北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1658】Prunotto Barolo 2009

 

 ※リンク先はヴィンテージが異なります
 
 このワインは、若干知名度があり、お値段もそこそこで、ヴィンテージもまずまず古いバローロ。デキャンタして、二日目メインでいただいてみることにした。
 
 色は、オレンジ色がかっていて赤レンガじみている。それでいてカベルネメルローなどよりずっと薄い。バローロバルバレスコの品種、ネッビオーロらしい色をしている。香りは、意外なほどチョコレートやバニラの風味が強くて、オーク樽使っているのかな?と思いたくなるような。その後ろから、湿った雰囲気を伴って、赤色系果実の匂いも漂ってくる。
 
 口をつけると、きっついタンニンを伴った、とても苦みも強いやつが来た。果実味やチョコレート風味といった、飲む者を甘やかす風味もあるはあるけれども、それを追いやる強いタンニンと苦み!タンニンが上顎にびっちりこびりつくような強さがある。バローロは長熟と言うけれども、これ全然早かったんじゃないか。
 
 ところが、数時間ほど放置してから飲むと、桃のような果実味を帯びるようになってきて、飲み心地に温かみが伴うようになってきた。この、温かい飲み心地はバローロバルバレスコには比較的ありがちなもので、とりあえず長所だと思う。それと太い喉越し。ある種のキアンティ・クラシコや(ブルゴーニュ北部の)コート・ド・ニュイの高い赤ワインにありがちな男性的な感じではなく、包容力のある野太さがあって、とてもふっくらしたものを飲んでいるという喜びがある。このワインは香りや匂いではブルゴーニュには全く及ばないけれども、とにかく鷹揚なのは長所だと思う。たっぷり残して明後日へ。
 
 ※二日置いてみた。口当たりが少し円やかになって、最初から赤色果実系の風味がしっかりある。包容力はあいかわらずで、そこに、(長熟した赤ワインにあるタイプの・決してシャルドネ系のものではない)メロンっぽい風味が伴うようになってきてリッチ感が出てきた。香りがどんどん揮発性を増して、トーンの高い風味になってくる。おお、これぞネッビオーロ。納得できる一本となった。