北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1679】La Pousse d'Or Volnay 1er Cru En Caillerets 2011

 
プス・ドール ヴォルネ 1er Cru エン・カイユレ 2011
 
 先日、ダンジェルヴィーユさん家が作っている「ヴォルネ カイユレ 2011」が信じられないほど精巧に出来ていてびっくりしたので、じゃあ、他の家が作っているカイユレ 2011ってどうなんだ?と思って急遽セラーの片隅にいたこいつを持ってきた。直近では2017年の夏に飲んでいて、そのときの印象は「二日目のほうが良い、二日目に芯のあるところが見えてくる」だったけど、ダンジェルヴィーユのカイユレは初日からバッチリのワインだった。果たして、これはどうなるのか。
 
 まず見た目。ダンジェルヴィーユのものよりも濃い。朱色というのはちょっと黒っぽいとも感じる。香りは、サクランボのような果実の香りがツーンと鼻をぬけるようで、その後ろからチョコレートが追いかけてくる展開。もうもうと香ってくる。でもって、なんと初手から「猫柳や桜の木の枝を引きちぎった時に感じられるような精気」が感じられる。これを連想するのはダンジェルヴィーユの時にあったからかもだけど、こいつからもそれを感じる。2017年の夏に飲んだ同じものとは同じとは思えない。ものすごく面白そうな匂いだ。
 
 口をつけてみると、初手から酸味が強い。ヴォルネにしてはタンニンが多いほうで、重量級では決してないけれども軽々としているとは言えない。酸味がうるさいなーと思いながら口のなかを転がしてみると、それなり愛嬌はあるけれども、2011の作柄がそうなのか、淡い紅色果実系の甘みが中心。苦みとの調和は悪くないけれども、そんなに秀でているというほどでもないかもしれない。
 
 ※翌日。すごく果実味がおおらかになって、飲んでいて幸せな、エンジョイなワインになってきた。精気もそれなり籠っている。ダンジェルヴィーユとは作風こそ異なるけれども、これはこれで悪くは無い。ワインをすする際に森の苔のような風味や、野イチゴのような雰囲気がこみあげてくることもある。期待していたのとは異なるかたちだけど、嬉しいワインになってくれた。