北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2074】Banfi "Placido" Brunello di Montalcino 2005

 
バンフィ プラチド 2005
 
このワインは、今年の春に飲んでめちゃめちゃ良かった安物ブルネッロ。メーカーはバンフィ、バンフィのブルネッロシリーズのなかでもたぶん一番安い価格で買った。でも2005年のためか、とても良かったので即座に再購入したもの。
 
まず見た目。ほとんどオレンジ色がかった、レンガよりもオレンジ色のちょっと暗い液体。なかなかこれはいい色をしている。香りは、初手から干し柿、ニス、ねちょねちょする飲食店の机(いや、古い家具全般)、押し入れ、アラビックヤマトみたいな香りが混然一体となってすごくいい。ブルゴーニュの高価なやつとも、ローヌの高価なやつとも明らかに違う挙動。大昔に、同じバンフィのフラグシップであるポッジョ・アローロ1999を飲んだ時はこんなに感動しなかった気がする。今、ポッジョ・アローロやその他高級ブルネッロを飲んだらどういう気持ちになるのかがぜん気になる。
 
口に運ぶと、渋みも手伝ってまさに干し柿のような甘さ。もちろん、そこにワインならではの酸味やジューシーさがあり、甘口というほど甘くもないのでとてもバランスの良い飲み物になっている。もちろんコクがあって飲みごたえ抜群、それでいて重苦しくなく、タバコ、菜種油、腐葉土トマトスープの香りもよぎる。前回も思ったけれど、これならブルゴーニュワインを買うのやめてブルネッロをそろえたほうが幸福度じたいは高くなるんじゃないかと思わずにいられない。至福のひとときを過ごしました。
 
※二日目は、ちょっと渋みと酸味が勝る展開となり、昨日に比べて険しい雰囲気になった。初日のほうが華があったのは、15歳という年齢のためか。それでも十分に美味く、ブルゴーニュの同価格帯ともアマローネとも差異化ができていて楽しいワインだった。