北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2270】Meran Blauburgunder 2018

 
https://www.wine-searcher.com/find/meran+blauburgunder
 
このワインは、イタリア北東部はアルトアディジェ州でつくられているブラウブルグンダーのワイン。ブラウブルグンダーとは、ドイツではシュペートブルグンダー、イタリア全土ではピノ・ネロと呼ばれる品種をイタリア北東部で呼ぶ方言で、もっとよく知られた言葉ではピノ・ノワールのことだったりする。とはいえ、ドイツ産、ブルゴーニュ本家、新世界、そしてイタリア北東部ではそれぞれ顔つきが違うのがこの品種なので、これはこれで楽しみではある。
 
まずボトルの形状がちょっとおもしろい。このワイン、ピノ・ノワール系統のワインとしては珍しい、ボルドー型のまっすぐなワインボトルに入っている。コルクはなかなかしっかりした品質。なんだろう、これは。色合いは、はっきりとオレンジ色がかかった、透明度が高くて薄いワインレッド。本家ブルゴーニュピノ・ノワールでいうなら、ヴォルネと同じくロゼっぽい色合いのやつだ。こんな薄い色の赤ワインをイタリアでも作っていたのか! 香りは、赤系果実の淡い甘い香り、野イチゴみたいな淡い甘さを連想させる香りだ。そこに少しだけ革っぽい香りというか、獣系・ハム系の香りが乗っている感じ。意外に本家ブルゴーニュにもこういう品はあるような気がする。
 
口をつけると、あっさりとしたサクランボ風味が幾らかのコクと共にかけぬけていく。これは軽量級な赤ワインですね! 最近のブルゴーニュ赤などに比べると、ずいぶん軽くてあっさりしている。革っぽさとコクのあるさまは、みようによっては平格ブルゴーニュのようだし、みようによっては新世界のピノ・ノワールのようでもある。おおよそ軽々としたボディは次の日も健在、複雑なニュアンスは望むべくもなかったけれども、気軽に飲めるピノ系ワインだった。