北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1489】Jermann Traminer Aromatico 2013

Jermann Traminer Aromatico 2013
 ※リンク先はヴィンテージが異なると思われます。
 
 前回、知らないメーカーのイタリア版ゲヴュルツトラミネールことトラミネールアロマティコを飲んだら根性の足りない品でがっかりしたけれども、今回は信頼しているイエルマンの品。がっつりおいしい品であって欲しいところ。
 
 まず見た目は、意外と黄金色っぽくて前回のトラミネールアロマティコに比べると色が濃い。香りは、初手からライチ・パイナップル系の爽やかで甘ったるい香り、それとハッカっぽさがこみあげてくる。スパイシーな刺激があって、なんだかフランスの本家ゲヴュルツトラミネールを連想させる。
 
 で、口に入れるとハッキリと甘い。メロン系の甘みが口のなかいっぱいに広がって、このワインが「辛口」ではなく「中甘口」のラインを狙っているのが感じられる。口のなかで広がるボリューム感が非常に大きく、酸味が若干弱いため、「風船のような飲み心地」があるのはいただけない。あと、メロンの風味に「メロンの皮の近くのような青っぽさ」を帯びているのも好みではない。なんというか、ソーヴィニオンブラン種の苦手なところが混じっているかのよう。
 
 ところがこのワイン、ここからが違った。だんだん酸味と甘みがしっかりとしてきて、風船の内部が充実してきたかのよう。散漫だった集中力が、飲むにしたがって冴えてくるさまは見事。メロンの皮のような青っぽさは次第になりを潜め、中甘口として満足のゆく雰囲気になってきた。このままいくと丸ごと飲んじゃいそうな雰囲気になってきたので苦労して中途で飲むのをやめた。さすがイエルマン、最初は心配したけれども辻褄を合わせてくれた。
 
 ※翌日は、澄んだ中辛口といった雰囲気になった。こちらのほうがもともとのイメージに近い。おいしいかって?そりゃあおいしくいただけましたとも。
 

【1488】Farnese Montepulciano d'Abruzzo Cerasuolo 2015

 
ファルネーゼ[2015]ファンティーニ チェラズオーロ ダブルッツオ 750ml
 
 まず見た目。以前よりも少し薄いような色彩にみえるけれども、ロゼ全体のなかでは十分濃い部類、朱色に近いピンク色をしている。香りは、ちょっと柑橘系のフレーバーが感じられるけれどもそれほど強いものではない。
 
 口をつけると、ロゼ特有のレモンピールのような風味と甘酸っぱいサクランボのような風味が混じり合って、なかなか社交的なロゼワインという印象。苦すぎるでもなく、ダレすぎるでもなく、ちょうど良いところで留まっている。「凄いロゼ」ではないけれども、価格を考えれば妥当なところ、おいしくいただけた。
 
 ※翌日は、少しプロヴァンスのロゼに寄ったというか、シャキッとした雰囲気になってこれもこれで面白い。すごく良いってほどじゃないけれども、なかなか楽しいひとときとなった。
 

【1487】Moncaro Piceno DOC 2015

Moncaro Piceno
 
 今日の夕食はカレー。カレーだけどワインが欲しくて、じゃあ無害で食欲が出て安いやつにしようと思って選んだのは、マルケ州でつくられている安ワイン。サンジョベーゼ種とモンテプルチャーノ種という、この地域周辺の土着ワインをブレンドしたもの。こういうブレンドワインって、あまり伝統的じゃないと思うんだけど、このワインは誇らしげにDOCの印をかかげている。
 
 まず見た目。そこそこ黒っぽいワインレッドだけど、メルローやカベルネソーヴィニオンみたいな国際品種に比べれば薄めかもしれない。香りは、お線香+焦がした砂糖+サンジョベーゼっぽいスミレ系の香り、ただし、微妙に生臭い匂いが混じっているように感じられる。
 
 口をつけてみると、さっぱりとした酸味とわかりやすくて新鮮な果実味、系統としてはモンテプルチャーノ・ダブルッツォっぽい。で、ほんのり生臭い(デラウエアの葡萄ジュースとかにある、あの生臭さに近いような何か)。いやあ、これは価格相応の、たいしたことのないワインですねー、でも、カレーの前後にいただくデイリーとしてはこういうのでいいんですよ。
 
 ※二日目は、生臭さがひっこんでだいぶ飲みやすくなった。やっぱりモンテプルチャーノ・ダブルッツォに近い。うまいうまいと飲むものではないけれども、値段にみあったものだとは思う。
 

【1486】Louis Picamelot Bourgogne Mousseux Pinot Noir Sec (N.V.)

