北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2610】La Pousse d'Or Volnay 1er Cru Clos des 60 Ouvrees 2017

 
ラ プス ドール ヴォルネイ プルミエ クリュ クロ デ スワッサント ウーヴレ モノポール 2018
※リンク先はヴィンテージが異なります
 
唐突に、ブルゴーニュ赤とか飲みたくなったのであけてみました。プス・ドールはそこまで信頼していないけれどもこの、ヴォルネ一級カイユレのなかでも特殊なこの畑は割と信頼している。
 
まず見た目。オレンジ色~赤茶色がかっていて、比較的明るい色調だ。少なくとも一部の濃いめピノ・ノワールとはだいぶ違う。コルクは中ほどまで濡れていて、裏側はきれいなカシス色で、えもいわれぬ芳香がぱぁっと漂った。
 
グラスに鼻を近づけてみると、コルクに比べるとストレートな果実の香りがメイン。それにチョコレートが添えてあって、雨の日の森のような香りを伴っている。つべこべ言ってもこういうのには弱い。
 
口に含んでみると、タンニンが意外にしっかりしていて苦みも結構ある。いわゆる「大柄でストラクチャーのしっかりしたブルゴーニュ赤」っぽさがある。この時点では、ちょっとつまらないかなと思っていたけれども、ステーキやらなにやらと合わせると多彩な顔つきをみせる。雨の日の森に、飴のような風味が混じってくるのもまた良い(ここは、評価しないワイン飲みもいるかもしれない)。早熟にも夕張メロンっぽさもある。最高の高級ワインたちに伍するかと言われたら ? ではあるけれども、自分の家で飲むぶんには十分に幸福、一級らしさも感じられるワインだった。
 
※二日目。初日に比べると果実味以外の複雑な面白さがあまり伝わって来ない感じだった。決して悪いわけではないけれども、一級にあって欲しい貫禄や複雑さがいっぱいかと言ったらそこまでではないかも。
 

【2609】Chateau la Coudraie Bordeaux 2019

 
vinica.me
 
料理に白ワインが必要になって急遽出番となった白ワインは、ボルドー産。
 
見た目は意外にも黄色っぽさがかなり強い。見た目だけなら他のエリアの他の品種を連想しちゃうかも。香りは、まだ熟していない果物、それかライムのようなやつが感じられる。口に運んでみると、とろーっとした口当たりに夏みかん~グレープフルーツに近い酸味と果実味。こりゃまた酸っぱいワインですなぁ。が、そういうところでピントが合っているとも言え、決して悪いものとは思えない。フルーツモリモリじゃない、抑制的なソーヴィニヨンブラン系とみるならこれはこれでそう悪くないんじゃないでしょうか。数時間後、もう少しだけ試飲してみたら黄桃みたいな雰囲気が加わり、それはそれでソーヴィニヨンブランみがあり、それでいてきついわけでもなく、付き合いやすかった。
 

【2608】Luciore Bordeaux 2018

 
vinica.me
 
色合いはガーネット色で青々しさはこのワインの外見からは感じられない。透明度は低く、単に暗いのでなく透過性が低いのかな、と思ったりした。香りは、初手では酸っぱそうなにおい、プラム系のやつがメインと感じる。ほっこり煮豆や杉の木みたいなニュアンスは相対的に弱い。香りからはボルドーだけど酸っぱそうに予想したくなる。
 
口に運んでみましょう。なんだこれは、えらく酸味が前に出ているぞ。ボルドーの若くて安い赤ワインにありがちな、落ち着いた飲み心地やミルキーな雰囲気はもちろんあるけれども、味の一番前に出ているのは青々しささえ連想する酸味だ。ちょっと気になるなあ。安ボルドーに、こういう品があるのはわかっているんだけれど。
 
※翌日になると、酸味のなかからあの青々しさがかなり引っ込み、煮豆っぽさも増えてバランスがとれてきた。完全に二日目のほうが良く、もっと格上のボルドーじゃないかと思ったりもする。驚きました。
 

