北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2411】Teresa Raiz Ribolla Gialla Friuri Colli Orientali 2020

 
テレザ・ライツ リボッラ・ジャッラ
※リンク先はヴィンテージが異なります
 
このワインは、イタリア北東部のワインメーカーとしては比較的廉価な部類になったテレザ・ライツの白ワイン。品種はリボッラ・ジャッラで土着品種、これをワカサギの天ぷらなどと一緒にやってみることにした。この作り手のリボッラ・ジャッラを飲んだのはもう9年ほど昔、2013年にまでさかのぼる。久しぶりの対峙、どんな姿をみせてくれるだろう?
 
さあ、まずグラスに注いでみよう。色合いは、やや薄い麦わら色で、この見た目だけでは多くの白ワイン系品種と区別つきそうにない。香りは初手から素敵だ。甘い蜂蜜とクッキー。樽か?バニラか?シャルドネか? といった感じ。でもそれが嫌味な感じにならず、ほんの少しムルソー的なシャルドネを連想するのはご立派。
 
口に運んでみると、ここでシャルドネとの違いがくっきりする。もっと潤いがあり、フリウラーノなどに通じる薬草っぽさもあって、口のなかでピノ・グリやヴィオニエのように膨張する。チリ産のシャルドネのようにフルーティーな感じでなく、もっと緑色というか植物的な連想をさせる酸味だ。その酸味にもクッキーやナッツの風味が伴い、香りにも炒ったピーナッツのような雰囲気さえ感じられる。前回2013年に飲んだ時に比べると、シャルドネっぽくないと感じるし酸味がそこまで際立っていると感じない。これはヴィンテージによるのか、それともテレザ・ライツが作風を変えてきたのか、ちょっとわからない。でも、こっちのほうがいいと思う。ナッツの風味の漂う白ワインも良いものだからだ。
 
※翌日。ナッツのニュアンスは初日に比べれば衰えて、ちょっと普通のワインっぽくなった。それでもまだナッツは残っているし潤いと植物的な連想は健在、結構楽しめる。