北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1807】Domaine de la Mordoree Chateauneuf-du-Pape 2013

 
[2012] シャトーヌフ・デュ・パプ "レーヌ・デ・ボワ" (ドメーヌ・モルドレ)
 ※リンク先はヴィンテージが異なります
 
 ローヌのちょっと良いワイン(それも、自分好みの南ローヌ系のワイン)を発掘したので、これをやってみることにした。
 
 見た目は濃い赤茶色、不透明で黒々。香りは強烈なアルコール臭が沸き上がり、ワインの香り以前にアルコール。鼻息が荒い。
 
 口に含めると、ぐわっとタンニン!渋っ!このワイン、あまりにも早く開けてしまったことに抗議しているかのようだ。でもってジャムのような果実味は当然として、どこかジンファンデルを思わせる人懐こいクリーミーさと甘さが面白い。そうこうするうちに、果実味が奇妙な膨張というか、口のなかからのどの方向に張り出すような感覚があって面白い。白ワイン品種でいうならピノ・グリあたりでしばしば感じる膨張感に近いけれども少し香料のような風味も伴い、梅っぽさも伴いはじめてそれなり複雑さもある。いいワインだ、明日も楽しみ。
 
 ※二日目は、少し梅フレーバーが強まったが膨張力や複雑さがある。いいワインだ、価格に充分なクオリティがあり満足。
 

【1806】Aussieres Rouge Pays d'Oc Cabernet Sauvignon-Syrah 2016

 
ドメーヌ・ド・オーシエールオーシエール・ルージュ [2016]
 
 このワインは、バロンドロートシルト関連の廉価版ワインセットの最後の一本。フランスのどこかでつくられたペイドック(地酒?)規格のワイン。気軽に呑めて、気軽においしいワインっぽい規格だ。
 
 見た目は黒々としたワインでとっても不透明。蛍光灯に透かしてみても、向う側が真っ黒にみえるほど。なかなか濃い。香りは、湿ったプラムとでもいうようなツーンとする匂い。その後ろから、ふっくらとしたチョコレート系の香りが立ち上がってくる。
 
 口に入れると、カベルネソーヴィニオン由来とおぼしき、煙たい風味が口のなかに広がった。フランス系シラーの梅っぽいフレーバーと、カベルネ由来とおぼしき落ち着いてミルキーな口当たりの両方の顔を持ち合わせている。あと、このワインはタンニンによる収縮にくわえて、なんだか口のなかでフワーっと膨らむような(白ワインでいえばヴィオニエあたりにありがちな)膨張感を伴っているのがちょっと面白い。うん、いいんじゃないでしょうか。特別な産地の特徴的なワインとは無縁の、とにかく美味いものを出す、みたいな感じのワインで好感が持てる初日だった。
 
 ※二日目は、膨張感がなくなってもうちょっと普通の赤ワインに寄った感じ。価格を考えればまずまずかと。
 

【1805】Chandon Brut Methode Traditionnelle Brut (N.V.)

 
シャンドン ブリュット 白 泡 N.V
 
 年末年始はなにかとスパークリングワインが欲しくなるところ。で、このシャンドンが作っているオーストラリア産の「まるでシャンパーニュのようなスパークリングワイン」は便利なので動員。
 
 まず見た目。やや薄目ながらシャンパンゴールドといっても良いような黄金っぽさはある。泡はごうごうとこみあげてきて十分。残念ながら、今回、香りはそんなにはっきりしなかった。
 
 口に含むと、はっきりとした甘味と苦みがあって、味のスカラー量が大きい、つまり味のしっかりしたスパークリングワイン。もちろん酸味もかなり充実していて、尻軽な感じに堕落することはない。新世界産の味の強さを支えるだけの適度な酸味があり、苦みのおかげで重厚……というとほめ過ぎかもだけど、シャンパンっぽさはある。口のなかにメレンゲやトーストの感覚がよぎるのも好感。シャンパーニュというブランドがもてはやされている昨今、こういう地に足の着いたワインはありがたい。まあ、こいつもちょっと値上がり傾向ではあるのだけれど。
 

【1804】Domaine Gramnon "La Sagesse" Cotes du Rhone 2015

 
グラムノン ラ・サジェス マグナムボトル
 ※リンク先はマグナムボトルです。
  
 あけましておめでとうございます。このワインは、ローヌのジェネリック「Cotes Du Rhone」クラスのワイン。作り手はグラムノンという、以前におすすめされたところのもの。ジェネリックでも頑張ってくれるのだろうか。
 
