北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1936】Produttori del Barbaresco Barbaresco "Muncagota" 2008

 
バルバレスコ リゼルヴァ ムンカゴタ 2014 プロデュットーリ デル バルバレスコ
 ※リンク先はヴィンテージが異なります
 
 こないだ、バルバレスコの前座としてランゲ・ネッビオーロを飲んでみたけれども、今日は本命のバルバレスコ。メーカーは手堅くバルバレスコ協同組合、それなり歳月を経たものを引っ張り出してきた。この”Muncagota”という畑は初めて。昔はモッカガッタという呼び名だったものが、方言に忠実にムンカゴータになったとか。
 
 まず見た目。先日のランゲ・ネッビオーロに比べてはっきりと赤茶色が濃い。透明度は高いけれども赤茶色が深くないわけでもない。で、香りはアーモンドがすんごい勢いでにおいたち、グラスに鼻を近づけると、アーモンドの香りをかきわけてニスや香料や腐った切り株のような香りが漂ってくる。だけど第一印象として、とにかくアーモンドを押してくるのが面白い。
 
 口に含むと、すんごい香料、すんごい果実味。この香料&果実味は、まるで少し値段の良いシラーみたいだ! タンニンがまだしっかり残っていてなかなか渋く、果実味はミルキーでありつつ舌ざわりがザラザラしていて、お汁粉やぜんざいのようでもある。酸味はもちろんしっかりしているけれども、その酸味がぜんざいやミルキーや果実味と釣り合っていて「酸っぱいワイン」という印象はあまり受けない。グラスを口に運ぶたび、森の香り、ブドウの香り、ナッツやアーモンドの香りが交互に鼻をよぎる。飲み頃ドンピシャの赤ワインにありがちな、ひらめくようなエネルギーをこいつからは感じる。二杯目ぐらいになると鉄っぽさと力強さがググッとせりあがってきて雄々しいワインにもなった。ここまで立派に振る舞ってくれるワインはブルゴーニュの一級でもそうはいないわけで、とてもいい時期に抜栓できたっぽい。いいワインをいい時期に飲んだぞ!
 
 この風味の多彩さとバランスの良さをみると、ランゲ・ネッビオーロが前座でバルバレスコが本命であることがよくわかる。正直、バローロバルバレスコ系はブルゴーニュ赤に比べてわかりにくくて敬遠していたけれども、こいつを飲んでちょっと考えさせられた。更に高名なメーカーの飲み頃のバローロバルバレスコならどんなにすばらしいだろうか。でも高名なメーカーのバローロバルバレスコを素人である自分が扱いきれるものだろうか?ううむ、でも捨ておくには惜しい。また出会いたいよこのワインに。
 
 ※翌日は少しパワーダウンしてしまったがアーモンドや腐った切り株風味は健在、十分に飲める内容。翌日の内容からしても、飲み頃真っ盛りだったと思われる。