北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2073】Emilio Bulfon Scialin 2018

 
シャリン 2018 エミリオ ブルフォン
 
このワインは、イタリアでは白ワインの名産地として知られるヴェネチア・ジューリア州でつくられた、土着品種シャリンで作られた白ワイン。この地域の土着品種は結構飲み慣れているつもりだったけど、これは初めて。メーカーも初めてで、ラベルがイタリアワイン風だったから半ばジャケ買いにも等しい。はたして、どんなワインなんだろう。
 
まず、どういうグラスがいいのかわからないので、とりあえずブルゴーニュグラスを選択。で、注いでみるとびっくりするほど薄い色。ちょっと麦わら色っぽい赤さを帯びた、けれどもかなり薄い色だ。香りは洋ナシ、というより昔飲んだ洋ナシジュースみたいな香りがする。ソーヴィニヨンブランなどとはだいぶ違う。
 
口をつけてみると、なんだか薄味だ。例の洋ナシみたいな風味に加えて、少しタンニンを帯びた苦みのある味、グレープフルーツジュースから酸味を取り除いたような風味がゆったりとやってくる。刺すような酸味ではなく、ワインに豊満さがあり、その豊満さを支えているのがタンニンと苦み。イタリア土着白ワイン品種のなかではグラケットに似ているけれども、あちらに比べると酸味が弱く、かわりに苦みとタンニンのおかげかワインにボディがあって、端麗な味わいなのに空虚ではない。これは結構好みのワインかも。威圧するような白ワインとは一線を画していて、落ち着いた飲み心地、重心の低さ、控えめな性格、そして洋ナシをベースに香りの強い植物のエキスみたいなのが僅かによぎるのもいい。初日はとりあえずバッチリだ、二日目はどんな顔をしているだろうか。
 
※二日目は、菖蒲やネギのような香り植物系の雰囲気が強く伴うようになった。でもって、相変わらず重心が低くて落ち着いた飲み心地。白ワインのなかでは理性を残していられる、頭が悪くならないワインでいいと思う。これは良い白ワイン品種を見つけた。頻回リピートではないけど、数年に一度は買い求めよう。なお、華やかなワインではないので華やかワインが欲しい人は買っちゃダメ。