パラッツォ デッラ トッレ 2018 アレグリーニ
このワインは、安定したアマローネを作っているアッレグリーニの、それより下の格のワイン。ワインには「ヴェロネーゼ」とだけ書かれていて、エチケットにイタリア語でロミオとジュリエットの里などと書いてあるので、伝統的な製法のワインではないのだろう。
グラスに注ぐと、もうその段階からジャム系のかぐわしい香りが伝わってくる。ワインは黒具としていて不透明、香りをよく確認すると、アマローネ系にしては梅っぽいツーンとした香りが優勢と感じられる。それと少し土臭さがある。
口に運んでみると、ハムのような肉系のかおりが口のなかにふんわりと膨らむ。そのせいか、このワインは肉厚と感じられ、まるで食べ物のようだ。アマローネに比べると苦みと甘味は弱めで、タンニンもするっとしている。酸味はまずまず、フランス系のワインでいえば肥えたグルナッシュに近い。
で、販売元のトスカニーのサイトに行ってみると、このワインはアマローネと同じ製法のワインを30%含んだリパッソ(注:リパッソそのものはアマローネの出涸らしを二次発酵させた、そういうワイン)なのだそうで、70%リパッソ30%アマローネとでもいうべきものだとか。やー、それにしてはドライなワインですねー。これはこれで悪いワインではないのだけど、アマローネのイメージからは遠く、近い価格の安アマローネ(ルイジ・リゲッティとか)には太刀打ちできていないよう感じられる。
※二日目。なんと、甘さや苦さが伴ってきて急にアマローネっぽい雰囲気にたどり着いた!持前の肉厚さに甘味と苦みが伴うと、こんなにアマローネっぽくなるものなのか。で、下品ではない。これは完全に二日目のほうが能書きに近い性能。この品は飲むタイミング(たぶん熟成の期間)をよく考えて楽しんだほうが良さそう。