北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2639】Stellenrust "Mothership" Chenin Blanc 2022

 
ステレンラスト アーティソンズ マザーシップ シュナンブラン 2022
 
このワインは、ステレンラストのシュナンブランの格上バージョン。名前がマザーシップなのが面白い。
 
まず、色が通常版シュナン・ブランとはだいぶ違う。こちらは黄金色がかっていて、まるでシャルドネなどのようだ。香りは、蜜のニュアンスがとても強く、そこにパパイヤだけでなく、枇杷のような別種の果物のニュアンスを感じる。いや、枇杷と比喩しちゃいけないんだろうな、でも何かだ。
 
口に運んでみると、えらく落ち着いたたたずまいだ。あちらがパパイヤと酸味をぱーっとみせてきたのに対して、こちらは初手からどっしりと構えていて重心がかなり低い。もちろん、ワイン重たくてぶざまだと言いたいのでなく、ちょっと鎮静力さえある飲み心地がいいのだ。蜜や枇杷?のニュアンスも面白く、魅力的で、後味には酸だけでなく肉系果実のニュアンスもしっかりと伴っている。ミネラル味もあって、豪華なだけでなく、みっともない感じがしないのはとてもいい。舌ざわりもなめらかで、ひたひたと旨味がのどをひたしていく。これは、通常のシュナン・ブランに戻ったらがっかりしちゃうんじゃないだろうか。
 
ちょっとかわいそうだけどピザに合わせてみると、そこではちゃんと食べ物と歩調を合わせてくれて、でしゃばるでないのも〇。もっと質の高い食事に合わせてもたぶん大丈夫なんじゃないでしょうか。口が肥えてしまいそうなワインだ。
 
※翌日は、メンチカツとかもう少し普通のおうちごはんに合わせたんだけど、これもうまく付き合ってくれる。鎮静力は少し弱まったけれども、舌ざわりはあいかわらず良く、クリーミーですらある。それでいて酸は鋭く、やはり口が肥えてしまいそうなワインだ。