北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1247】Serego Alighieri (Masi) "Vaio Armaron" Amarone Classico 2006

 
アマローネ デッラ ヴァルポリチェッラ ヴァイオ・アルマロン
 
 このワインは、ローマのトリマーニで購入してきた、当時日本では購入困難だったアマローネ。ところがこのワイン、先日のワイン貯蔵庫破綻騒ぎに巻き込まれて、ボトルにいくらかアオカビが生える被害にあってしまった。ボトルがカビに覆われた以上、だめになっているか、どちらにせよ保存し続けるには不適と判断し、あけてみることにした。
 
 まず見た目。そこらの赤ワインとは黒さがぜんぜん違う。透明感皆無、やや茶色っぽがかった、恐ろしく黒っぽい赤ワイン。デキャンタした液面比重もいかにも重そうで、どっしりとした感じ。香りはデキャンタしている最中から、もうもうとこみ上げるチョコレートと黒系ベリーを煮詰めたような派手な香り、アルコールもたっぷりでクラクラしそう。カビっぽい匂いは……初手では大丈夫。
 
 口に含んでみると、アマローネ(苦いの意味)という言葉どおり、ビターな苦みが炸裂。果実味もあって、後味には意外なほど酸味が来るけれども、ストレートなブドウ系の果実味ではなく、ジャムか何かが酸化してこうなったというような、七面倒な酸味が感じられる。カビ系&雑巾っぽさは……こわごわ点検してみた限り、大丈夫っぽい。でもって、アルコールぶんがとにかく強くて、のどがひりひりするようなところがある。果実味と酸味が最初はガチャガチャしていたけれども、20分ほどするとピントが合ってきて、何かすごいものがリキッドになっているとしか言いようがない味わいになってきた。普段飲んでいる価格半分以下なアマローネ達に比べると、そのピントの合い具合も迫力もけた違い、カンゾウリキュールみたいな風味になることもある。二時間後、まだまだ濃度と集中力と香りの強さは上昇。頑張っているし、酸味が楔のように差し込んでくることもある。いやいや、これはおそろしいワインだ、複雑、力強く、キメも細かい。いいんじゃないでしょうか。
 
 ※二日目。のっけから朽ちた森の木のような凄い香りが漂っている。厚みのある香りだ。