワインのマネするよりはよほど良いように思う。これは、こういう飲み物。