北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2573】Markus Molitor Pinot Noir Haus Klosterberg 2018

 
マーカス・モリトール ピノ・ノワール ハウス・クロスターベルク [2018]
 
このワインは、白がかなり良い感じだったドイツはモーゼル地方のマーカス・モリトールがつくるピノ・ノワール。本家ブルゴーニュの値上がりがひどいことになっているので、ドイツの同品種も探索候補に。地球温暖化がどちらかといえば味方になりそうなのもドイツワインのいいところだ。そうしたわけで、実験としてこれを買ってみた。
 
グラスへ注いでみると、これは色あせた朱色の、昔ながらのブルゴーニュ、または新世界系のピノ・ノワールみたいな色調。本家ブルゴーニュでは、これよりもっと黒くて暗くて紫色っぽいワインを作っているメーカーがたくさんいる。香りは……あんまりはっきりしない。くぐもったような果実の香り。少なくとも初手では、先日のブルゴーニュ赤に大きく出遅れている。
 
口に運ぶと、酸味のしっかりした、それでいてあんこのようなニュアンスを少し帯びたあっさりとしたピノ・ノワール。ドイツのピノ・ノワールらしくもあり、それかイタリアのピノ・ネロっぽくもある。タンニンはそれほど目立たず、変にコーヒーっぽい風味が目立たないのはいかにもドイツのピノ・ノワール(または、当地でいうシュペートブルグンダー)だ。決してまずくはなく、むしろ、へたなブルゴーニュ赤よりずっと清楚・可憐な印象さえあるのだけど、別ジャンルという印象が否めない。新世界のピノ・ノワールより、どちらかといえば、イタリアのバルドリーノとか非アマローネ型ヴァルポリチェッラなどに雰囲気が寄っているかもしれない。
 
※二日目。二日目もあっさり。くどくないし、下品でもない、清楚、やっぱり真っすぐすぎ、真面目すぎ。にこりとも微笑まない美人といった風。このメーカーは他にも色々なピノ・ノワールを作っているので、もう少し格上の品もいずれ見てみよう。でも、この路線のままだったら、ちょっと遠慮かもしれない。