北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2432】Luigi Righetti Amarone della Valpolicella 2017

 
アマローネ デッラ・ヴァルポリチェッラ ルイジ・リゲッティ 2017
 
今回いただくワインは、コスパに優れたイタリアはヴェネト州の基礎的なアマローネ。昔からひいきにしている品で、2020年にも対峙記録がある。とてつもないワインではないかもしれないけれども、アマローネとしての美味さは十分にあって、リッチで立派なワインなのにまだ高騰していない。楽しみにしていた一品だ。
 
まず見た目。なんとも黒々としていて、濃さのレベルが並みの赤ワインよりずっと上。グラスを光に透かしてみると、透過性がめちゃ低いことがわかる。香りは、こけももチョコレート! チョコレートがたっぷり香ってくるのに加え、こけももと言いたくなる、ちょっと森っぽさを伴った果実フレーバーが伝わってくる。それと少し白コショウっぽいかもしれない。
 
口をつけてみると、意外にも初手で目立ったのは酸味。うわーこんなに酸っぱいワインだったか? その酸っぱさから数秒後、「アマローネ」の名にふさわしい苦みがじわじわーっと口のなかに広がり、次いで結構しっかりとした渋みがやってきた。今回、アマローネとしては若飲みなので渋みがしっかりしているのはしようがない。濃縮系ワインなので当然濃いのだけど、その濃さは、酸味、苦み、渋み、果実味あたりに反映されていて、コクがあるとか(ジュヴレ・シャンベルタン的な)広がりがあるとか、そういったものは感じない。抜栓直後は、その濃さと香りがあまり調和しておらずガチャガチャしていると感じられる。
 
しかしそう感じたのもはじめの1時間ぐらいで、次第にチョコレートの香りと味が深まり、そのチョコレートが統一感を提供してくれる。果実味も長い余韻を残すようになり、ますます濃く、それでいて飲みやすさはどんどん高まっていく。鉄っぽさもあるか。アマローネはヴィーノ・ダ・メディタツィオーネ(瞑想のワイン)といわれるけれども、まさにそんなワインだ。幸福だ。
 
※翌日も、前日の続きというべき風味がしっかりとあって飲みごたえ満点、風味のバリエーションもなかなか豊か。ただ濃いだけのワインではない。やっぱりお買い得のアマローネだ。アマローネを飲んだことがない人の入口として、これはアリだと思う。これがいける人はもっと上位のアマローネに挑んで後悔ないのでは?