北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1935】Cascina Chicco Lange Nebbiolo 2017

 
ランゲ ネッビオーロ 2017 カッシーナ キッコ


 冷えてきたのでバルバレスコでも飲もうかなと思うのだけど、いきなりバルバレスコではなく、格下のランゲ・ネッビオーロを飲んでみたい。けれども意外に売られていなくて、どうにか手に入ったのがこれ。ネッビオーロ種の練習としてまずは飲んでみることに。
 
 まずグラスに注いで見た目確認。透明度の高い、ちょっと明るく茶色がかったワインレッド。これだけ若いワインなのに茶色がかっているあたりも含めて、ネッビオーロっぽい。香りは、漆喰+アセロラブルゴーニュの赤ワインでもアセロラって比喩をよく使うけど、こいつはニスとアセロラと腐った切り株が合体したような複雑な香りで、ブルゴーニュの赤ワインとは趣が違う。しいてブルゴーニュの赤っぽく考えると、アンヌ・グロの赤ワインが似ているけれども、ニス系有機物の香りがこちらはもう二枚ほど強い。
 
 口に入れると、もうこれは全くブルゴーニュ赤(ピノ・ノワール)とは違う。断然濃くて、飛び上がるほど渋いタンニンが口のなかいっぱいにぐわーっと広がる。腐った切り株にフレーバーにこれはマッシュルームでも足したような雰囲気が口のなかに広がるぞ?あと酸味が激烈。このワイン絶対にphが低いに違いない、へたな白ワインよりもきついと思う。にも拘わらず、酸味よりもコクや果実味のほうが優勢、そこにぶわーっとタンニン。味わいも香りも豊かだけど、タンニンのものすごさと強烈な酸でじゃじゃ馬度が高い。悪いワインじゃあない、というより味わい甲斐はあるけれどもイージーではないぞこいつは。で、料理とは無類の相性をみせる。肉料理はもちろん、案外、味噌汁なんかとも喧嘩しない。御飯のお供としてはいいと思う。さすがに刺身にはまったくあわないだろうけれど。
 
 ※二日目は、タンニン以外はちょっと落ち着いてしまった感じ。まずくはないけれども昨日のほうが面白かった。