カッライア フィアーノ 2014 カステッラーニ
このワインは、ナポリの周辺、カンパーニャ州でつくられた土着品種フィアーノのワイン。ただし、このフィアーノのDOCG(今はDOCPだったっけ?)ではなく、産地が適当であろう、IGTとラベルに表記されている。
ちょっとぬるい状態にて。まず色合いは、白ワインとしては可も不可もないような色合い。香りは、ちょっと暑い場所を経ていたせいか、漆喰のような、白ワインにしては不似合な臭いがしたけれども、じきになくなってくることを祈るしか。でも、その奥から蜂蜜のような香りがしっかり立ち上ってきて、それなり体裁は整っている。
口をつけてみると、フィアーノとして矛盾しない、まるで炭酸飲料のように炭酸っぽい酸っぱさが押し寄せてきた。あれだ、遠い昔に「スプライト」を初めて飲んだ時に感じるような、ああいう荒っぽい酸味が来る。で、これを経た後はヒヤシンスのような植物系のいい香りがツーンと鼻腔を上ってきて、漆喰っぽさがだいぶ吹き飛んだ。張りと潤いがあって、しかも酸味がキツいから、ワインは大柄な図体で押せ押せな雰囲気。でも、植物エキスの香りが非常にしっかりしているから、なかなか面白いワインではある。
残念ながら、漆喰のような臭いは今日は抜けなかった。これが、ワインの保存状態の悪さのせいなのか、このワイン自身の弱点なのかはわからないけれども、なんにせよ泣き所だった。
※翌日は、漆喰っぽさがなくなったけれども少し甘ったるい雰囲気が伴うようになって、これもこれで気になるところ。だいたい良い味なんだけど、風味にネガティブな要素が伴っていて、全肯定しがたいところがあった。このあたりが「DOCGフィアーノ・ディ・アヴェッリーノ」ではない安ワインの限界か。