【2607】R.Dubois et Fils Savigny les Beaune 2019

デュボワ・ベルナール・エ・フィス サヴィニー・レ・ボーヌ
 
vinica.me
 
まず見た目。やや赤茶けた透明度の高い液体で、ピノ・ノワールとしては馴染み深いタイプの色合いだ。香りは、このワインでは革製品っぽさが前に出ている。ちょっとクラシックなブルゴーニュ赤らしさがある。果実味もいくらか。
 
口に運んでみると、赤系果実、ただしそこまで酸っぱい感じではないやつに、香りにあるような革製品っぽさがしみ込んでいるような。そこに森のエキスを飲むようなものがある。コクがあること、赤系果実と革製品っぽさと森エキスが溶け合っていること、などはこのワインのいいところ。香りもその方向にだんだん強まってきて、こう言ってはなんだけどメルキュレのバリアントのような印象も受ける。酸味はそこまで集中力のある感じではないけれど、でも村名のブルゴーニュ赤としてはこれで十分やっているのではないでしょうか。後半になると口当たりがなめらかになって、かなりおいしいところまできた。がんばってくれたと思う。
 
※翌日は、初日の終わりほどには至らず、少し果実味が色あせてしまったかもしれない。基本的には初日に近いけれども「向上した」とはいいがたい。
 

【2606】Louis Armand Champagne Brut (N.V.)

 
ルイ・アルマン シャンパーニュ トラディション
 
次第に春めいてくると、泡が欲しくなってくるわけで、今日は運動で気持ち良く汗をかいた後に泡をやってみることにした。これは、ヴェリタスさんのお買い得シャンパンセットに時々入っている品で、かなり前に入手してそのままになっていたボトル。
 
まず見た目をチェック。細かな泡がぷくぷくとたちのぼり、ちょっとオレンジ色がかっていて、これはこれで美しい。レストランで見たエマニュエル・ブロシェのシャンパンに比べれば芋だけど、いやいや、自宅ではこれでいいんですよ。香りは……ちゃんと鼻が検知してくれた! 花畑みたいな泡らしい香りに加え、パンのようなイースト系の香りがしっかり感じられる。これはうれしい。口に運んでみると、りんご、それも芯近くを思わせる果実味があって、粗い安シャンパーニュ然としている。酸味もしっかりしているけど、「からし」が練り込まれているような酸味でお世辞にも品が良いとは言えない。が、それははるかに格上のシャンパンと比較して連想されることで、酸味、苦み、金属みといった要素を兼ね備えているこいつで十分といえば十分だったりする。逆に、大変なお料理にはこのシャンパンではちょっと粗すぎるかもしれない。
 

【2605】Louis Claude Desvignes Morgon Montpelain 2019

 
ルイ・クロード・デヴィーニュ モルゴン・モンプラン[2020]
※リンク先はヴィンテージが異なります
 
このワインは、何かのおりに比較的安く購入できた、よく知らないメーカーのモルゴン。あざといことに、このワインのボトルは樹脂でかためられている。うんしょうんしょと樹脂を除去して抜栓しました。
 
グラスに注ぐと、昔、ピノ・ノワールってこんな色してなかったっけ? というような、比較的赤くて少しオレンジ色がかった色合い。透明度も高い。香りを確かめると、赤系果実の香りがいくらかと、やはりアルカリ土類金属系、それか、亜鉛系といったにおいがふつふつと感じられる。嗅覚の調子が少し戻ってきているおかげか?
 
口に運んでみると、これがまた!苦い!きっつー。タンニンはわりと軽々としていて飲みやすさがあるのだけど、後味までしっかりと残る、このミネラル系の雰囲気といったら! というより、このワインログでいつも言っている「モルゴンみ」が直球で漂ってくる。あー、早飲みしちゃったですねー。でも、飲み進めるにつれて、このミネラル感抜群のところでピントが合ってきて、舌なめずりしたくなる感じだ。うまいよー これはいいと思うよー ワイン飲み復活への一歩をまた歩めた感じだ。
 
※翌日になって、豆の煮物っぽさ、それか野菜のミネラル感みたいなのが強まってとてもおいしくなった。いいワインだったように思う。