北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2417】Emilio Bulfon Scialin 2021

 
シャリン[2021]年 蔵出し エミリオ ブルフォン家
 
このワインは、イタリア北東部はフリウリの、マイナー土着品種・シャリンで作られた白ワイン。過去にも対戦成績があり、妙に落ち着いた飲み心地だったりニラなどの植物系の風味が強かったり、なかなかだったと記憶している。で、今回のこれは2021とヴィンテージが特に若い。この若さが吉と出るかどうか、確認してみよう。
 
まず色。白ワインでも薄いほうで、麦わら色ぐらいにみえる。香りは、初手でははっきりしない。口に運ぶと、苦みを伴った酸味が来る。でも、この酸味は刺すようなものではなく、菖蒲のような植物フレーバーを伴っている。かといって、シュナン・ブランなどに比較するとアゲアゲの飲み物ではなく、相変わらず、しっとりとした飲み心地で白ワインにしては珍しい鎮静力を持っている。今日の夕食はパン食だったのだけど、パンや肉料理と共にあると、まさに菖蒲っぽさのある酸味が爽やかに駆け抜ける。単体で飲むと洋ナシに苦みを添えたような、よく知られているフルーティーな白ワイン(南国系シャルドネソーヴィニヨン・ブランなど)とも明らかに違った、なんとも美味い味がする。そこにパパイヤも混じって、にも関わらずこのワインはやっぱり鎮静系で、白ワインを飲む割にはアッパラパーにならずに済むのだった。
 
※翌日は、なおも落ち着いた飲み心地ながら菖蒲っぽさが少し薄らいでしまった。いくらか普通の白ワインに寄ってしまった感はある。