 まず見た目。紫色で不透明、黒々としたローヌの赤ワインらしい色合い。茶色っぽさは感じられないので、若々しい。香りは、梅ジャム、煮豆、それと濃い植物系のにおい。これは菖蒲?いや、菖蒲とは違うか。とにかく緑色の濃い系植物を思わせる何かがある。
 
 口に運ぶと、キューンと目が覚めるような果実味が炸裂。ジャブジャブとした果実味なんだけど、タンニンの影響で口のなかがすぼまるよう。タンニンが上顎を締め付ける感じがあるけれど、のどの真ん中を通っていくところはミルキーで、サービス精神がある。でもって、例の植物系のにおいと梅ジャム系のにおいがグラスと鼻腔の間を何度も行き来する。さすがにフォンサレットのローヌに比べるとバリエーションは乏しいにせよ、よく頑張ってはいる。
 
 ※翌日。ワインが重く、堅くなった。果実味の口ごたえがカチカチになって、むしろ飲みにくくなった。これは悪い兆候だろうか。それとも良い兆候だろうか。「もっと寝かせろ」という意味ともとれるし、「これは自分には合っていない」という意味ともとれる。こいつの飲み方はどうあるべきなんだろうか。ただ、もし可能性のあるワインと解釈するとしても、くつろぎを与えてくれるっていうより、考察させてくるタイプのワインではないか、という予感がある。つまり、これは難しいワインではないか?
 

【1803】Feudi di San Gregorio "Albente" Vino Bianco (N.V.)

 
アルベンテ ビアンコ NV フェウディ ディ サングレゴリオ
 
 このワインは、イタリアはカンパーニャ州の大ワイナリー、フェウディ・ディ・サングレゴリオのベーシックな白ワイン。昔は1300円ぐらいで売られていたけれども、すっかり偉くなってしまって1800円以上の値付けになっている。でもって、これ、よく見たらヴィンテージがわからない。ひょっとしてどこかに記述があるかと思いボトルをひっくり返しまくったけれどもなし。なんということでしょう。なので(N.V.)と表記しておいた。
 
 まず見た目。薄い黄金色。ちょっと麦わら色っぽいところがある。ちょっとシャブリっぽい&米ぬかっぽい匂いと蜂蜜っぽい匂いがする。これは、たまたまブルゴーニュグラスを使ったせいもあるかもしれない。それでもスイカズラ系の香りが漂ってきて、この土地の白ワインっぽさはそれなり、残っている。
 
 口に含んでみると、とてもみずみずしく、酸味がギュギュギューっと盛り上がってくる。飲んでみればシャルドネらしさなど欠片もなく、わしづかみの酸味、ラムネ・石灰岩系の爽やかな風味、白い花を思わせる芳香、そして僅かに麦わら。いいですね、この地域の白ワインはこうでないと。それでいて重くて苦しいほどでもなく、カジュアルな感じがするのもいい。これで1400円ほどだったらどんなに良いだろうか、でも値上がりしてしまったので、うーん、購入ラインの当落線上といったところか。
 
 ※翌日も、基本線は同じ。さっぱり・酸味がっしり・花の芳香といった、カンパーニャ州の土着白ワインに期待したいものはだいたい揃っている。スイカズラ全開。良いのではないでしょうか。
 

【1802】Charles Drapier Beaujolais Villages Nouveau Special Cuvee 2018

 
vinica.me


 このワインは、2018年のボジョレーヌーボー。ふとしたご縁があっていただくこととなった。どうやら、セブンイレブン、イオン系列で取り扱っているものらしい。ボジョレーヌーボーは久しぶりなのでちょっと楽しみ。
 
 まず見た目。やや青色側に寄った、ちょっと蛍光っぽさを伴った赤ワイン色。液面に泡が発生した時、それなり紫ピンク色をしていてまずまず色は濃い。もっと薄いかと思っていた。香りは、昔のケーキ屋のケーキの上に載っていたイチゴ風の朱色のお菓子のような、チープな甘い桜系の香り、その奥からさらにフレッシュなサクランボのような香りが漂ってくる。ヌーボーとしては上等なんじゃないか。
 
 口に入れてみると、若いサクランボみたいな酸味がそれなり来て、やや水っぽいものの、「軽くて酸っぱい赤ワイン」としては意外にもまともなつくりで、後味にはアルカリ土類金属っぽさすらある。タンニンは最小限、赤ワインの苦手な人でも飲める赤ワインとしては出来栄えはなかなか良いのでは。美味い、と言ってしまって良い部類だと思った。