北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【0157】Jermann Traminer Aromatico 2007

イエルマン トラミネール アロマティコ

 
 イタリア北東部の白ワインのなかでも、このJermannというメーカーはお気に入り。今回のワインは、そこが出しているトラミネールアロマティコ(ゲヴェルツトラミネール)を呑んでみることにした。
 
 色合いは、僅かにグリーンの入った白ワインの色。濃くもなく薄くもなくだけど、なんとなく緑色のニュアンスが強いと感じた。匂いは、蜂蜜とライチとメロンが即座に連想されるようなムチャクチャ甘い匂いで、からみつくように後を引く。
 
 味のほうは、メロン、苦み、ライチという順番で知覚されて、長く長く蜂蜜が尾を引く。香りがそのまんま液体になったような。非常に軽やかなワインで、コクや苦みとはあまり縁が無い。けれども、唾の出てきそうな鉱質風味を伴っていて、ひたすら味と匂いが甘いだけのワインというわけでもない。舌に残るトロみと甘さ、顔にまとわりつくような甘い香りがとにかく凄い。あたかもデザートワインのような感覚で呑めてしまって、度数が13%というのが俄には信じられない。実際にはヴーヴクリコの白ラベルなどに比べれば甘くなく、ある種の清涼感も持ち合わせているけれども、匂いと風味でガンガン押してくる。
 
 白ワインの正統な味覚からみれば「外道」かもしれないけど、もともと甘口大好きな自分としては、これは「アリ」。甘口白ワインは好きだけど辛口はちょっと…という人が、アスティドイツワインの次に選ぶべきは、このワインぐらいのテイストじゃなかろうか。アスティ→このワイン→他のゲヴェルツトラミネール という手順を辿れば、段々に辛口ワインの良さにも馴染みやすくなりそうだな、とか思いながら全部呑んでしまった。