北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2515】Luciano Sandrone Dolcetto d'Alba 2021

 
ルチアーノ・サンドローネ ドルチェット・ダルバ
※リンク先はヴィンテージが現行です。
 
このワインは、ピエモンテで名が売れているルチアーノ・サンドローネが作っているドルチェット、その新しいヴィンテージの品。ドルチェットはすごいぶどう品種ではないけど、心休まる癒しの赤ワインであることが多い。そしてこの作り手ほどになるとそれが極まっていてとても良い。
 
まず見た目。不透明感の高い、それでいてどこか蛍光ピンク、いや蛍光紫といった趣のある色合い。香りは、よもぎ、しそ、梅をミックスしたようなちょっと和風なやつが漂ってくる。
 
口に運ぶと、なんとも柔らかい飲み口だ。しそっぽさを伴った豊かな果実味の質感がいい。こういうの、テクスチャーが良いっていうんだよな、うん、このワインはテクスチャーがとてもいい。タンニンはやわらかく、口のなかが常に赤ぶどう果実でいっぱいになるかのようだ。しそやヨモギの香りが、マスカットのような風味に変わっていくのもまた好ましい。このあたり、以前に2017を飲んだ時と共通点がしっかりあって、なるほどそういうワインなんだなと思わせる。
 
バローロバルバレスコブルゴーニュワインのようなトーンの高い揮発臭、繊細なあやは欠いているけれども、ドルチェットはそういう品種じゃないんだよと割り切ったつくり。でも、今日はそういうつくりのワインが飲みたかったからこれでいいのだ。畏まった舞台、カッコつけなきゃいけない食卓にはドルチェットは持ち込まないか、前座として出したほうがいいかも。でも普通の食卓に沿えるならドルチェットで不満のあろうはずもなく。うまいうまいと飲んでいるうちにどんどんなくなってしまう。
 
※二日目。変わらずゆったりとしたワインだ。気兼ねしなくて良く、それでいて品質は確かなこういうワインは貴重。鼻高々なワインばかりがワインではなく。