北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1468】Apollonio Salice Salentino 2012

 
アッポローニオ・サリーチェ・サレンティーノ・ロッソ 2012
 
 今日の夕食は味噌風味で豚肉を焼いたもの、豚肉でホウレンソウを巻いて焼いたもの中心。これに合わせるのは、イタリアのかかと、レッチェ近郊のメーカーがつくっている濃厚赤ワイン。
 
 まず見た目。茶色っぽくて黒っぽい、いかにも南イタリアワインらしい外観。香りは、グラスの外へチョコレートっぽい香りが溢れてくるけれども、グラスに鼻をつけると少しニスっぽい甘くてジャムっぽい香りと、お線香系っぽい香りが混じってくる。総じて、これも南イタリアの赤ワインらしい。
 
 口をつけると、ごっつい苦みと非常にコクの強い展開。そしてコーヒー! 渋みがぼうぼうに来て、渋みが苦手な人にとっては苦行のレベルだと思われる。このワインには酸味も果実味も感じられるけれども、苦みやコクや渋みのほうが強いので、酸味よりもそれらのほうが後味に占める割合が高い。
 
 ※二日目。少し酸味が勝ってきてしまった。このワインのコクや苦みの強さが引っ込んでつまらなくなったかなあ。
 

【1467】Vin Doux Naturel Rivesaltes 1929

 
www.vinsvignesvignerons.com
 
 最後に、正体のよくわからないリブザルトというワインを。フランス西部でつくられているポートワインと同じ製法のワインらしい。ただ、このワインのエチケットをみても詳しい情報が得られず、よくわかんない感じだった。
 
 まず見た目。かなり茶色い。赤煉瓦をもうちょっと濃くした色~オレンジ色に近い色合い。で、ザラメ糖みたいな香りとプリンのカラメルみたいな香りが吹き上げてくる。その奥に、酸味を予感させる酸っぱい匂いが控えているような。
 
 口に含むと、突っかかり気味なアタック。酸味はしっかり生き残っていて、甘みをうまく支えていると思う。ただ、それ以上の展開はなく、ちょっとワンパターンではある。ひとつ前のワインがあまりにも凄かったせいで、こいつは霞んでしまったのかもしれない。なにより、お酒が回りすぎてわけがわかんなくなった。食って飲んでの挙句ゆえに、評価不能。
 

【1466】Chateau Palmer 1990

シャトー パルメ 1990
 
 さて、ローヌも飲み終わらないうちに次のワインが来てしまった。ボルドー3級のお化けワイン、シャトーパルメ。
 
 まず見た目。ローヌよりも濃く、不透明で暗い色をしている。香りを確かめると、少し酸味を予感させる香りがしたけれども蝋燭と桐箱の香りはブワーっと沸き上がってくる。熟成しましたよ!というような。
 
 で、口に入れてみると、驚いたことにローヌよりも果実味がもうワンランク濃い。うわーボルドーだけどこいつ果実味が凄いぞ!そこにピーマンと和菓子の風味が混じって感じられる。でもって、ローヌよりもふくよか、柔らかい口当たりで、スケールでは今日の全てのワインよりも大きいのに、包容力がある。
 
 飲み進めていくと、ますます果実味が強まり、ゆったりとしたスケールの大きな飲み物となった。ボルドーのワインでここまで大きく美しく快楽の詰まった思いをしたことはいまだかつて無い。もともとあんまりボルドーは攻めてないから、これより上はあるんだろうけれども、今日の時点ではこいつがベストだ。
 

【1465】Paul Jaboulet Crozes Hermitage Thalabert 1998

ポール ジャヴレ クローズエルミタージュ タラベール
 ※リンク先はヴィンテージが異なります
 
 続いて出てきた、ローヌのワイン。黒っぽくて不透明な、いかにもローヌっぽいワインだ。香りは、ジャムを煮詰めたような甘い匂いよりも獣というか、動物系の香りがぷんぷんする。こいつも熟成ワインらしい、桐の箱や腐った切り株みたいな香りはするんだけど、それを押しのけるほどの獣臭が漂ってくる。ジビエみたい。それとも「濡れた犬の匂い」?
 
 くちに運ぶとかなりごつい。果実味が炸裂、重いと感じる。ただ、酸味がしっかりしているお陰か、大柄なところで帳尻はとれていると感じる。匂いは好みではないんだけど、味わいはどこかアマローネに似ていて、ワンパターンのようにみえて飽きが来ない。そろそろ酔っ払っていてわけがわからなくなりそうだけど、とにかく味は抜群に美味い。ローヌで当てたらこんな感じというような。ハッピーなひとときとなった。
 

【1464】Jean Grivgt Vosne-Romanee 1er Cru Les Chaumes 1997

 
ジャン・グリヴォー ヴォーヌ・ロマネ 1er レ・ショーム
 ※リンク先はヴィンテージが異なります
 
 まず、見た目は普通のブルゴーニュ。コート・ド・ニュイの赤ワインにしては色が薄いと感じる。もう20年近く経っているからしようがないのかもだけど。香りのほうが、酸っぱい香りがプンと来て、そこに桐の箱がついてきた。ブルゴーニュの熟成した赤ワインとしてはいかにもありそうな感じではある。
 
 口に含むと意外と酸っぱい。乳酸が利いているのか、口当たりにまろやかなところがあるけれども、それでも酸味に鋭さを感じてしまう。さっきのルフレーヴのほうが酸味が円やかで口当たりが良かったと感じる。あと、これは好みが分かれるかもだけど、先日のサヴィニ・レ・ボーヌと比較すると、タンニンが大柄でごついワインだと感じる。
 
 個人的には、このワインよりも先日のサヴィニのほうが好み。もっと小柄で、もっと桐の箱の香りがぷんぷんしていて、人当たりが良いからだ。このワインはあれよりもスケールが大きくて飲み応えもあるけれども、コート・ド・ボーヌ飲みな自分には少しきついと感じた。
 

【1463】Domaine Leflaive Bourgogne Blanc 2006

 
ドメーヌ・ルフレーヴ ブルゴーニュ・ブラン
 ※リンク先はヴィンテージが異なります
 
 見た目は、かなりアンズっぽい色合いというか、オレンジ色に近い。ところがこのワインには微妙に緑色っぽさが残っていて、ある種のオレンジ系果物みたいな不思議な色をしている。香りは、さっきのシャンパーニュに負けてか、アンズがほんのりするかしないかぐらい。
 
 口に入れると、なにより舌触りの柔らかさ、ニュニュっとした過度の無い口当たりが印象的。酸味も果実味も中庸、少しアンズの雰囲気はあるけれどもバランスの良いシャルドネだ。このメーカーのマコンのようなフレッシュさと酸っぱさで押すようなものでなく、非常にバランスのとれたところでまとまっている感じ。パンやサラダとの食べ合わせは抜群で、威張り散らすこともなく、「おいしさ」で言えばさっきの高級シャンパーニュに負けるところがない。複雑さではさすがにかなわないが、美味さならこっちで十分。シャンパーニュの後で目立たないかと思いきや、さすがのルフレーヴ、見事に持ち堪えてくれた。