北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1628】Winemaker's Choice Vino Tempranillo Spain 2015

 
https://www.mysupermarket.co.uk/asda-compare-prices/Red_Wine/Winemakers_Choice_Tempranillo_750ml.html


 このワインは、日本では西友、海外ではウォルマート系列で売られているとおぼしき、プライベートブランドな安ワイン。西友の安ワインは意外と馬鹿にならないものが多かったように記憶しているので、ちょっと楽しみ。
 
 まず見た目。透明度が高く、意外とキラキラしている。もっと黒ずんだ感じだと思わなかった。赤茶色っぽい色合いで、飲み頃にもみえる。香りは、グラスに注いだ瞬間はチョコレートの香りが立ち上って意外とリッチ、その後から醤油っぽい匂いが混じってきて優勢に。このへんはテンプラリージョらしい気はする。
 
 口に運ぶと、焦げ醤油のような風味が口のなかに炸裂。うわー、テンプラリージョらしい。その下から果実味がこみあげてきて、こちらはバランス良い。苦みはあまり強く無くて、タンニンもほどほど、それほど攻撃的なワインではない。醤油っぽさは気になるながら、食事に合わせるぶんには意外と良い相性をみせる。まずまず良いので、二杯いただきました。
 
 

【1627】Domaine Leflaive 1er Cru "Sous le Dos d`Ane" 1999

 
ルフレーヴ ムルソー スール・ド・ダーヌ
 ※リンク先は、シャルドネに植え替えてムルソーになってしまった、かつてのスール・ド・ダーヌです
  
 続いて、ルフレーヴが作っていた、ブラニーの一級赤ワインを。なんでもルフレーヴは、21世紀初頭に、このブラニーの畑の赤ワインを全部引っこ抜いて、シャルドネに植え替えた(そして、シャルドネに植え替えたことによって、ワインはブラニー一級を名乗らずムルソー一級を名乗るようになった)のだとか。だから、ルフレーヴ製のブラニー一級を名乗る赤ワインはもう二度と手に入らないんだという。
 
 まず見た目。ピノ・ノワールとしては濃く、さきほどのエルミタージュと比較しても遜色はあまりない。ただし、こちらはさすがに透明感があってルビーのようではある。匂いは、エルミタージュとは異なる獣っぽさ――皮っぽい風味が強い。その後から森の下草が来る。このワインからは、桐箱っぽさはあまり感じられないけれども、代わりにといってはなんだけど、鉄砲漬けのような濃い系漬け物の風味を伴っている。
 
 で、口に入れると、甘さや果実味が来ない。かわりに、すごく栄養があり、飲み応えのあるオーガニック-エキスが流れ込んできた。ムキムキに筋肉質なピノ・ノワールで、エルミタージュの後に呑んでもびくともしない。こりゃあ凄いパワーだ。当初、甘味があまり感じられなかったけれども、やがて、じわじわと甘酸っぱいピノ・ノワールらしい果実味が混入してきて、気疲れしない余韻が残るようになってきた。
 
 筋肉ムキムキな、これも好みとは言えないピノではあるけれども、それでもピノの優しさ、チャーミングさを兼ね備えているあたりが興味深いワインだった。以前、ブラニー一級のフェヴレのワインを試した時には、ムキムキはしていなかったけれどもややこしいワインだったみたいだ。ブラニー、面白いワインだけど、ちょっとややこしすぎかも。
 
 

【1626】Paul Jaboulet Aine Crozes Hermitage Thalabert 1998

 
ポール ジャヴレ クローズ エルミタージュ タラベール
 ※リンク先はヴィンテージが異なります
 
 ローヌ地方のひとつ、エルミタージュはあまり親しみが無いので、今回はあえてやってみることにした。果たして、こいつはどんな顔つきなのか。
 
 まず、グラスの中味はさすがに暗い。暗褐色な赤ワインではある。香りを確かめると、ビーフジャーキーと蝋燭がすごく立ち込めている。蝋燭っていうより、パラフィンとか、そちらの石油製品にも近いかもしれない。まあ、臭いですよ、ローヌの匂いがぷんぷんする。
 
