北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【0032】Ornellaia Le Volte 2007

 
オルネライア レ・ヴォルテ 2007
 



  前回の赤ワインがかなり苦しい一本だったので、今回は安全志向で。有名どころの手によるデイリーワイン。2400円でゲットしたもの。インターネット上では2000〜3000円が相場のようだ。
 
 空けてすぐの匂いは、コルクか樽由来とおぼしき、檜の入浴剤的な香りがツーン。しかし諦めずに鼻をクンクンさせていると、好ましい葡萄臭がじんわり漂いはじめ、檜入浴剤系の香りと混じり始めた。チョコやバニラのような匂いにも気づいて、だんだん好印象に。
 
 味は一口目から、大変円やかでジューシー、それでいてヘニャっておらず初手から力強い。ものすごく好みの味だ!厚みのある飲み物を飲んでるぜ!という実感を裏打ちするかのように、舌の上には僅かにバターっぽいニュアンスが残る。とはいえいつぞやのワインとは違ってバターっぽさが出しゃばるでもなく、苦みや葡萄のフルーティーな味と上手に共存している。後味もかなりのもので、悪くない程度の苦みと酸味をバター風味が上手にまとめてくれている感じ。全体のバランスが非常に良いワインだ。有名どころのデイリーって、こんなに美味いのか。
 
 いったん呑み始めると、匂いはあまり目立たなくなってきたが、味のほうはますます重く力強く美味しくなってなってきた。開栓後1時間〜3時間までは、ひたすら上り調子。値段を考えれば、なんとも楽しい経験をさせていただいた。
 
 ちなみに、半日ぐらい経ってから残った200mlほどを呑んだところ、力強さは失われ、気まずい酸味が混じり始めていた。どうやらこのワイン、短距離走者だったらしい。でも、デイリーワインだということを考えるなら、開栓から美味しくて3時間までが飲み頃のほうが都合が良いわけで、とてもよくできた一品だと思う。2〜4人ぐらいのディナーのお伴には、たぶん最適なのでは。