 
ブルゴーニュ・ムスー ピノ・ノワール <赤> ルイ・ピカメロ
 
 このワインは、以前に飲んだ時はかなりおいしいと感じたピノ・ノワール製のワイン。
 
 見た目は、朱色のような透明感のあるタイプで、この地方の薄めのピノ・ノワールらしい色をしている。泡は細かいやつが滾々と登ってきておいしそう。香りは、あまりよくわからない。
 
 口に含むと、甘酸っぱいピノの味が口のなかいっぱいに広がる。タンニンとこくが意外とあって、コート・ド・ニュイのワインをスパークリング化したらこうなるんじゃないかというような。それでいて酸味もあり、スパークリングらしい爽快感もあり、なかなかのもの。
 
 飲み進めると、甘みが色濃く感じられるようになり、反面、ちょっと革っぽいというか、ブルゴーニュ平格にありがちなクセを少し伴うようになった。それと緊張感の無いワインだなーと思うようになった。や、リラックスできるっていう点ではそれもそれでいいんだけど。ともあれ、ピノ・ノワールの雰囲気をはっきりと打ち出していて、かつスパークリングワインなこいつは他に替わりがきかない代物なので、これからもご愛顧していくしかない。ただ、数年前に比べてはっきりと値上がりしているので、あまりにもあんまりだったらあきらめちゃおうかなとも思う。
 

【1487】Domaine Santa Duc Les Crottes Roaix 2009

 
Santa Duc Les Crottes Roaix 2009
 
 
 今日のワインは、ローヌのお気に入りメーカー、サンタ・デュックのあまり高くないワイン。でも2009年とヴィンテージが古めなので、わりと期待しての抜栓。
 
 まずびっくりしたのはワインボトル。そんなに高い値段じゃないのに、えらく太くて頑丈なボトルに入っている。コルクもすごく長くて、抜くと、裏側は黒色~赤紫色の、素晴らしい色をしている。これは良い予感。
 
 グラスに注ぐと、向こう側を見通すのが困難なほど真っ黒なワインレッド。これは濃いですねー。香りを確かめると、赤系線香の香りに加えて緑系・杉系線香の香りもいくらかあって、さらにスパイシーな風味を伴っている。
 
 口をつけると、血のごとく濃い口当たり、果実味がみっしりとしている。コクもあって、ローヌのワインのなかでも濃さが飛びぬけて高い。でもって、飲み進めるとトマトペーストみたいな野菜っぽい風味が感じられ、森の下草系の香りまで漂ってくる。価格帯を考えると、かなり頑張っていると言わざるを得ない。
 
 ※二日目は、ちょっと酸味が増えたように感じられたが森の下草系、野菜ペースト系が強まり、むしろ良くなった(いや、好みになったと言い換えるべきか)。栄養がありそうな雰囲気だ。うまかった。
 

【1485】Southern Boundary Wines "The Springs" Riesling 2015

 
ザ スプリングス リースリング サザン バンダリー ワインズ
 
 まず見た目は普通の白ワイン色。つまり白っぽくて少し黄色いような、そういう色調。あまり緑色がかっているようにもみえない。香りは初手ではあまりわからない。うっすらと植物系洗剤の香りがするけれども目立ったものではない。
 
 口に含むと、意外と甘みが強く、苦みは伴わないリースリング。酸味が足りないわけではないけれども、酸味をガッチガチにぶつけてくるようなものでもない。リースリングにしてはふくよかで、ちょっとバターっぽくあるかもしれない。あまり好みな作り方ではないけれども、とりあえず、おいしいなと思った。
 
 ※翌日もびくともしない。さすが新世界ワイン。まったく同じ飲み心地でした。