 口に入れると、初手から果実味が濃い。黒い果実を濃縮して作ったというような。エキスを飲んでいる感がある。で、すごく余韻が長い。とにかく強いワインけど、いがらっぽくなることはないし、タンニンを意外と意識しないで済んでいる。特濃ワインなのにエレガントなところがあって、感心する。
 
 自分の好みのワインではないのだけど、たいしたものだと思った。
 

【1625】Corte Majoli Pinot Grigio 2015

 
コルテ マイオーリ ピノ・グリージョ
 
 グラスに注いでみると、透明度が高い、いかにもイタリア安ワインらしい雰囲気。ピノ・グリージョという品種らしいとも思う。香りは、すがすがしい台所洗剤系の香りが匂ったぐらいで、それほどでも。
 
 口に入れると、酸味がしっかりしていて目が覚めるよう。石灰岩のような、カルシウムイオンを思わせるような風味がよぎって、そこにレモネードもかくやというような酸っぱくて少し甘味を帯びた味が口のなかに広がる。そこに、台所洗剤系の風味が混じってくるのがピノ・グリージョらしいところ。水仙やヒヤシンスを思わせるような、そっち系の花の匂いを連想させるところも。安くておいしいイタリア産ピノ・グリージョとしては良い感じ。
 
 ※翌日もだいたい同じ調子だけど、翌日のほうが酒っぽい臭いが強まって安ワインのめっきが剥がれた感はある。仕方ないかもしれない。ほんの少しだけ、色合いが麦わら色に近づいたかも。
 

【1624】Santa Duc "Les Garancieres" Gigondas 2010

 
サンタ・デュック ジゴンダス ガランシエール
 ※リンク先はヴィンテージが異なり、売り切れています
 
 このワインは、いつもニコニコ、おいしいジゴンダスをつくっているサンタ・デュックのもの。この銘柄とは以前にも対峙したことがある……と思ったら、前回は「ガランシエール」という名前はついていなかった。その時の印象はなかなかのものだった様子。
 
 まず見た目。透明度が低く、黒っぽいワイン。赤茶色じみていて、いかにもジゴンダス!という感じ。香りは、ビーフジャーキーとユッケの中間みたいな肉っぽい匂いと、強い線香系の香りが最初にドカーンと来た。パラフィンや果実の香りをこれらが圧倒している。ローヌ的に「臭いワイン」と言ってよさそう。
 
 口をつけると、そういった肉系の香りを押しのけて、キューっとした、グルナッシュらしい果実の風味が口のなかに広がった。いや、差し込んできた、と言い換えるべきか。どっさりとしたタンニンと、がっしりとした果実爆弾的なフルーツさ加減を伴っていて大柄。このあたりは、期待どおりの展開だけど、肉系風味のおかげか、どこかに洗練があるせいか、決してつまらないワインではない。
 
 ☆翌日は、沼のような匂いがもうもうとしている状態で始まった。肉の匂いも健在で、命の息吹を感じる。味は少し円やかになって、二日目のほうが総合力は上。いやいや、良いワインです。

 
 

【1623】Sileni Estates "Cellar Selection" Sauvignon Blanc 2016

 
シレーニ エステート ソーヴィニオンブラン
 ※リンク先はヴィンテージが異なります
 
 今日の夕食は、卵料理とマグロ料理、豚のしゃぶしゃぶを中心としたもの。これの相棒として、ソーヴィニオンブランをあててみた。
 
 見た目は、透明度の高い、薄い白ワイン。この品種なら、まあこんな感じでしょう。香りは、メロンの皮と桃、それからピーマン。くせのある匂いで、まあ、これもこの品種ならこんな感じでしょう。
 
 口をつけると、酸味が舌の中心にキリリと迫ってくるけれども、口全体はフンワリとフルーツ系の風味が膨張して、よだれが出てきそうな味。というかよだれがどんどん出てくる。食事の相棒にはよさそう。呑み進めると、ボリュームの大きさを意識することが増えて、メロンの皮風味が弱まって、もっとフルーツっぽい風味やフルーツポンチの汁のような風味が強まってきた。なかなかに頼もしい。
 
 ※翌日もボリュームのある展開が続く。苦手な風味よりもフルーティーで楽しい風味が優勢な展開だった。