北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2613】Bouchard Finlayson Crocodile's Lair Kaaimansgat Chardonnay 2020

 
ブシャール・フィンレーソン クロコダイル・レイル カイマンガ シャルドネ [2020]
 
世界のシャルドネを巡る旅はまだ続きます。今度はブルゴーニュ大手・ブシャールが南アフリカのメーカーと一緒に作っている、そういうシャルドネ南アフリカのちゃんとしたシャルドネをどこかで飲んでみたいと思っていたので、これは渡りに船。その様子、その塩梅を確かめてみましょう。
 
まず、グラスへ。黄金色をしていて、いかにもシャルドネ! って感じだ。昨日から引き続きのリュリー産の平格ブルゴーニュ白と並べてみると、はっきりとこちらが濃い色合いを示している。香りは、蜜のこもったようなにおいがして、フローラルな爽やか系の香りはこちらではなりをひそめている。ひょっとしたら冷やし過ぎたのかもしれない。
 
口をつけてみると、南のシャルドネにありそうな、フルーツ缶詰の汁みたいなイメージの甘さがどどどっと押し寄せてきた。押し出しが強く、口のなかでも存在感がある。アルコールもあるんじゃないかと思って確かめてみると14%とも。どうりで。少し飲み慣れてくると、香りに含まれていた蜜のニュアンスが味覚ともピントを合わせてきて、これが、そこらの安い新世界シャルドネとは一線を画していることがだんだんわかってきた。そうそう、こうじゃないとね! リュリー産の平格ブルゴーニュ白との比較では、こちらが重たいかと思いきや、慣れてくると旨味がどんどん出てきてとても良かった。こちらも乳酸っぽさが炸裂していて、なおかつこの旨味はなんだ? これはなかなかいいんじゃないか? 期待を残しつつ翌日へ。
 
※翌日になると、なんと香料めいた雰囲気と大理石・ヨーロッパの博物館系のにおいが強まってきて俄然雰囲気が良くなってきた。とはいえ、南のシャルドネ感が残る点は変わらず、既知のワインでは、ゴラン・ハイツ・ワイナリーのフラグシップシャルドネ・カツリンに似ている。カスタードプリンみたいな香りもよぎっている。北のシャルドネ感を期待する必要がなければこれで十分ぜいたく。とてもいいシャルドネでした。