北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2113】Cono Sur Reserva Especial Syrah 2018

 
コノスル エスペシアル シラー 現行VT
 
最近、ロワールの赤ワインとか、ローヌの知らないメーカーのワインとかを試す機会が続いたので、ここらで標準的なワインに立ち戻ってみたいと思い、指標のひとつであるコノ・スルのリゼルヴァクラス(現・エスペシアル リゼルヴァ、要は1100円ぐらいのクラス)を試してみることにした。シラーは、このクラスのコノスルの鉄板ワインだったはず。ふつーの焼肉料理と一緒にいただくことに。
 
まず色チェック。うわあ、ものすごく濃くて不透明、少し青紫に寄ったカラースペクトルで、ごっつい色合いだ。巨峰みたいなぶどうの皮をそのままワインに入れたらこんな色になるんじゃないか、というような。香りは、色にふさわしいカシスっぽい香りに加えて、マジックインキのような油性系の香り、それとスモモをかじった時に感じるタイプの植物系のにおいというか、オーガニック系の香りというかが混入している。それともルバーブ? 生臭い、とみることもできるけれども農作物っぽい、とみることもできる。でもって、香りがとても強い。豊かだ。
 
口に運ぶと、前述の香りを反映したエキスがどどどっと入ってくる。タンニンが結構あって赤ワインが苦手な人にはきつく感じられるかも。マジックインキと巨峰の皮とカシスが鼻腔をつきぬけていって、口のなかにはたっぷりの果実味と苦みとタンニン。この価格帯のチリワインは、良くも悪くも大柄で、香りや味、タンニンなどのスカラー量が大きいと感じるけれども、このワインも御多分に漏れずそういう感じ。
 
これはこれで旨い。旨いし、「本格的」だし、よくできていると思うのだけど、今の自分がこの価格帯の赤ワインに期待しているのは、こういうパワフルな風味ではなく、もう少しソフトな路線なのだろう、とは思った。