北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2620】Stellenrust "Old Bush Vine" Cinsaut 2020

 
ステレンラスト サンソー ”オールド ブッシュ ヴァイン” ステレンボッシュ
 
このワインは、南アフリカでつくられているサンソーの品。サンソー? あまり注目されることのないワインだけど、そういうものも手をつけてみたいと思って選んでみた。南アフリカ産なので大きな間違いはないはず。
 
まず香り。はじめに連想されたのはコケモモ。いや、本当にコケモモってこんな感じだったかと言われるとさて。とにかく、よくあるプラム系の香りとも、バニラ系の香りとも違う、もっと赤紫色の果実を連想したくなるような酸っぱそうな香りが森のなかでにおってくる、そんなイメージの香りだ。
 
口に運ぶと、香りとは裏腹にあんまり甘くない! このワインも酸が穏やかなんだけど、その穏やかな酸の余韻はかなりのもの。穏やかな酸が長く続くのって気持ち良いよね! タンニンの質感もいい。そのせいかワイン全体がすべすべ・つるつるとしていて、その舌ざわりがまたいいのだ。果実味は、その穏やかな酸とよく馴染んだアセロラ系・赤系果実みのある淡いやつ。シャサーニュモンラッシェの赤ワインと言ったらほめ過ぎだけど、そういう連想をしたくなるところがある。果実味・酸味・舌ざわりがそういう感じだから、このワインは紳士的でもあり、ちょっと鎮静力もあるかもしれない。マイナー品種のワインながら、とても面白く、販売価格を上回る内実を備えた優れモノだと思います。
 
※翌日は、初日ほどの切れ味はなかった。でも穏やかな飲み物だし、コクのあるさまと赤系果実が溶け合っている感じは悪くないものだった。